さわらびの譜 (単行本)

著者 :
  • 角川書店
3.45
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本棚登録 : 175
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105498

作品紹介・あらすじ

扇野藩の重臣、有川家の長女・伊也は、藩の弓上手、樋口清四郎を負かすほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれる伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が。くすぶる藩の派閥争いが彼らを巻き込む。長編時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 2021.09.03
    物語に何故そのようなことになるのかの疑問を持つ場面はあったけど、その後の展開は期待通りのものだった。やはりこの著者の作品は読み終えた後、清々しさが残る。

  • 扇野藩シリーズ 第2作目

    扇野藩の弓術師範は、20年前から、大和流の磯貝八十郎が務めている。

    有川家が伝える弓術流派は、日置流雪荷派である。

    勘定奉行である、有川将左衛門には、二人の娘がいた。将左衛門は、長女の伊也に、弓術の天稟を見出し、6歳から、稽古を付けた。18歳の今では「弓矢小町」と評判されるようになった。

    その年の正月に行われた、弓術奉納試合に、日置流雪荷派として出場した 伊也は、一矢の差で、大和流四天王の一人、樋口清四郎に負けた。

    試合に臨む清四郎の清々しさに、その日以来、心を奪われた伊也であったが、
    ある日、妹の初音に、その清四郎との縁談が舞い込んできた。

    庶兄の新納左近は、藩主晴家の乱行を諫言したが、それが、思わぬ波紋となって、伊也、初音姉妹。そして、清四郎に降りかかって来る。

    「我が想いは一筋の矢の如し、届けーー!」
    藩に正義を取り戻すため、伊也が射る、千本の矢が、邪を祓う!

    最後は、伊也、初音姉妹、清四郎、左近、将左衛門。全員、落ち着くところに落ち着いて、大団円。

    今回も、泣かせてもらいました。

  • ひたすらピュアな面々と、それにちょっかいを出す濁った人たち。
    何があってもピュアを貫いていきます。
    流石にピュアすぎるだろうって向きもあるかもしれませんが、だから良いのだというお話ですね

  • 2019.2.5

  • 終わり方が、さわやかすぎるくらいですが、女性が頑張って苦難を乗り越える様子は、応援したくなり良かったです。

    自分も弓道をやっているので、様子がありありと浮かびました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    扇野藩重臣有川家の長女・伊也は、藩随一の弓上手、樋口清四郎と渡り合うほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれていく伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が。伊也とのあらぬ噂により藩主の不興を買った清四郎の汚名をそそぐため、伊也は清四郎と立ち合うことに―。有川家に身を寄せる謎の武士の正体とは。姉妹の揺れる想いの行方は。くすぶる藩の派閥抗争が彼女らを巻き込む。高潔な志が清々しい感動を呼ぶ時代長編! --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

    平成29年12月9日~10日

  • 12月-1。3.0点。
    ある藩の、弓道名人の娘。息子が生まれず、長女が
    弓の道を継ぐことに。妹の婚約者も他流の弓道。
    心惹かれながら、妹の婚約者。
    紆余曲折あり、藩の事情も加わり、混沌に。

    あっという間に読めた。最後は安心。

  • 時代が時代なので、仕方がないことだけど、やっぱり「思い人」と一緒になれるお話が良いな~、と思いました。

  • L

    あら?こんなヤワイ話をこの作家さんでは読んだことがなかったような気がするんだが、なに?このやわやわな感じ。くっさい感じ。
    結局全て丸く収まって、貧乏くじ引いたのは想う相手が変わってよかったね、の妹では。
    芯の強い女と思いきや、やってることはただの身勝手で身から出た錆的な。そんでもって全てが丸く収まる的な。全然ハラハラ感もナシ。
    最後なんて、やり遂げなくてもやり遂げてもそのあとは丸く収まるんでしょー的な空気がただよってましたけど。

  • 秘めた恋心とか、許されない想いとか、お上からの理不尽な処遇とか、話を盛り上げる要素満点。主人公の行動全てが納得のいくものではないが、興味がそれを上回っている。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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