殺人者の白い檻

著者 :
  • KADOKAWA
3.21
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本棚登録 : 410
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041123591

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作者だけど、この作品は合わなかった。何となく読みにくいし、主人公の人柄とかもよく分からなかった

  • 死刑囚を救うことに意味があるのか。況してその死刑囚が両親殺害犯だとしたら…脳外科医、敦也の言動に釘付けである。薄々感じ始めた本星の存在。豊富な医療知識に謎と真実が溶け込み、一気読み。

  • 脳外科医の尾木敦也が自分の両親を殺害した犯人の死刑囚、定永の手術をして(病院の隣が刑務所)主治医となってリハビリにも立ち会い、処刑できる体力まで戻すことに奔走しょながら、以外な真実に辿り着く。
    中盤で犯人はわかったわ。
    自分は空き巣に入っただけでガタイのいい犯人に羽交い締めされたといっている定永。
    そして理学療法士の村主の体つきをガタイのいいって表記があり、あーこの人がって思って読む進んだよ。
    でも、ベテランの理学療法士が自分たちの罪(付いていながらリハビリの途中で階段から患者が転落し、死なせてしまった事故)を隠蔽しようとし、真実を明らかにしようとした医者夫婦を殺害し、自分を犯人だと気づいた刑務官の早瀬も番しようとするなんて、とんでもない極悪人じゃん。
    ちょっと内容的に?だったわ。

  • 設定が良いなとは思ったけど、ちょっと全体的に薄っぺらく感じてしまった。
    登場人物の心の葛藤がもう少し掘り下げられていたら、もっと入りこめたと思う。

  • Amazonの紹介より
    父母を殺した死刑囚、あなたならその命、救えますか?
    刑務所のすぐ隣という、特殊な環境に立地する総合病院に勤務する腕の良い脳外科医の尾木敦也。彼は六年前に父母を強盗に殺害されて以来、精神的に不安定になり深刻なスランプに陥っていた。そんなある日、刑務所からクモ膜下出血で搬送されてきた「スペ患」の執刀を、院長命令で担当することになる。緊急開頭手術で命を救うことはできたものの、スペ患の正体が両親の命を奪った死刑囚・定永宗吾だったことを知り、尾木は懊悩と悔恨の迷路に彷徨い込む。そして定永は、逮捕と死刑の判決以降も自身の犯行を一貫して否認していた。術後のリハビリを通して、尾木と妹の看護師長・菜々穂は、定永という人間と六年前の事件に、改めて向き合うことになるのだが……。
    憎き犯罪者と医師は、どう向き合えば良いのか? 犯罪者の生命は軽いのか、あるいは全ての人間と等しく重いものなのか? 事件の真実と真相はどこにあるのか? 死刑の意義、犯罪更生の理非、医師の倫理、それぞれの命題を通して生命の「軽重」の問いを突きつける、究極の医療ミステリ。


    病気を抱える「犯罪者」を一人の医者として、一人の人間として、どう判断していくのか?
    登場人物の葛藤が、淡々と表現されていながらも、人々の心理を深く抉っているのが印象的でした。

    事件の真相を探っていくというよりも、人間ドラマを読んでいるようでした。こちらとしては、事件の真相が早く知りたいのですが、「急がば回れ」といいましょうか、死刑囚との交流を丁寧に描いているので、ちょっともたつき感はあるように感じました。

    ただ、文章で書かれた裏側には、直接書かれていない表情や行動が頭の中で想像でき、その分グッと物語の奥行き感を増してくれました。

    「無実を叫ぶ死刑囚」と宣伝されているので、絶対裏があると想像できたのですが、果たして犯人は誰なのか?
    すごい驚いたというわけではありませんが、そこには様々な人間が交錯したドラマになっていて楽しめました。

  • 遺族が犯人の主治医となるミステリー。

    短編では、わざとらしい薀蓄とオチが直結するので鼻白むことがある著者ですが、長編だと薀蓄が伏線やヒントになるのでうざく感じることはありませんでした。
    そのためか、どんでん返しもなく、真相が少しづつ明らかになっていくところは好感が持てました。
    短編のオチらしさっぽいラストの余韻の残し方に著者のいやらしさが透けて見えますが、多少感動させていただきました。

  • んー

  • 長岡氏の粘着質な文章はやはり肌にあわないが、ストーリやプロット自体に無理はなく、面白く拝読できた。命の軽重について語るにはかなり薄っぺらい印象の本だが、ミステリーとして読めば及第点。

  • 知らずに担当した急患は、かつて自分の両親を殺した死刑囚だったー
    とても面白そうな題材なのに驚くほど盛り上がらない。ドラマ『教場』の原作者の作品だからと読んでみたが、ドラマの方が面白かったバージョンらしい。教場も読むのやめよ。

  • 長岡さんの最新作は長編医療ミステリ。
    長編といっても頁数にして246頁とコンパクトに纏められていて無駄な描写がなく読みやすい。

    物語の舞台は刑務所のすぐ隣にある総合病院。
    優秀な脳外科医・尾木敦也がクモ膜下出血で搬送されて来た死刑囚・定永宗吾のオペをする場面から物語は展開していく。

    手術は無事成功するが助けた患者は6年前、自分の両親を殺害した人物だった。

    命を救う医師と命を奪った犯人の行末は…。

    登場人物が少なくミステリ好きな人であれば真相は予想出来るはず。
    重厚さを期待すると物足りないが、程よい緊張感を楽しめる一冊。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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