殺人ライセンス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041081754

作品紹介・あらすじ

高校生が遭遇したオンラインゲーム「殺人ライセンス」。ゲームと同様の事件が現実でも起こった。犠牲者の名前も同じであり、高校生のキュウは、同級生の父で探偵の男とともに、事件を調べはじめる──。

感想・レビュー・書評

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  • 取り立てて褒めるところのない普通の作品。
    そもそもコンピューターやネット関連についてオジサン達は詳しくなくチンプンカンプンで、若い者が詳しいというステレオタイプな初期設定が如何なものかと思うが、上梓されたのが2002年であれば仕方ないか。
    容疑者やトリックも種明かし前に気付くような内容だし、何より今野敏にしては警察の描写が物足りないと感じた。

  • 今野敏作品としは珍しい単発ものですが、とても楽しめました。刑事ものをあらかた読み終わってしまったため、本作では久々に捜査本部のヒリヒリする空気感にも触れることができました(田端課長にも久々にお目りかかりました)。

    物語は高校生・キュウと彼のクラスメートの父親である相沢、そして相沢の高校時代の同級生である刑事の丸谷の3人が軸となって進んでいくのですが、この3人の出会いに至る経緯やこれが事件と結びついていく”妙”はさすが今野作品といったところでしょうか、実にうまく演出されているなと思いました。読みながら、おおっ!こうつながるのか、と心の中でちょっぴり叫んでしまいました。

    そして、まさに三者三様、この3人が物語を通して成長していく様も見どころの一つといえるでしょう。特に相沢とその妻との関係は必見です。それまでは明らかに冷え切った関係であったものがちょっとした会話から夫婦の絆を取り戻していくシーンは素直にいいな、と思えるものです。

    またキュウのクラスメートである祥子と相沢の娘でもある麻里、この2人それぞれが持つ家族観の変化や、少しづつ自分を客観視できるようになっていくところもまた見どころです。

    こんなふうに一つの殺人事件を主題に、これを取り巻く人々を丁寧に描写し、事件の解決ばかりか彼らの成長物語にもなっているという”巧みさ”は見事なものです。そしてなによりも、本作ではインターネットを駆使した事件とパソコンに向き合う2人の男、キュウと相沢を描きつつも、彼らの成長のきっかけは、実はそれらとは真逆にある生身の人間同士の会話にあった、というこの対比が絶妙な点に、著者の構想力を思わずにはいられない一冊といえるでしょう。

  • ネットを上手く利用したなと思った
    下手に工作しない方がバレなかったんじゃないかな

    相沢が自分勝手で腹が立ったけど、ちゃんと家族と話し合って解決したので良かった
    麻理と祥子、キュウとタモツの関係もいいなぁと思った

    ラストでは疑問だったことが一気に解決してスッキリ読み終わりました

  • #読了 インターネット上の犯罪が騒がれ始めたころのお話、なのかな?この頃はまだ自分は子供で事情はあまり飲み込めないのだけれど、現在にも通じる部分がたくさんあって引き込まれた。
    登場人物たちと同じく得体の知れない快楽殺人犯を想像させられてしまった。まんまとミスリードされて悔しいと同時に爽快だった。

  • あっさり終わってズコー!てなった インターネットの向こう側には生きた人間がいてそれぞれ生活をしているということ

  • 登場人物の状況も殺人事件の進展も、
    興味深く続きが気になり一気に読んだ。
    最後まで楽しんで読めた。

    ネットの世界とリアルの世界の間には境界があると、
    まだ信じられていた時代の話。
    小説内では「新しいハイテク犯罪」的な位置づけだが、
    古めかしさもにじみ出ており妙な楽しさがある。
    CGIの掲示板とか懐かしすぎるー笑

  • おもしろい展開、だからこそ殺人動機?人間関係がそんな理由で殺していいの?と思ってしまいました。

  • 最後まで飽きさせないストーリー展開は、安定感のある今野敏らしい作品でした。
    なんとなく、隠蔽捜査シリーズのような匂いも。笑
    シリーズになるのかな?

  • 高校生のキュウちゃんがネットゲームを発見。「殺人ライセンス」だと。でも、そのゲーム上でターゲットとなっていた人物とそっくりの人が次の日実際に殺される。誉田哲也のアクセスかと思ってしまう導入で、先入観を植え付けられ…

  • 読みやすい。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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