闇祓

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 7597
感想 : 675
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117316

感想・レビュー・書評

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  • アメトークで取り上げられてたから、という軽い気持ちで読んでみたら、まさかのサイコホラーだった笑

    2章を読み始めた時は、あまりの唐突さに短編集なのか、と勘違してしまった。その上でかおりが神原一太の母と判明した時は戦慄した。

    神原一家の話だと分かった後の3章では誰が神原家なのだろうと推測するという、また違った楽しみ方ができた。
    闇を感じない、むしろ光のようなジンさんだからこそ、周囲の闇を助長させてしまうのか、そういう闇の描き方もあるのか、と感嘆した。

    辻村さんの作品を読んでいると
    自分の中にある直視したくない部分にスポットライトが当てられて少しだけ苦しい。
    けど、なんだか次の作品も読みたくなる、そんな魅力がある。

  • 2話までは「世にも奇妙な物語」にありそうな話だな、要くんカッコいいね~、などと思いながら読み、3話を読んで、あれ?ちょっと待て待て、とようやく物語のつながりに気づき慌てる。

    とにかく読んでて不愉快。
    さすが心理描写が緻密な辻村深月。これでもかと根掘り葉掘り心の闇を突き付けてきて、もう勘弁してと思う。

    「距離感がおかしく、一方的に自分の都合や事情、思いを押しつける」p92のが所謂ハラスメントで、「神原家」によって引き起こされるのが「闇ハラ」なのだ。もう絶対お近づきになりたくない。

    「自分の正義を疑わず、相手にもその理論が通じると信じきる」p258

    「正しいからだ。正しすぎるから」p306

    あれ?悪いのは私の方?と、いつの間にか洗脳される。

    「優しさは、弱さかもしれないけれど、それをなくしてしまうなら、弱いままでいい。」p94
    自分を自分のまま、肯定できれば、闇に惑わされることはないんだろう。
    分かっちゃいるけど、私は心が弱いから真っ先に神原家に取り込まれそう(笑)というか、すでに知らず知らずのうちに闇ハラをしてそう。周りの皆さんスミマセン。


    ちなみに、栞。
    黒い。そして太い(笑)怖い(笑)

  • 登場人物に対する印象が最初と最後では正反対。
    近くにもいそうな人たちで怖い。
    最近の世の中、自分の身の回りもこんな「闇」があるのではと思うとかなり怖い。もしかしたら、自分も...

  • 【闇ハラスメント】の定義を見て、「闇」ってそういうことかと納得。サイコパスや新興宗教の洗脳を思わせつつ、これらとは異なるホラー要素がある。どちらにしろ実際にありそうで怖い。
     章ごとにターゲットが変わるけれど、内側に入り込んでいく過程が怖い。ターゲットもそうされるだけの危うさをもっているのだけれど。最後も怖い。

  • 辻村深月が描く初のホラー作品!

    辻村さんらしいミステリーの要素もガンガンあって面白い!少しずつ闇に取り込まれていって気づけば真っ暗闇みたいな感じの人の闇を祓う物語!

    身近にある名前のない悪意や微妙な距離感、一方的な関係性が恐怖へと変わっていく感じがさすが辻村深月さんの作品って感じでどんどん物語に引き込まれて闇祓に夢中になってしまった。

  • 読みやすいし、引き込まれるけど、ファンタジーというには重い題材。
    その一家に関わると洗脳されて暴力的になったり、なんて内容は実際の事件も思い起こされるが、実際の事件ほど凄惨きわまりないことは起こらない。
    サイキックアクション、団地内ママ友マウンティング、ヒーローとヒロインの恋愛、ミステリー、どれかに比重を置いて欲しかったかな。
    最初は嫌ミスジャンルかと思ったが、最後まで読んだら違った。

  • 恐怖というより、こんな感覚を味わったことがあると思ってしまった。引きずり込まれないように気をつけて。

  • 〝闇ハラ〟で人の心が蝕まれていく過程に戦慄。途中感じたのは映画「CURE」に似た怖さだった。章を追う毎につながる人名と深まる謎にページをめくる手が止められなくなるが、最終章は唐突感があって消化不良。良くも悪くも辻村さんらしいホラーミステリーだった。

  • あれ?これお話繋がってないのかな?と途中不安になったけど、しっかり繋がってた。読み終えた後のゾワゾワ感すごい!面白かったー!!!
    正体のない神原家、無事に退治できてよかった!家族のうちの誰も元凶じゃなくて1人でも残ればその人を中心にいない人を補充して家族を構成するって言うの不気味すぎる。ニコちゃんは、やりすぎは困るけど、もしクラスにいじめの元凶みたいな人がいたら助けてくれそうでちょっといいなって思った。
    闇祓って今回は物語だったけど、実際にこういう人・こういうこと実際にあったよなぁってハッと思わされました。田舎で何か集団に属してた時、自分の秘密を明かすからあなたの秘密を教えて、みたいなの。自分もやってたと思う、、、こわい…。

  • いちばん好きなのはスロウハイツシリーズだけど、作者を知るきっかけになったのが『ナベちゃんのヨメ』という短編だったから、こういうダークな小説こそ辻村さんの真骨頂だなあと思う。人間の醜さというか、人はどこまで醜悪になれるのかを書かせたら、きっと右に出る人はいないんじゃないか。
    闇ハラはどこにでもある。思いやりのフリをして相手を責めていたり、親切のつもりで馴れ馴れしくしていたり、嫉妬心からマウントをとってしまったり……。作中にも書かれているように、使っているのはあくまでも言葉と行動。闇というのは決してメタファーではなく、現実に存在する力だ。だって知ってるでしょ? そうやって人が死ぬのを。だからこそこの小説は怖い。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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