闇祓

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 7596
感想 : 675
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117316

感想・レビュー・書評

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  • エンターテインメントホラーという割に結構重い内容です。
    悪意を増幅する方向に誘導して、人々が憎しみ合い殺し合ってしまう方向に向かわせてしまう、とある闇の住人の話です。
    荒唐無稽なので、お祓いヒーロー系のマンガチックな小説の系譜なのに、中盤はひたすら闇に乗っ取られて次第に悪意で回りが見えなくなる人々の姿が連作のように書かれていて、読んでいて心が沈んできます。
    これ、ホラーとしてまとめられていますが、生身の人間の中で沢山生じている事なので、実は人外の仕業ですよということが非常に優しいというか、逆に人間の良心を信じている辻村さんらしいなと。
    いわゆるマウントを取りたがる人達が多数出てくるのですが、自分も実は大なり小なり上手に出ようとする瞬間あると思うので、戒めとして「いま僕は闇に支配されている」と中二病のように思うようにして見ようと思います。人には優しくしたいものであります。

  • 怖いけれど、面白さが勝ってあっという間に読みました。
    途中まではどこか幽霊のようなオカルト的な、現実とは少し違う世界の話しとして捉えていました。
    ただ、終盤の要のセリフにもあるように、あの家族が『使うのはあくまで、言葉と行動。それは僕らができる範囲のことと変わらない。』とあるように、これは現実にも起こり得ることなんだと思ったら、怖さの意味合いが変わりました。
    そしてエピローグ…。
    さすが辻村深月!

  • 著者の短編ホラーも面白かったが、これは読みごたえがあった! いるいる、こういう人たち。設定も良いし、各章の布石が最終章で見事に収束する。これは続編をぜひ書いていただきたい。辻村先生、宜しくお願いいたします!

  • 面白かったです!長編って帯に書いてあったのに短編?と思わせて、そう繋がるか〜って感じでした。Anotherを読んだ時と同じような怖さがありました。
    ◯◯ハラスメントという言葉で溢れている現代ですが、全ては人の心の闇からくるような気がしますね。それを小説の題材にしちゃうところがさすがでした。

  • 2021年の秋、何を思ったか辻村深月作品を大量に読みました。
    大好きな世界観でした。
    そこに、「待望の本格ホラー小説」新刊のお知らせが!
    正直に言います。第2章で一旦休憩入れました。
    辻村深月さんの洞察力を知ったつもりで居てごめんなさい。
    最高に怖かったです。

  • 怖いの想像を超えてきた。
    それでも読む手は止まらない。

    ヤミハラの怖さは、
    身近に、
    そしていつでも自分がなり得るということ。

    一方的な感情を振り翳し、
    しかもそれが正義だと思って疑わない。

    「私もなの。」
    はトラウマレベル

  • 辻村深月さんの丁寧な心理描写が一層この物語を不気味でゾッとするものにさせる。

    非現実的な物語ではあるが、非現実的という言葉では片付けられないリアルさがある。

    「闇ハラ」私たちの周りにもあるなぁ。
    やはり人間が一番怖い。


  • 闇ハラって実にしっくりくる言葉。過去のアレもソレも、今さっきのコレもだ。被ってる自覚は大いにあり。では加えてるコトも・・・嗚呼。原因は強いストレスだと思うけど、正気を失ったら補充されかねない恐怖感。

  • 学校、近所付き合い、職場
    身近な場所で実際に起こり得そうな内容過ぎて、怖い
    小説だからと割り切れない感じにゾクゾクした作品。
    面白かった。

  • 手に汗握るホラー展開。
    人間ってこわい。日常にありふれた、誰でも想像できるシーンなのが、また怖い。
    怖いけど、後に残る怖さではなく、辻村深月さんの読みやすい軽やかな文体も相まって、ホラーNGな私でも読めました。

    でもこれ、映像化されたら夜眠れなくなるかも…。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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