- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041305201
感想・レビュー・書評
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傑作ばかりの短編集!ホラーが苦手なのでビビりながら読んでみたら怖いながらも面白く、夢中になって読み切った。どれもオチが素晴らしい。余韻の残るものばかり。怖さと切なさを同居させたものや、やり切れなさ、苦しさなど様々な感情を刺激される。特に響いたのはベタだけど「佇むひと」「死にかた」「衛星一号」「くさり」「魚」「母子像」「ふたりの印度人」「二度死んだ少年の記録」ほとんどだ笑。「怪段」なんて3ページでこの面白さ!ビックリしました。
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「鍵」
開けないようにしていた過去の過ちの話。
「死にかた」
「二度死んだ少年の記録」
筒井康隆っぽさ満開。
「くさり」
昔、友達に「題名忘れたけど、筒井康隆の短編でこういう怖い話があって。」とあらすじを聞いてたのをようやく発見。 -
105円購入2005-08-21
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怪談からSFまで様々集めた自選ホラー短編集。なんなんだこれはと、よくわからないながらも驚かされたり考えさせられたりするエネルギーのある作品多し。社会や人間性への皮肉や風刺が効いたものもあり。理不尽な怖さに対して、どこかであきらめたような冷めた態度で臨む視点が独特。
『佇む人』『池猫』『母子像』が特にお気に入りかな。
『佇む人』既読。印象深い作品。言論が規制され、動物を植物化する技術が犬猫の処分や人への刑罰に使用される社会。街に立つ犬柱や人柱がシュール。冷めた視点で、でもどこか優しく、植物化された妻の変化を、そして社会を見つめる作家。
『池猫』
池に棄てた猫たちがとんでもないことに。たった二ページだけどこれは最高。
『死にかた』
鬼に次々と殺される社員たち。理不尽な死の間際にこそ人の性格や本性が露わになるということか。
『衛星一号』
ちょっとした神話。子が親の上に乗って長い年月積み重なってきた謎の生物。下が気になってしまったとある一匹の冒険。これは読んで楽しい作品。
『二人の印度人』
家を訪れる謎の印度人。リアルに怖いよ。
『魚』
中洲に取り残されそうな危機に対する家族のやりとりが笑える。そして理不尽さが怖いよ。
『母子像』
理不尽で幻想的なSFホラー。息子に買ったサルのおもちゃが引き起こす悪夢。読後に残る虚しさ、もどかしさ。
『二度死んだ少年の記録』
ノンフィクションじゃないよね。いじめで飛び降り自殺した少年がしばらくは動き続けて。クラスメートや先生たちが体験した恐怖とは。グロいエロい。 -
最後の「二度死んだ少年の記録」 は大槻ケンヂが出てくるから新しい話っぽいけど、あとは多分70年代のものだよなー。つくづく大人って時代を先取り。
■無限効果
ラリゲン錠!私も欲しい・・・かも ^^/
■公共伏魔殿
NHKの地下って本当にこうなっているんだろうか・・・?
■池猫
見開き2ページの話なのに、怖え~っ!
猫町とかトバモリーとか牝猫とか黒猫とか・・・
何故に猫の話は怖いのばっかなの??
■死にかた
赤鬼がいきなり入室してきて、苗字に数字を含む人が
順に撲殺されていきます。なんやねんっ!
■ながい話
宗教を押し付ける老女。いるいる ^^;
■都市盗掘団
中途半端に没落した家が沢山って情景が何より怖いの、この話は。
■衛星一号
親の上に子・・・カエル?
■未来都市
地下鉄工事がスグそこまで近づいているってのに、役所の担当はノラリクラリ。ああヤだねえ。
■怪段
11時になると”出る”階段・・・オチはありがちだけど雰囲気は○。
■くさり
マッド科学者に盲目娘。ありがちな設定なのに、描写の切り口がエッジ効いてます。
自分の代々飼ってた猫の敷物って・・・^^;;
更に髪の毛かい・・・
■ふたりの印度人
切り口スポンって・・・インドの人に怒られそう。
■魚
私、今後は、川を横切るのは、もう無理~ ><。。 -
2014/8/3
文章は読みやすく感じたけど、最後までいって?ってなるのが多かった。最後におもしろいオチがあればいいのになあ。 -
僕にとってのホラー小説の原点。ミステリアスな主題作「鍵」を始め、少しのエロスとホラーをグチャグチャにしたような、筒井康隆作品の中では比較的「異端」よりの作品集。
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書かれた時代が古いものもあり、物語の設定・小道具が少し古い部分もありますが、ホラーというジャンルもあり気にせず読めました。
後味が悪い・もやもやするなどホラーならではの結末もありますが、あっさりとした文体で読みやすかったです。
初めてこの作者の作品を読みましたので、また違う作品を読んでみようと思う一冊でした。