八つ墓村 (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304013

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃、夏休みになるとTVで横溝正史の怖い映画やってました。それを布団の中から怖ごわ見て震え上がった記憶があります。んで、夏なので読んでみました、原作読むのん初めてでした。ドリフのコントになってた『祟りじゃ〜八つ墓村の祟りじゃぁあ』ておどろおどろしく登場する婆ちゃん(爺ちゃんだったか?)いないわね。そして金田一耕助はちっとも活躍しないし。それでも面白かった。
    映像で見るより文章のほうが不気味で怖い、って凄いわ。

  • 横溝正史さん読むのこれで2作目。
    冒険小説風で面白いです。
    が、安心して読める系統かと思っていたら意外ととんでもない方向に行ったのでいい意味で裏切られてよかった。
    そしてあれ?金田一耕助って、、やっぱりあまり役に立たない??

  • 金田一全然活躍しないじゃん
    そういうものなの
    あんまスリルなくてのっぺりしてた

  • 金田一耕助シリーズ代表作の1つです。
    この作品は、かなり前に映画で見てはいましたが、今回初めて小説を読んでみました。時代的なものもあり、なじみのない単語もそれなりにありましたが、文章自体は読みやすく感じました。
    映画から入ったため、小説版では金田一耕助の出番や見せ場が少ないと感じたり、映画版では最後の辰弥と犯人との激しいやりとりが印象深かったのですが、小説版ではこのシーンがなく、少し残念な気がしました。

  • 八つ墓ー

  • 古い小説だが、今読んでもおもしろい。
    地下の暗闇の情景など、自分がそこにいる感覚で読ませる。

  • 渥美清ヴァージョンの映画では怪奇譚の色が強かったが、原作では地方の土着性を隠れ蓑にしたロジカルなミステリーだった。
    文章は読みやすい。また、田舎特有のしめった隠微な質感もうまく表現されている。名家の大きな屋敷と粘着的な人間関係、無知な村民、古くからの因習と伝説。そして漂う近親相姦や白痴といった退廃的なエロス。典子は手塚の「奇子」に影響を与えたこと、間違いないだろう。旧き悪しき田舎像が広く膾炙したのも、もしかしたら横溝正史の手柄とするものかもしれない。
    ともかく、旧習はびこる舞台においては、自意識高い近代的な人間は悪である。連綿と続く秩序を破壊しかねないからだ。共同体の秩序こそが、そこに住む人々にとっても唯一のアイデンティティである。だから、己を持ち、知性を持つ美也子は悪である。あるいは、主人公もまた悪である。だから、美也子は死に、辰也もまたこの土地を去る。神のような妻を連れて。否、連れられて。社会構造的・民俗学的にもよくできている物語だ。
    推理モノとしては、登場人物も多いが破綻はない。ただ、欠点は金田一耕助の無能。ほとんど何の用もなしていないい。そして英泉が辰也の父とは、やや乱暴か。仮に辰也が気づかずとも、村民がかつての隣人を分からぬはずがない。

  • 初、横溝正史です。

    『皆様、心してください。
    これが”本家”の凄さです。』

    と、辻村さんの帯コメントがありました。

    さすが本家。
    不気味さの演出もさることながら、一人一人の置かれた立場により伴う行動や心情が入り組んで謎をより複雑な方向へ導いていく。
    主人公辰弥が徐々に疑心暗鬼になっていく様も堪らなく、追い討ちをかけるように真っ暗な鍾乳洞の中で孤独に思い悩む描写はとても恐怖を掻き立てられました。
    面白かったです!(≧∇≦)

    有名な金田一耕助シリーズ、なぜ今まで手に取らなかったのか。
    理由は2つありまして、ひとつは単純に「難しそう」という先入観。
    もうひとつは、昔TVで観たことある気がする…ということ。

    ひとつめですが、全くもって難しいという事はなく、むしろスラスラ快適に読めたくらい。
    登場人物が多いのでそこだけ気を付ければ、すごく頭に浮かびやすい表現で、あっという間に八つ墓村の異質な空間に引き込まれます。

    ふたつめはですねぇ〜、朧げな記憶で、小さい頃からTVで繰り返し流れているものを惰性で観てしまっていた可能性があり、これ知ってる〜ってなっちゃうと残念だなぁと警戒しておりました。

    有名な作品が多いので、どれかはその可能性があるかもしれませんが、やはり原作が1番!!と思っている派のワタクシとしては、正直めっちゃイカしてるイラスト、杉本一文さんの装丁復刻版で集めたいのであります。

    結局心配など無用で、全くもって記憶になく、楽しく読むことが出来ました∩(´∀`)∩♪

    鳥取と岡山の県境にある八つ墓村。
    田治見要蔵が発狂し、32人の村民を虐殺して、行方不明になったと言われている。
    20年後、寺田辰弥の元に弁護士が現れ、自分は田治見家の相続人だと聞かされる。
    そして八つ墓村へ向かう事になるのだが…。

    殺人事件がなければ、冒険モノのような感覚で楽しめる場面が多々あります。
    光苔が不気味な鍾乳洞のシーンが多いのですが、中は幾つもに枝分かれを繰り返し、迷路のように複雑です。
    昔、村民が落人を襲って奪った宝物が隠されているという言い伝えもあります。
    1938年に実際に起きた津山事件という30人大量殺害事件が元になっているようです。

    村という閉鎖されている空間での出来事ですが、その歴史が長いだけにスケールが大きく感じました。

    金田一耕助は…
    私が想像していたより、出番が少なかったように思います。
    出ずっぱりな感じではないのですね。
    それがまたいいかも。
    頭洗ってほしいなぁ。
    そういえば豊川悦司が金田一耕助の役作りで、ずっとお風呂に入らなかったとTVで言っていたような…と思い出しました(^^;;

    映画も観てみたい。
    鍾乳洞の中のシーンを映像で見てみたいなぁ。

    そして次は『犬神家の一族』を読みたいです。

    • ひまわりめろんさん
      kaniさん
      こんにちは!

      そうなんですよ!
      横溝正史読みやすいんですよ!
      たぶん名前が良くないんですよね
      名前からして読みづらいですもん...
      kaniさん
      こんにちは!

      そうなんですよ!
      横溝正史読みやすいんですよ!
      たぶん名前が良くないんですよね
      名前からして読みづらいですもん
      別の名前にすれば良かったのに(本名、本名!)

      横溝正史ファンがまた増えそうでなんか嬉しいです
      名作揃ってますので引き続きご贔屓に
      レビュー楽しみにしてます!
      2022/04/28
    • Kaniさん
      ひまわりめろんさん、こんにちは^ ^
      コメントありがとうございます♪

      とても読みやすかったので、他の作品もさらさら〜と読めてしまいそう(*...
      ひまわりめろんさん、こんにちは^ ^
      コメントありがとうございます♪

      とても読みやすかったので、他の作品もさらさら〜と読めてしまいそう(*´ `)

      他、現在手元に、
      ◯ 獄門島
      ◯ びっくり箱殺人事件
      ◯ 本陣殺人事件
      ◯ 華やかな野獣
      ◯ 迷路の花嫁
      の5冊があります。

      でも『犬神家の一族』が読みたくて、そのうち本屋さんで見つかるといいなぁと思っています。

      横溝正史お好きなんですね!
      昭和ミステリーの醍醐味がぎっしり詰まっていそうで、読むのとても楽しみです(●´ω`●)
      2022/04/28
  • 事件に巻き込まれた青年辰弥が語り手。
    過去の事件を回顧し、書き記すという形をとる。

    閉鎖的な村、集団ヒステリー的熱狂、落武者伝説、村の地下に続く鍾乳洞、黄金伝説。双子の老婆。
    怪しい要素がたくさん出てきて、面白かったです。
    語り手の辰弥は、大変な立場で気の毒なのですが、なんやかんや好き放題やっていなーと思います。

    後半、実は多治見家の財産に結構魅力を感じていたとか、頼りにしていた姉が倒れた途端に、むしろ手間だと言い出したり、可憐ではないと評価していた典子と逃避行するとか。

    春代さんが不憫すぎて、同情せずにはいられない…。

  • 何回か映画化されていたりと有名な作品だが、実はちゃんと読んだことがない人も多いのではないだろうか。さすがに今の時代からすると古いなあと思う描写もあるものの、因習に囚われているという意味ではテーマとしては古くて新しいのかもしれない。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横溝正史の作品

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