- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041130100
作品紹介・あらすじ
「あんな恐ろしい話はきいたことがない」と皆が口々に言いながらも、誰も肝心の内容を教えてくれない怪談「牛の首」。一体何がそんなに恐ろしいのかと躍起になって尋ね回った私は、話の出所である作家を突き止めるが――。話を聞くと必ず不幸が訪れると言われ、都市伝説としても未だ語り継がれる名作「牛の首」のほか、「白い部屋」「安置所の碁打ち」など、恐ろしくも味わい深い作品を厳選して収録した珠玉のホラー短編集。
感想・レビュー・書評
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小松左京文学忌 1931.1.28〜2011.7.26
沈没忌 良い文学忌名だあ。
日本沈没!復活の日‼︎ 名作多いです。
「日本以外全部沈没」は、筒井康隆氏です。大丈夫なのこれ?と心配してましたが、小松左京氏の許可は取っていたそうです。日本以外が沈没して、日本がぎゅうぎゅうになっていく話ですよ。
厳選恐怖小説集。短編16編。都市伝説「牛の首」を活字で読みたくて、今回はこの作品集を。
ほんと、この話を知ってしまうと生命の危機が。誰も知らないほどの恐ろしさです。誰も知らない実体のない恐怖ですね。
他は、文豪ホラーというより、世にも奇妙な物語風昭和的な怪談。
「安置所の碁打ち」
心臓が止まって、死んだのに身体が動く男。家族も医者も本人も困る。親戚は怒る。居場所がなくなって、病院の安置所で碁を打ち続ける。
これは、ホラー仕立てだけど、読みようによっては、仕事だけして、家庭を顧みなかった頃の父親の家庭内存在感みたいな感じにも。
そんなに怖くない恐怖小説集。 -
めちゃめちゃおもしろい!!
レベルの高い短編集やで(*゚∀゚*)!!
好きだわ〜♡
小松左京さんはSF作家らしい。
なるほど、ホラー以外の短編も収録されている訳だ。
どこかで聞いた事ある展開の話も、結末が予測できない。
すごい。
ショートショートが特に良い。
天才だ߹ㅁ߹)♡
【ツウ・ペア】
夜帰宅すると、いつの間に畳の上で眠ってしまっていた。
目が覚めると、手やシャツが血だらけに。
洗い流しても傷口は見当たらず、手の甲に身に覚えのないみみず腫れが——。
タイトル秀逸。
幽霊モノのホラーと侮れない。
この現象の意味とは?
面白い(≧∀≦)!!
【安置所の碁打ち】
眼が覚めると、いやな気分で、何をしてもふわふわと地に足がつかない状態だった。
朝食を食べても味がはっきりしない。
妻は、顔色の悪い主人を見て医師を呼ぶ。
診察をした結果——。
テンポよく話が進み、主人公の身に起きた事がさほど重要でないかの様な展開が好き。
現実逃避のようにパチンパチンと囲碁を打ちながら平穏に生活していくシュールな空気感が、続きを読みたいような、ここで終わらせたいような感覚にさせる。
【十一人】
三重太陽が浮かぶとある星にいる調査隊員10名を置いて飛び立つ宇宙船。
ここから5年間、残された10名は地球との連絡を途絶え暮らす。
正体不明の生物がいた報告を受けた調査員達だが——。
どこかで聞いたことのあるタイトルと設定。
掌編でキャラも良く、スッキリまとまり、面白い。
【怨霊の国】
神経科の田村の元に、天野きみ子という美しい女性が受診してくる。
彼女にアミタール・インタビュー(自白剤を用いて話を聞く)をすると、恐ろしい事実を知る事となる。
ポルターガイスト現象は如何にして起こるのか。
あちら側の世界とこちら側の世界の話。
霊界と言ってしまうと安っぽく聞こえるが、この話では太古から言い伝えられてきた神や精霊の存在の話から、外国で起こる説明不可能な事象を例に上げ、不気味な描写で描かれている。
精霊かぁ…。
特定の人には日常的に視えているのかな。
【飢えた宇宙《そら》】
宇宙船の乗組員達が1人ずつ姿を消し、残されたのは僕とマリアの2人だった。
食料のない中、2人は地球へ帰り着く事もアルファ・ケンタウリへ到着する事もできない。
絶望の中、2人は他の乗組員の捜索を続ける。
これは…(^▽^;)
斬新すぎて、絶句した笑笑
飢えた宇宙のタイトルが深いぜ⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
個人的には好き。
ラスト素晴らしい(〃´-`〃)♡
【白い部屋】
目を覚ますと、まっ四角な天井の高い部屋に寝ていた。
彼女は、ここがどこだかわからない。
隣には男が寝ている。
懐かしいが、何も思い出せない。
これは…この解釈は、私の想像通りで合っているだろうか…(^▽^;)
意味深な描写に戸惑うわ。
【猫の首】
朝、妻が朝刊を取りに外へ出ると、門柱の上に、猫の生首が乗っていた…。
これはネコ好きにはキツい話。
でも、意外な展開でおもしろかった!!
これは予想外(°д° )!!
【黒いクレジット・カード】
ある朝、安アパートを出た所で偶然カードを拾う。
よく見ると『SLMクレジット・ピューロー』と書かれた黒いクレジット・カードだった。
まだ日本ではアメリカほどカードが浸透していない頃の話。
そのカードには署名がされていなかった—。
世にも奇妙な物語風のあるあるな話——。かと思いきや…(-∀-`; )
これまた予想外の結末笑笑
信用《クレジット》。
これまた深いわ♡
【空飛ぶ窓】
雪の降る地方に住む小学3年生の娘の帰宅が遅いと心配していた母。
娘は帰ってくると「下校途中の原っぱに窓が浮いていた」という。
次の日娘は、父親に椰子の実を渡す。
娘は、窓の向こう側から取ってきたと言った——。
おもしろい!!
すごい想像力…♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
【牛の首】
やばい…
こんな怖い話、聞いた事ない……:(´ºωº`):
【ハイネックの女】
妻と別れたばかりの片岡は、隣に住む吉田に同棲を始めたばかりという美しい女を紹介される。
冴えない吉田にこんな美しい彼女ができるなんてと嫉妬する。
ハイネックばかり着ているその女には何か秘密があるに違いないと訝しむ。
隣人は何してるか分からないから怖い…。
よく考えると……違う意味でもホラーになる話。
【夢からの脱走】
うなされて目覚めると、妻と子のいる家だった。
子供が急に発熱し、救急車を呼ぼうとする。
次に意識が戻ると、戦争の真っ只中だった——。
3つの世界を行き来する主人公の話。
これ、めちゃめちゃおもしろい!
現状に抗う主人公の精神世界では何が起こっているのか、誰も知り得ないよね。
【沼】
故郷の山の深い森の途中に、沼がある。
幼少期の古い記憶が蘇る。
祖母が死んで帰郷した信三は、幼時の記憶を辿りながら実家へと向かっていた。
これ怖い…衝撃(༎ຶ⌑༎ຶ)!!
小松左京さん…短くインパクトある短編にハマりそうだぁ߹ㅁ߹)♡
【葎生《むぐらふ》の宿】
山中を抜けようと道に迷った男。
車が故障し、車中で朝を待つ事に。
寒くてたまらず、近くの茅葺の民家で暖をとる事に。
誰も住んでいないと思ったその家は——。
不気味な話。
三津田信三の家シリーズの怪異を物理的にパワーアップさせた感じ…(-_-;)
こわいわ。
【生きている穴】
友人の小島の様子がおかしい。
問いただすと「見たほうが早い」と言われ、彼の家へ行く事に。
階段を降りて下の階へ行くと、そこには『穴』が開いていた——。
これもまた…ものすごくいい!!⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
大好きだわ、この話!
小島も、含みすぎやろって突っ込みたくなるような返しがたまらない(*´艸`)♡
面白すぎたので『霧が晴れた時』も購入しました!
収録の『くだんのはは』が読みたい!!
楽しみヽ(´▽`)ノ -
ホラー短編集。かの有名な「牛の首」が収録されているのですが、それ以外にも名作盛りだくさんです。じわじわホラーあり激しいホラーありSFホラーあり。とことん楽しめました。
お気に入りは「猫の首」。これ、猫好きからすると酷い話……と思いきや、実はとんでもなく猫愛に溢れまくった作品だったのです。ホラーとしては激しいのだけれど、うるっと来てしまいました。こんな時代が現実になりませんように。
「葎生の宿」は、山で迷った主人公が遭遇した怪異を描いた、じわじわとしたホラー……と思いきや、山から追ってくるものの描写で目が点になりました。ちょっと待て、まさかそんなのってあり? しかもけた外れにシュールな展開ながら、ラストだけしんみりと落としてくるの。とんでもなさすぎる作品でした。
いちばん恐ろしいと思えたのは「夢からの脱走」。戦場にいる自分と平和な生活を送っている自分のどちらが現実なのか。しかしどちらが現実でも恐ろしいのだという救いようのない物語が、さらに救いようのないことに……本当にこれは嫌だ。 -
小松左京さんのホラー短編小説集。収録作の発表年は1964(昭和39)年から1974(昭和49)年。
全体的にレベルが高く、作者の力量はやはり確かなものと思われる。さすが小松さんだけあって、SF的な物語も幾らかあるが、そうでないホラー小説もある。もっとも、じめじめと湿ったような、暗い日本的幽霊話とは何となく雰囲気が異なっており、先日読んだ遠藤周作さんの怪奇小説集とは明らかに感触が違う。もうちょっとクールさがあり、物語に対する作者の距離感が維持されて、そこに個性があるのかもしれない。
出来が良いので楽しい作品集だった。 -
本屋で見つけた大好きな小松左京のホラー短編第二弾
今作も読みやすい…読みやすい…
表題作のブラックジョーク感が本当にツボで大好きすぎる
そのほか「ハイネックの女」の題も含めて完璧さ
猫の首、黒いクレカ、空飛ぶ窓、夢からの脱走等々好きな話が沢山。
SFめいた謎ホラー、大好物。
この「恐怖小説集シリーズ」もっと増やして欲しい -
小松左京は私の世代だともう古典としてお馴染みすぎというか、読んだことがないのに聞いたことがあるとか、発想の斬新さとかとかは最早ないんだけど、尚更まともに読む機会がなくなってしまうので読んで良かった。でも夢からの脱出はやばかった。同時存在しているのかよ。
あと牛の首はネットミームみたいなものなのね。鮫島事件とかもあったなあ。 -
小松左京のホラー短編集。
家が追いかけてくる話は怖くて悲しいけど可笑しいのが面白い。 -
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https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1439714
なにか皮肉っぽい話の予感が。
なにか皮肉っぽい話の予感が。