- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041117316
感想・レビュー・書評
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兎にも角にも、装丁に目が奪われていたのだ。
いつも惹かれてしまう、“可愛い”とか“美しい”とかじゃなく、表紙の彼と目が合って、固まった。気味の悪さを感じるけど「読まないと」と思った。
本に呼ばれるとは、こんな感じなんだろうか。
結果『読んで良かった』
エンタメとしても楽しめたし、実際の生活でも気をつけないとなと思わされることが書いてあった。
“闇ハラスメント”は、私達の身近にきっとある。
自分が気付いていないだけで、されていたかもしれないし、ひょっとしたら誘っていたかもしれない。もう、してしまっているかもしれない。
セクハラやパワハラのように浸透してきたもの以外の名前を持たないハラスメント。
出くわした時に、その闇を祓えるか。難しいし、苦しいし、怖いだろう。無くすことなんて果たして出来るのか。次から次へと湧いてくる気がする。
相手がどう捉えるか、相手との距離感が、ハラスメントになるかならないかを決めるポイントになると思う。相手の立場や気持ちにちょっとでも寄り添う気持ちを忘れないでいたい。
それにしても、4章からなる物語が最終章で繋がる気持ち良さは、たまらないな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SNSなどの利用広まり、負の感情の増長が一層強まる現代問題をうまく小説化していて、ミステリー要素と絡めることで、最後まで一気に読み終えてしまった。
中でも、序盤の竹藪から出てくるシーンと、中盤の携帯画面の3時間以上通話記録のシーンが怖すぎた。。 -
怖い怖い怖い・・・
怖いよ〜!!!!
ゾクゾクとゾワゾワが止まらず一気読み
辻村深月さんはこんなホラー小説も描かれるんですね。恐れ入りました。
第一章 転校生
第二章 隣人
第三章 同僚
第四章 班長
最終章 家族
エピローグ
闇ハラスメントについて描かれている作品かと思いきや、そこは流石の辻村深月さん。期待どおりにすごく緻密で読み手を惹き込む工夫が凝らされた構成だった。
特に、後半に多用される擬音と改行と会話文による臨場感と緊迫感はスピード感もあり、恐怖と興奮の連続だった。
「最終章 家族」で全てが明らかになるので読後感も割と爽快!と思いきや、
エピローグの次頁
※この物語はフィクションです。・・・の後に
キャー!最後まで鳥肌がおさまりません。
竹の葉、私も身につけようかしら。笑
ネタバレは避けるとして戦慄のシーンを幾つか
家の裏手の竹藪に人影
教室の自分の机に書かれた文字
携帯に表示された通話時間
ママさん同士の鳴り止まないLINE
インターフォン画面の「ばあ!」
装画・装丁のおぞましさが、読み手の恐怖心を更に掻き立てる。
表紙の青年と常に目が合うよ〜!
ヒョエ〜ッ!怖い〜!
読み終われば、確かにタイトル『闇ハラ』じゃなくて『闇祓』だもんなぁと妙に納得。
スリルを味わえるホラー傑作でした。
以下の語彙説明が作中にあります。
ネタバレに繋がるので未読の方は本編でお楽しみください♪
闇ハラ
闇ハラスメント
闇ハラ家族
闇祓
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さすがいくつもの作品が映画化、映像化されてる
作家の作品!
見事なエンターテイメント作品でした。
かなりの確率で映像化されそう…
ネトフリとかで
連作短編で、読み進めていくと全てが繋がっていく
パズルがハマっていく感じがとても興奮します。
闇が様々なハラスメントが繋がっていく
連鎖していく怖さ
特に自分が一番怖いと感じた話は、2話目の
「隣人」
話の内容は呪い的な事でかなり誇張されているけれど
実際に起こっている現実的な感じがして気持ち悪さと恐怖を感じました。
自分も以前、LINEグループってものに入ってた事があるのですが…
この話でも出てきますが、あれはまさしく闇だと思います
そのLINEグループのリーダー的な人が意見を言うと
その取り巻きみたいなのが、「そうだ、そうだ」
と盛り上げる
地獄のようなLINEグループで自分は精神が壊れる前にすぐに脱退しました…
このように現実に起こり得ているハラスメントのようなものに呪い的なものが付随して、闇ハラスメントとして起こっていく、とても面白いエンターテイメントホラー作品でした。
映像化されたら是非観たいなぁ! -
辻村さん大好きなので、発売時から読みたいと思いつつ、タイトルと表紙からホラー系かな…?(苦手)と勝手に邪推しており、ずっと積読したままにしていた。
この本を一言で紹介するとしたら、"人間の心の汚い部分が凝縮された一冊"。
フィクション物語の構成上、ホラー要素による怖さも一部あったが、それ以上に、人の心の闇による怖さが、辻村さんの表現力によって際立っていた。
"闇ハラ"って、特定の世代やコミュニティに限らず、日常のどこにでも存在していて、その蔓延る根源を"闇ハラ家族"として表現するところが、さすが辻村さんだなぁと思った。
どの章の闇ハラもすごくリアルで、どこか既視感を覚える内容。この感覚、あるあるだ…と思うと同時に、改めて文章として読むとこんなにもゾワっとする。
闇ハラの被害に遭うことは勿論怖いことだけれど、もっと怖いのは、知らず知らずのうちに加害者に転じてしまうこと。作品の中では闇ハラ家族の構成員に取り込まれることで表現されていたけれど、言うなればそれは自分の弱さに漬け込まれることであり、承認欲求や嫉妬心、恨み嫉みといった人の心の闇の部分から簡単に生じてしまうもの。
人と接する時、どちらの人間にもならないように注意しないといけないなと思う。 -
第一章これはダークファンタジー?(ホラーらしい)と思ったが第二章から覆される。とても身近に潜む闇闇闇のオンパレードだった。弱味につけ込み人をコントロールしようとする人、自分の正義を押しつけてくる人、話が通じない人、、、、実際にたくさんいる。辻村さん上手すぎる…。人の小さな闇につけ込み、言葉巧みに闇を膨れ上がらせ、破滅へと導く。怖すぎるが、死までは行かずともいろんなハラスメントでこの世は溢れている。
もし神原家が近くにいたら、自分はどの闇に捉われやすいだろう?と考えた。母かおり、長男一太は回避できそう。二子も危ないが、神原父が一番回避できなさそうで怖いな…。承認欲求をこれでもかと満たしてくれる悪魔。そしていつのまにか…。恐ろしい。
☆5に近いけど、第一章、第五章のファンタジー要素の部分にそこまで入り込めなかったので☆4で。
【闇ハラスメント】精神・心が闇の状態にあることから生ずる、自分の事情や思いなどを一方的に相手に押しつけ、不快にさせる言動・行為。本人が意図する、しないにかかわらず、相手が不快に思い、自身の尊厳を傷つけられたり、脅威を感じた場合はこれにあたる。 -
闇ハラ、闇祓の一冊。
人間が心に抱く悪意をホラーに仕立て上げた物語。
闇を押し付ける闇ハラ。
その闇を祓う闇祓。
ダブルな意味のこのタイトルになるほどと感心。
読み進めるに連れて、あるあるこういう人、状況と、ざわつく恐怖心が共感と共に増した。
一章から不気味な行動、言葉に心は程よく凍りつき、鮮やかな反転ですっかり虜に。
そのまま面白さの勢いに呑み込まれ、一気に最終章まで。
闇を押し付けられた側の緻密な心情描写も実に読み応えあり。
現実世界で知らずに自分のすぐそばで蔓延っているような人の悪意をたっぷり見せられた気分。-
くるたんさん。こんばんは。
あるあるこういう人。
確かにいそうな人ばかりのような気もしましたね。
不気味な行動も怖かったけど、面白さが、そ...くるたんさん。こんばんは。
あるあるこういう人。
確かにいそうな人ばかりのような気もしましたね。
不気味な行動も怖かったけど、面白さが、それを上回りましたね!2021/12/10 -
まことさん♪こんばんは♪
身近な闇を描いたところが怖面白かったですね♪
第一章の反転からがっつり心掴まれました¨̮♡
続編有るかな⁇¨̮...まことさん♪こんばんは♪
身近な闇を描いたところが怖面白かったですね♪
第一章の反転からがっつり心掴まれました¨̮♡
続編有るかな⁇¨̮♡2021/12/10
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こ、、こわいー!!
大好きな作家の辻村さんの新作
題名から黒辻村かなと想定して読み進める。
いやーこわい!
読んでていやーな感じが続く。
でも読む手が止まらない
そんな作品でした。
…にしても長編と帯に書いてあったのに
短編…??と思って読んでいたら
ラストで繋がりました(^^)
ラストはスッキリ!
最終章にこの作品の面白さが凝縮されてました
関わった人の変貌ぶりは怖いけど
確かにこういう感じの人いるよね…-
こんにちは♪どんぐりさん
私もこの本を読みました。辻村推しとしては題名に抵抗を感じましたが、はずすわけにもいかず・・・・
要はいつからあの...こんにちは♪どんぐりさん
私もこの本を読みました。辻村推しとしては題名に抵抗を感じましたが、はずすわけにもいかず・・・・
要はいつからあの様な力を持っていたのでしょうか?
父親のことがきっかけでしょうか?
一風変わった話でした。
(・。・)>>2022/02/02 -
ゆうママさん、コメントありがとうございます(^^)
変わった話でしたね!
よくこんな設定を思いつくものです…
要は家族を失った時に、
...ゆうママさん、コメントありがとうございます(^^)
変わった話でしたね!
よくこんな設定を思いつくものです…
要は家族を失った時に、
闇祓と出会って特訓したようですよ!
最初は読んでて嫌な感じでしたが
最終章でぐっと面白くなりました(^^)
2022/02/04
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連作になっていて
第二章では がらりと舞台がかわって
巨大団地の ママ友マウンティング合戦か
と思いきや
意外な糸がつながっていきます
悪意が家族を作って
増殖していくという
なんとも不気味な話
誰でもが持つ弱さに付け入るため
人間関係が簡単に
闇へシフトしていく
こういう 危うさってあるあるですが
ほんまに 乗っ取られたら たまらんなぁ
闇の一家族が崩壊しても
まだまだ 闇は潜んでそうな所と言い
対妖怪のような薄気味悪さを
感じる小説でした -
闇ハラスメント=精神・心が闇の状態にあるとから生ずる、自分の事情や思いなどを一方的に相手に押しつけ、不快にさせる言動・行為。
本人が意図する、しないにかかわらず、相手が不快に思い、自身の尊厳を傷つけられたり、脅威に感じた場合はこれにあたる。
闇ハラ、ということばをこの本で知った。
だが、何気なく相手に言ったことばや言われたことばにも闇は、潜んでいると思う。
闇に取り込まれると不明な死が次々と起き、家族が欠けていくと入れ替わりが発生し、闇の家族がアップデートし続ける。
その家族たちが振りまく悪意で、人が追いつめられ、死んでいく…という連鎖。
とても怖いのだが、この悪意が不自然ではなく淡々と行われているほうが、かなり怖いと思った。
だが、闇ハラはどこにでも存在するのでは…と感じることにゾッとした。