紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.72
  • (32)
  • (77)
  • (54)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 677
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041087527

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 川越かなと思って読み始めたけど、東京だった。 紙、特に和紙に重きを置いたテーマで、これは好きなやつ! 主人公は自信がないながらも、一生懸命だししっかりしてる子で好印象。今後も気になるので続きも読みたい。

  • 活版印刷のほしおさんが、今度は和紙をとりあげる。
    とはいえ、三日月堂のシリーズでも、細川紙のことがでていたから、和紙に光が当たるのも、自然な流れか?

    主人公は吉野百花という大学生。
    日本文学専攻で、小冊子研究会というサークルに入っている。
    ちょっと内気なところがあるが、手先が器用で、紙を使った小物を作るアイディアも豊か。

    その百花が、器ものを商う叔母、紫乃の導きで、製紙業を営む藤崎産業の記念館で働くことになる。
    創業一族の館長一成は、若く、紙への情熱も人一倍だが、和紙で商売が成り立つ時代ではないとあきらめ、無気力になっている。

    少し偏屈な一成が、百花の懸命さにふれて変わっていく、という筋書きはまあ、安心感のある展開。
    続巻もあるようなので、今後、どんな和紙の世界が繰り広げられるか、楽しみ。

    紙屋ふじさきをSNSでPRする件も面白かった。

    しかしこれは、サザエさんとは異なり、年を取らない小説ではなさそう。
    百花は大学二年生。
    就活で苦戦する先輩の様子が描かれるように、百花にもやがて立場の変化は訪れるだろう。
    大河シリーズにはならない気がする。

  • 馴染みのない専門用語や地名、建築物名が多数出てきて、イメージしにくかったため、気になったものを検索しながら読んだので時間がかかった。
    冒頭に出てくる組子の障子がもう、何度読み返してもイメージ出来ず、画像を見てイメージしつつ、それをカードに?とまたイメージ出来ず…。読み進めていって何とか分かった。
    ストーリー自体は面白く、和紙にも魅力を感じたので、百花と同様、知識があればもっと楽しめるんだろうな、と思った。
    象の話も切なくなった。
    続きが楽しみ。

  • ほしおさんって手仕事そのものを創る人じゃなくて
    それを文字にする人なんだな
    既刊の本を見てそう感じた
    取材するだけじゃ無くてどう表現するかっていうのも重要ですね

    さて今回のテーマは和紙です!
    今立と名塩を訪ねたことがあるので興味のあるジャンルです(^^)


    続けて続刊の「物語ペーパー」
    大学生のサークルの様子とか新商品開発とか
    現実的では無いけどワクワクするストーリーです
    それでも美濃和紙の章では現実に旅に出られそうな(^^)
    この本を貸してくれたMZTさんも行きたいって!
    ちょうどNHKのせかほしで特集していたらしいです
    伝統工芸を現代につなぐのは素晴らしいです!

    後半は三日月堂の流れを感じるストーリー
    ほしおさんは、最近お父さんを亡くされたとの事
    故人の思い出が感じられてじんわりきますね

  • これからの記念館の変化が楽しみ。

  • 図書館で借りたもの。
    百花はある日、叔母に誘われた「紙こもの市」で紙雑貨の世界に魅了される。「紙屋ふじさき」記念館の館長・一成を紹介され、ひょんなことから記念館のバイトをすることに。始めはそっけなかった一成との関係も、ある出来事で変わっていく。可愛くて優しい「紙雑貨」に、心もいやされる物語。

    紙ものっていいよね~。
    いいな~って思っても使わないものは買わないから、なかなか買うことはないけど。。
    見るのも楽しい。
    百花が紙こもの市で買ったものの中に、「活版印刷三日月堂」関連の作品があったね!

    写真でもイラストでもいいから、どんな物を作ったのか見たかったな。
    続編も読みたい。

  • 2/21▶️2/23 発売中

  • よくものつくり系のイベントに行くので散財する気持ちはよくわかります。
    主人公が作っているものとかすごく欲しいです、使い道とか考えてはいけないけども。
    愛想のない藤崎さんとの関係がこれからどうなるのか気になります。

  • 紙が好き・本が好き
    その後のお話、書いてくれないかな〜

  • 登場する紙小物がどれも可愛くて、実物が見たくなるほど。
    何故この本には表紙以外にビジュアルが、写真がないのだ!
    カードも栞もいろいろ紙ノートも、本当にどれも素敵でした。
    ペーパーレスが叫ばれている昨今で、逆に紙の大切さが分かったと言いますか。

    紙小物の話(プラス和紙の話)なので、紙小物の作り方や和紙についての説明や過程が丁寧に描写されているのは当然として、個人的にそれ以外の描写の丁寧さにも惹かれました。
    主人公が和紙の記念館に関わっている時以外の日常の描写、例えば大学のサークル仲間たちとの日常、親子の会話。
    そういった直接的には紙の話には関わらない部分も丁寧に描写されているので、話に奥行きがあったように思います。
    紙小物の話だけにスポットを当てるなら、記念館のバイト時以外のエピソードは割愛してもよかった。
    (例えば「次の日曜」などで一気に時間を飛ばしてもよかった)
    それを敢えて書いているから、主人公の性格や背景がより掘り下げられて、日常生活にそっと「紙」に関するエピソードが寄り添っていく、そんな風に感じました。
    紙は身近なもの、「非日常」のものではない。
    日常と日常の間に挟み込まれて、紙に触れる話も日常になっている。
    そんなところが素敵だったなと。

    作り込まれていると言えば、作中に出てくる主人公の父が書いた短編小説の話も丁寧に作り込まれていて驚きました。
    あの話だけでも感想文がずらっと書けそうな勢い。
    作中話なのが勿体ないほど。
    まるっと一冊の本として読みたいぞ、『東京散歩』

    「紙が立体」など、気になるフレーズ、気付かされるフレーズも数多く登場し、読んでいて唸ること、考えさせられることも多かった作品。
    だからこそ、最後がちょっと尻切れトンボ感があって勿体ない気がしました。
    「オレたちの戦いはここからだ」みたいな終わり方だったので。
    これは是非是非続編を期待したいところ。
    素敵な紙小物に会える日を楽しみに待っております。

全64件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ほしおさなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×