八つ墓村 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304013

感想・レビュー・書評

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  • 「たたりじゃー!!!八つ墓村のたたりじゃー!」って言わないじゃん!?

    鳥取と岡山の県境にある村。戦国時代に8人の武者が惨殺されて以来、八つ墓村と呼ばれているその村で、大正時代に武士を殺した首謀者の子孫が32人の村人を惨殺して行方をくらます事件が起こった。その二十数年後、再び奇妙な殺人事件が起こる。天涯孤独の身である辰也はある真実を知ったうえで八つ墓村に行くのだが……。

    ドラマでお婆さんが「祟りじゃー!!」って叫ぶイメージだったので、意外でした。まあ、騒いではいたけれど。驚いたと言えば、金田一本人も作中で言っていましたが、ほとんど推理しない巻でした。辰也や典子によって、すこしずつ様々なことが明らかになっていくお話。
    狭い世間、古い因習が息づくドロドロした世界観と、その中でなんとか謎を解こうとする主人公の熱意に引き込まれて、ほぼ一気読みでした。文章も読みやすかったです。

    TRICKの「六つ墓村」を観る前に読んでおけば、パロディぶりをもっと楽しめたかも。「山村の因習」や「祟り」などの要素を含んだ創作物は、この八つ墓村から影響を受けたものが多い、と聞いたような。「零」シリーズにも見られる、じっとりしたこの雰囲気はやっぱり良いですね。原点と言われている小説を読むことができて感慨深い。

  • 知らない言葉がたくさん出てきて、調べながら読みました。
    トリックうんぬんより、言葉に出会う驚きと喜びが大きかったです。
    小股の切れ上がった、という表現がものすごく印象的でした。

  • 有名な話ですが、読んだことない人は読んでみては。普通に面白いし、色んな意味で閉鎖空間の世界観が凄い。

  • 八つ墓村 昔悲惨な無差別殺人が起きた村で新たな奇怪な殺人が起こる。。

    怪しげな村とそこに住む人たち。テレビでみた昔懐かしい世界観にどっぷりと浸れた。ミステリーでもあり冒険要素もあり、面白かった。

  • 29歳の寺田辰弥は、ある日弁護士の諏訪から、自分が八つ墓村の田治見家の跡取りであることを教えられます。ところが、彼を迎えにきた祖父の井川丑松が、何者かに毒を盛られて殺害されます。さらにその後、辰弥のもとに八つ墓村に帰ってはならないという脅迫状が届けられます。

    八つ墓村では、辰弥の父親の要蔵が、32人の村人を殺害しその後行方不明になるという事件が起こっており、辰弥の帰郷を快く思わない村人たちがいました。しかし辰弥の大叔母で田治見家をとりしきっている小梅と小竹は、辰弥の従兄である里村慎太郎に田治見家の遺産を継がせないために、辰弥をさがし出して村に呼びもどすことをきめたのでした。死んだ祖父に代わって辰弥を迎えにきた森美也子は、村人たちから白眼視される辰弥をかばいますが、その後も村人たちが次々に殺害されます。

    さらに辰弥は、小梅と小竹の二人が、彼の寝静まったあとひそかに村の鍾乳洞に入ってなにかをしていることを知り、辰弥は村にかくされた秘密にすこしずつ近づいていくことになります。この事件の謎を、村に滞在していた探偵の金田一耕助が説明するという物語です。

    国産ミステリの古典ですが、あらためて読んでみると、鍾乳洞内の探検をおこなう展開や、村人たちの襲撃から逃れるシーンなどは、ミステリ作品としてはサスペンス的な演出がやや過剰にも感じられます。とはいえ、それも含めて、読者を引きつけて離さないスリリングなストーリー構成になっているように思います。

  • 横溝正史初めて読みました。
    なぜ今まで読まなかったのでしょう。
    数多く作品がありますので今後楽しみで仕方がありません。

  • 怖い怖いと述懐する場面が多く、情景の想像が追いつかない。多分、映像の方が楽に楽しめる。後続の作品タイトルが沢山出てきたのは発表順とシリーズ順が違うという事?どういう順に読めばいいのかしら。

  • 再読だけどやっぱりおもろいのよな~~~久々にガッツリ読書した。私は明智と違って結局事件を防ぎきれない金田一が好きですね

  • 子供の頃にドリフのコントで「八つ墓村の祟りじゃ〜」というセリフを聞いた記憶があるが、はっきりとストーリーを理解したのは本書で初めてだった。こんなに恐ろしいストーリーだったとは知らなかったが、楽しく最後まで読めたところはさすがは横溝正史だ。

  • これまた数十年ぶりの再読です。
    毒殺のシーンと探検と「祟りじゃ〜っ!」のイメージしか残っていませんでした。
    さすが横溝先生、安定のおどろおどろしさ。
    後半は一気読みです。

    金田一さんの「私は最初から、犯人を知っていたのですよ。・・・・以下略」

    知っとったんかい!
    なんとかならんかったんか?

    名探偵にあるまじき発言。

    これは全く覚えてなかったなぁ。

    色んな意味で名作ですね。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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