ミセス・ハリス、パリへ行く (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041130247

作品紹介・あらすじ

映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』
2022.11.18(金)より映画公開

もうすぐ60歳の家政婦さんがディオールのドレスに恋をした!

1950年代のロンドン。ハリスおばさんはもうすぐ60歳の通いの家政婦。夫を亡くし、質素な生活を送っている。ある日、勤め先の衣装戸棚でふるえるほど美しいクリスチャン・ディオールのドレスに出会う。今まで身なりを気にしてこなかったが、自分もパリでドレスを仕立てようと決意し、必死でお金をためることに。やがて訪れたパリで、新しい出会い、冒険、そして恋? 何歳になっても夢をあきらめない勇気と奇跡の物語。解説・町山智浩

※本書は、1979年12月に刊行された『ハリスおばさんパリへ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。原題:Mrs Harris Goes to Paris

この物語は、還暦近い家政婦ハリスさんが、努力と幸運と善意で、パリの高級ドレスを仕立てることになる、シンデレラ・ストーリーです。しかし、その背景には、当時、イギリスやフランスで起こりつつあった社会変動が隠されています。
オート・クチュール(高級仕立て服)はどれも一点ものです。だから、ファッションショーもごくごく限られた大金持ちのお得意様だけに見せるものでした。
ハリスさんはそれでも堂々とショーを見せろと要求します。自分が汗水垂らして稼いだ金を持ってきたのに何を恥じることがあるのか。
ディオールのマダムは、ハリスさんを見て「不思議な風格」を感じます。風格とか気品はその人の生まれ育ちや着ている服ではなく、内面から立ち上がるものだからです。
一生縁がないと思われたドレスを作ることが、ハリスさんなりの反逆であったことはいうまでもありません。――町山智浩

感想・レビュー・書評

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  • 映画化バンザイ?

    Universal Pictures Japan
    https://www.universalpictures.jp/micro/mrsharris

    「ミセス・ハリス、パリへ行く」 ポール・ギャリコ[角川文庫(海外)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322206000778/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      映画公開も間近!ファッションの力で社会通念を覆す『ミセス・ハリス』――『ミセス・ハリス、パリへ行く』著:ポール・ギャリコ 訳:亀山龍樹 文庫...
      映画公開も間近!ファッションの力で社会通念を覆す『ミセス・ハリス』――『ミセス・ハリス、パリへ行く』著:ポール・ギャリコ 訳:亀山龍樹 文庫巻末解説【解説:町山智浩】 | カドブン
      https://kadobun.jp/reviews/bunko/entry-46912.html
      2023/02/18
  • ロンドンの家政婦のハリス夫人は、レディ・ダントのワードローブを整理している時、今まで見た中で最も美しいディオールのドレスに出会う。ディオールのドレスを自分のものにするという考えに取り憑かれた夫人は、その目的を達成するためにすべてを捧げるようになる。そのドレスを手に入れるまで出会った様々な人の人生を、無邪気で善良な心を持つ夫人はバラ色に変えていく。50年代の女性らしさへの懐古的な物語ですが、夕食後の軽いデザートのように楽しく味わえました。

  • 素敵なハリスさん!
    ハリスさんに出会う人が、みんな幸せになってゆく。

    ドレスを買いたいという夢のために、どうするのかな?と思っていたら、初めは運任せなハリスさん(笑)
    その後、真面目にお金を貯める姿は本当に素晴らしい!

    最後は少し泣いてしまった。
    やっぱり、物より思い出なんだよね。
    このフレーズ思いついた人、天才だと思う。

  • 大好きなポール・ギャリコの未読の作品を見つけ喜び勇んで手に取り楽しく読みました。全然知りませんでしたが映画化されたそうでそれもあって手に取りやすくなったようです、大変ありがたいです。連作だそうなので全て新装文庫版で出たら嬉しい。英国の掃除婦のハリスさんが一念発起して単身でパリのディオールを訪ね、国も階級も違う人々と出会い温かな交流をするお話。英国での日常と、異国のパリでの夢のような滞在の様子の対比が際立っていました。周囲の状況や関わる人が変わっても地に脚を付けて持ち前の実直さと快活さと少しのいたずら心を忘れないハリスさんにはとても好感を持ちました。パリから戻ってハリスさんはまたそれぞれの顧客の家を掃除する日常に戻るのですが、行く前と変わらない毎日なのだけれど、心の有り様が前とは変わった部分もあり、変わったけれども根っこのところは揺るがずに同じままなのが、とても良かったです。

  • 疲れた時にぜひ読んでみてください。
    元気もらえますよ!

    自分の好きなものに
    ガムシャラにつき進むって、
    遠くから見ていても胸が熱くなります。

    そんな気持ち、思い出させてくれます。
    私の好きなもの、何かな?って。

    日々の生活の中で、そんな事考える余裕がない時、
    余裕がないな、って気づけるだけでも丸儲け!
    好きなもの、って考えられたら、さらに豊かな気持ちになれます!

  • ラストのエピソードが、とても印象的です。
    起こってしまった事を嘆き続けるより、今ある幸せに目を向けて。
    でも、2度と同じ失敗をしないために覚えておく。
    人生、次へ進む。

  • 懐かしい。子供のころに読んだ本(タイトルは『ミセス・ハリス、~』じゃなくて『ハリスおばさん、~』だったけど)。また読みたいなとずっと思っていたくらい懐かしくて好きな本。やさしさに満ちていて、まったくアナログな世界なんだけど、今の時代にこのやさしさはないだろうなあ・・・しかし映画化までされていたとは知らなかった。

  • 大人のおとぎ話。
    甘いばかりでなく、塩味もきいており、樂しく読みました。

  • 映画も見たが、原作ものあるあるで、原作の方が何倍も良かった!何故、映画化・ドラマ化されるとほとんどいつも脚本が改悪されてしまうのだろう…?内容も結末も原作の方が良かったし、特に最後、「パリに行ってドレスを買う」という目標に向かって努力して実際に叶えたこと、パリに行ったことで出会った人達からの親切・友情や絆、パリに行ったからこそ出来た体験を、ドレスそのものよりもより貴重なものと考えるに至るミセス・ハリスの姿にジーンときた。
    どこかのカードのCMのようだけれど…
    自分が勇気を出して行動したことで、新しい世界が拓かれるって、すごく素敵だと感じた。

  • 2022年ラストに大好きなポール・ギャリコ
    ささくれにオロナイン塗ったみたい
    ゆっくり癒される
    なんといっても初めましてのハリスおばさん
    会えてうれしい
    続いて新版出ないかな

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著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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