敵の名は、宮本武蔵

著者 :
  • KADOKAWA
3.71
  • (16)
  • (42)
  • (35)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 218
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041050804

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宮本武蔵と言えば、佐々木小次郎との巌流島の戦いで有名な剣豪としか思い浮かばない私にとって、この本に描かれる宮本武蔵像はなかなか衝撃的であった。いや、武蔵というより、父親の無二の方が衝撃的か。以前の作品の「宇喜多の捨て嫁」と同じく、連作短編を読み進めていく中で、最初に抱いた印象が途中でガラリと変わる。残酷な運命に翻弄されていたのは武蔵でも小次郎でもなく、無二その人だったのかもしれない、と思った。途中、やり切れないほど凄惨な場面が何度となくあるが、最終章はとても清々しく、スッキリとした気分にさせてくれた。

  • タイトルだけを見て歴史小説だからといって「英雄譚を長々と語るありきたりな話」と決めつけるのはいささか早計だ。この話の最初から最後までを吟味してみると何度も何度も打ち鍛えられた刀のように密度の濃いものになっていることに気がつく。お堅いイメージの歴史小説とは裏腹にこの小説は一文一文が短いがそれを感じさせないほど多量の情報が含まれており、読みやすさを伴った綿密さを表していた。物語は群像劇の形をとっており、宮本武蔵を中心に他の登場人物の生き様が交差するように表現されていた。三人称小説の中に一人称を紛れ込ませるような書き方が実に自然体を成していて、読んでいる私たちに一番響きやすいように工夫されているように感じられた。

  • 今まで読んだ武蔵とはちょっとイメージが違いすぎて残念。

  • 2017年9月17日

  • 負け知らずの剣豪、宮本武蔵。
    なんてカッコいいんだろう。
    その生きざま、立ち振舞いに惚れ惚れしてしまう。

    敵や弟子、師匠と様々な立場の男達が語る「宮本武蔵」は剣術の腕は勿論、絵を嗜んだり人知れず情けをかけたりと意外な側面が明かになり、人としての魅力に溢れていた。
    生死無用の一対一の果たし合い…生か死か二つに一つ。
    このシンプルで潔い男達の決着の付け方に読んでるこちらまで身が引き締まる。
    道を究める男は何から何までカッコいい。

    連作短編一つ一つのラストがとても清々しく心地好かった。
    他の武蔵本も読みたくなった。

  • 第157回直木賞候補。
    宮本武蔵と闘った人々を主人公にした連作短編集。読み応えがある時代小説。作者の他の作品も読んでみたいと思いました。

  • 宮本武蔵、という名前は知っていたが、詳細はお恥ずかしながら全く知らず。。。
    武蔵と戦った人目線の物語で、武蔵のことがよく理解できました。

  • ややミステリーじみた展開で、付いていくのが難しかったな

  • ストーリーが破天荒

  • 新たな武蔵像を結ばせて貰った。テンポも快調で一気に読んだ。

全51件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1974年奈良県生まれ。2015年デビュー作『宇喜多の捨て嫁』で高校生直木賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、19年『天下一の軽口男』で大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で野村胡堂文学賞、20年『まむし三代記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞、中山義秀文学賞、’22年『孤剣の涯て』で本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。近著に『応仁悪童伝』がある。

「2023年 『風雲 戦国アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木下昌輝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×