紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041114193

感想・レビュー・書評

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  • 今回は、記念館の物語というより、和紙が作成されるまでの工程や、加工の深掘り、という印象。
    なんとなく想像出来て面白かったし、読後改めて動画や画像で見てみた。
    まさに手仕事。
    どうしても想像出来なかった「西本願寺三十六人家集」を画像検索で見てみると、成程、圧巻の美。
    これが全て手作業とは。しかも時は平安時代。
    素晴らしい。
    岡本さんの、自然をそのまま写し取ったような、という墨流しも見てみたい。

    ラストはいきなり現実とリンクして、不安に駆られた。
    どうなってしまうんだろう。

  • 記念館閉館に向かっての怒涛の展開。それから小川町あたりの和紙の歴史を振り返り、墨流しの技法を教わり…と進み、いざ最後のワークショップってところで作中にもウィルスの影響が…。そういうの無い世界観なのかなと思ってずっと読んできたけど急に現実味が出てきた展開に驚きです。

  • 「ぴっかり千両」
    和紙を特集にするため。
    目の前に資料でしか見たことのない機械が展示されていたら、興奮から本物だと声に出してしまうのも分からなくないかもしれないな。

    「墨流しの民藝」
    物語は読者の心の中に。
    一度読んでみると続きが気になるような部分を抜粋しているのは流石としか言いようがないが、そんな文章を書けるのも才能だろうな。

    「春霞の小箱」
    最後のワークショップ。
    計画していた行事が全て出来なくなっただけでなく、閉館まで早まってしまうだなんて誰もが考えもしなかった寂しい終わりだよな。

  • 記念館の最後がこんな形になるのはさみしい。手作りと機械化。手作りが高級品になるのはわかる。残していかなければと思うけど、なかなか難しいのもわかる。

  • 和紙の里、小川町に行ってみたくなりました。
    時代に合わせて描かれているため、ここにきて感染症のお話が。。百花の「理不尽」という言葉に強く共感しました。次のお話で明るい未来が見えるといいなと思います。

  • このシリーズも長くなってきたと思っていたら、百花が記念館に来てからまだ一年少しらしい。
    埼玉県に和紙に関する施設があるなんて知らなかった。紙漉き体験は楽しそう。実在する建物なので、検索しながら雰囲気を楽しむ。
    閉園までのワークショップの準備を進めて、後は次作かと思ってたら、まさかのコロナ!ここでコロナ⁉︎この後どうなるんだろうか。

  • シリーズ第四作の「故郷の色 海の色」を入手できず、先にこちらを読む。

    記念館はどうやら閉館することが決まったらしい。

    この巻では、小冊子研究会で小川町に紙すきを見学に行くところから始まる。
    そこで出会った指導員の岡本さんは、本職は料紙を作る職人さんで、墨流しの技術を持つ。
    そんな縁で、墨流しを使った文箱を、最後のワークショップで作ることに決まる。
    ところが、新型コロナウィルスが流行し始め、紙を扱う藤崎産業にも大きな影響が出始める。

    小冊子研究会のメンバーたちの遠足の様子は、読むのは楽しいが、莉子以外、正直もはや誰が誰だか…。
    しかも、菓子屋横町月光荘のシリーズとの混線してきたし。

    今回は料紙のことが取り上げられ、書道のことも出てきた。
    次の巻にもこの話続くのかしら?
    なんとなく、次の巻あたりで最終巻になるのでは、という気がしているが。

    小川町での楮かしきの様子が興味深い。
    そして江戸から戦時中までの、小川町の紙づくりの歴史も詳しく知ることができた。

  • シリーズも5作目。
    ますます和紙や手仕事の世界にどっぷりつかって
    シリーズとしてはだんだん好き嫌いが分かれてくるかも……

    私はもちろん好きなシリーズ。

    最後はいよいよコロナ禍と記念館閉館というダブルのパンチに。

    果たしてこの先どう展開するのか目が離せません。

  • 5作目。みんなの想いややる気があっても現実は中々厳しい。記念館の閉館間際、今の世の中とリンクした状況になってもの凄く切なかった。物語では綺麗に閉館して欲しかったけど、きっと他の方法でみんなが集まって何かができると信じたい!

  • ものづくり、手仕事の奥深い魅力がますます伝わってきますね。

    ただ・・・物語にまで反映させることはないじゃないかって思ってしまったのも事実。これを好機に変えるアイデア・展開が準備されているんだろうとポジティブに捉えて次作を待とう。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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