- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041046005
感想・レビュー・書評
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ヘビーなのにドライというか...面白味は皆無なのに凄みは感じるというか。相反する複雑な気分で読了。小説家志望の40歳の令央は、スパルタ編集者にボロクソに言われながら、私小説を産み落とす。それだけの話なのだが、令央の特異な環境をさも当たり前の日常のように描く文章力や、心に刺さるセリフ・比喩表現等、桜木柴乃節を改めて感じる一冊だ。主体性のないボンヤリしてみえた令央が、様々な人間から暴言を吐かれても、小説のコヤシにしていく様はよかった。でも、薄い本なのに凄く読むのに時間がかかったし、疲れた....。
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文章が読みにくく、何度も読み直すことが多かったせいかかなり時間がかかった。本を出すことへの葛藤と編集者とのやりとりが間延びして
途中であきてしまった。結局よくわからないままに終わってしまったが
江別の描写は好きだったりする。 -
桜木ワールド全開です!!!!
人が生きていく中、決断が必要であるのは言うまでもない。 日々起こる決断は瞬時に行動に移すが、人生に数度しかない時間が必要な大きな決断もある。 令央の決断の仕方、生き方は、自分にも当てはまるところがあり、共感を呼ぶ。 「砂上」がハッピーに終わる物語で良かったという安堵感に包まれる。
【本文より】
美利のうっぷん晴らしに似た助言は、しばらくのあいだ室内を漂って、やがてそれがひとかたまりになって、胸に落ちてきた。
書きかけの嘘が次の嘘を求めていた。
小川己三の指摘でずれた蓋の隙間から箱に入れっぱなしになっていたあれこれがこぼれ落ちてくる。今まで捨て置いてきた自分の「不誠実」反転して、己三のかたちになって降りてきた気がする。
美利は言う~
「あたしに質問されるのを期待して、見えるところに薬袋なんか置いておくのやめなよ。甘えってそういうことだよ。無視されたらされたで、うじうじするんだよ。そういうひとは。」
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新井賞を受賞した作品はハズレなしと聞いて読んでみた。
そんなに長くない本なのに、言葉を理解するのに、頭に入ってくるのに時間がかかって、ゆっくり読み進めた。
今は、令央の姿が目に浮かんでいる。
読み終えて、うん、面白かったかな。と。
またすぐに、この方の本を読むかはわからないけど、またいつか読んでみたいと思う。
私よりも10歳以上年上の筆者が選ぶ登場人物の名前が今風で、プロフィールを二度見してしまった。
「痛い痒いも生きてる証拠」
「何でもいい風に解釈するのは自分のため」
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「たとえばあたしが死んでも、泣かないような子に育てたいの。」
わたしの地元・江別。
ビストロ・エドナも知ってる。
駅前の五叉路もすぐ情景が頭に浮かんでくる。
珠子の人間味が現実感があって嫌いだわ。 -
上脆的。虚構。真的还是假的。
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なんとも薄気味悪く、そして爽快感のある本です。小説の為に他の事をまともにしていない女性が主人公です。結婚生活は夫の不倫で幕を下ろし、その慰謝料をあてに生きているので、読み始めは旦那最低だなと思うのですが、読んでいるうちにちょっと元旦那が哀れに・・・。こんな人と結婚したら心が少しずつ削られるだろうなと思います。
良い小説を世に送り出すためには手段を択ばない編集者との出会いが、彼女の人生を変えていくのですが、根本的にハートフルさとは無縁で、もっとおかしな方に突き抜けていくのがなんだか楽しい。亡くなった母親と妹との関係もヘンテコですが陰惨さが無くて、昔は湿っていたものが乾いたことによって、濡れていたときの形状を保っている古い雑巾のようです。