江戸城 御掃除之者! (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 85
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051894

作品紹介・あらすじ

江戸城の掃除を担当する御掃除之者の組頭・山野小左衛門は、上司から極秘の任務を命じられる。それは男子禁制の大奥の掃除。七代将軍徳川家継の生母である月光院付きの御年寄・音羽が何年も局に籠もり、部屋を芥溜めとしているらしい。精鋭の配下六人を集め、大奥へと乗り込むが、そこには大奥女中による防衛線が築かれていた……。掃除に命を懸ける七人の侍に降りかかる無理難題。大江戸お掃
除戦線、異常アリ!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸城 御掃除之者シリーズの1作目
    2017.02発行。字の大きさは…小。

    音羽殿の局御掃除の事、象道中御掃除の事、御殿向 開かずの間御掃除の事『亡魂あり』の短編3話。

    御掃除之者は、江戸幕府における職名の1つです。掃除之者には、吹上掃除之者・浜御殿掃除之者・桜田御用屋敷掃除之者・紅葉山掃除之者などがあります。
    江戸城内の御殿の清掃を主な任務とした役職です。他に走り使いや物資の運搬にも従事しました。

    【音羽殿の局御掃除の事】
    音羽殿の局御掃除の事は、御掃除之者組頭・山野小左衛門が大奥で将軍以外の子を産んだ月光院さま付き年寄・音羽殿の部屋の掃除とその悩みへの対処を行う。

    【象道中御掃除の事】
    象道中御掃除の事は、長崎から採薬師たちが象を連れて江戸へ来る。御掃除之者は、象の糞を守る役を仰せつかる。

    【御殿向 開かずの間御掃除の事】
    御殿向 開かずの間御掃除の事『亡魂あり』は、大奥宇治之間のお掃除を仰せつかる。そこには、将軍綱吉と将軍綱吉を大奥宇治之間に誘い出して刺殺した、御台所・信子と、綱吉殺害を手伝った伊豆の局の幽霊が出ると言う。

  • 軽妙で楽しい、チームワークも見どころ。
    江戸城のお掃除担当のお仕事小説。
    大奥がらみの怪談風の話もあって、面白く読めた。

  • 面白い視点の時代小説!
    本丸の掃除を仕事とするのは、掃除之者。青山御掃除町に住む。山野小左衛門は本丸御殿を仕事の場所とする山野組の頭である。
    小左衛門のところに何台が降りかかるが。。。。

    三十俵四人扶持というお目見え以下の身分の低いお役目だ。
    だがメンバーそれぞれ掃除に誇りを持って、それぞれ工夫を重ねた道具を試行錯誤しながら開発し、1番の良い仕事ぶりを信条としている。

    キャラクターも個性豊かで、剣を持って切った張ったの荒業はないけれど、江戸城の難問を次々と解決!
    興味深いシリーズ第1巻。

  • 先日、第2巻を読み終わった後1巻をもう一度読み直してみた。
    舞台設定や登場人物のキャラクターが、現代にも通用しそうなところがまず読みやすかった。
    そして、地味で目立たないけど絶対必要な仕事として「掃除」というセクションを描いていることにワクワク感を感じた。
    作家の描きたい人間像、その時代性、読み手を引き込む文章力、さすがだな・・・・

  • 2023.02.07

  • 3巻めに

  • 読み始めは、おもしろくなかったんですが、じょじょ・・・にじわじわと気持ちが向かっていきまして、3冊目まで、読み切りました♪

  • 吉宗時代の嫌がらせの大元は尾張家しかないような書きぶりが腹立たしい。

  • 今まで読んだ江戸時代の小説は、武士の役職(?)や俸禄等が、書かれており、奉行所、旗本、大名、等の業種的な物が多かった。
    それと、下町を題材にした物など、沢山読んだつもりだったのだが、この本は、御掃除を役目とした組頭とその一団の活躍が書かれており、面白く読ませてもらった。

    今の時代を反映しているように、ゴミ屋敷ではないが、「音羽殿の局御掃除の事」は、大奥の抵抗をどのように排除しつつ、知恵と配慮で、仕事を完了できるのか?とても興味深かった。


    「象道中御掃除の事」は、武芸も達者でなのに、創意工夫で、それをかわしていく様は、なかなかの知恵者である。

    「御殿向き 開かずの間御掃除の事 『亡魂あり』」は、綱吉が、天然痘で亡くなったのではなく、後継ぎ問題で、殺害されたので、亡霊になって出て来るとのうわさで、恐る恐る仕事を全うするのだが、一つのシミでも納得できない掃除集団の為す様が、仕事への執念を感じさせる。

    又、続編が出たら読みたいと、思った本であった。

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著者プロフィール

1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学芸術学部を卒業後、2000年に『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス)でデビュー。『エリ・エリ』(ハルキ文庫)で、第1回小松左京賞を受賞。14年には「風の王国」シリーズ(ハルキ時代小説文庫)で、第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。「採薬使佐平次」シリーズ、「江戸城 御掃除之者!」シリーズ、「よこやり清左衛門」シリーズ(ともに角川文庫)や「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」シリーズ(だいわ文庫)、など、多岐にわたるジャンルにて活躍している。

「2023年 『大一揆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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