霧が晴れた時 自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041308639

感想・レビュー・書評

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  • 『召集令状』がとっても良かった。一番怖いと思った。
    特に徐々に国民が戦争の雰囲気に呑まれていくところが良い。ただ最後の父親との部分は個人的にはあんまり好きではない(そこが話の核ともとれるが)

  • 不思議な短編集。
    「まめつま」が自分的にはなんだかすごく好きでした。
    伝承に基づいたホラーもあり、興味深く読ませていただいた。

  • 本当に良いものは古臭くならない事を証明する一冊。
    「黄色い泉」とか、「保護鳥」とかの古典や伝説へのオマージュに中ニっぽさがないどこも好き。(当然のことながら)、最近のオマージュによくある知識ひけらかし系、読者に教養求め系とは一線を画している。
    「骨」は何回読んでもすごい。好き。

  • 小松左京ホラー短編集。「くだんのはは」最恐
    くだんのはは:凶事を予言する牛頭の怪物
    まめつま:赤ん坊の夜泣きの原因の妖怪。
    影が重なる時:ドッペルゲンガー。
    保護鳥:ハーピー。女面鳥身。
    霧が晴れた時:人が消えていく話。

  • 日本SF界のレジェンド・小松左京氏、実はこれが初読み。恐怖小説集と銘打った今作は、ホラー小説を中心とした自選作品集。SF要素の強い「影が重なる時」なども収録されているが、<名作中の名作>と謳われた「くだんのはは」に代表される怪奇小説が主。そのテーマは怪談や妖怪譚、国内外の神話や伝承など多岐に渡っており、その振り幅の広さに圧倒される。戦中戦後を経験した著者ならではの作品も多い。コメディ色の強い「逃ける」も好きだが、表題作を含むラスト三作品の流れが抜群に良い。稀代の開拓者が綴る異世界への小旅行を楽しめる一冊。

  • 「自選恐怖小説集」と銘打たれている。収録作は1963(昭和38)年から1976(昭和51)年に発表された15編。
     2011年に亡くなった小松左京さんの本は、1,2冊しか読んでいなかった。良いSF作品で、印象も残っているけれども、何となく多くは読まずに来た。日本のSFを牽引してきた大家である。
    「恐怖小説集」とは言っても、明確にホラー小説っぽいのは数編。いやこれはSFだろう、と思われるのが同じくらいに数編。まあ、面白いのでジャンルはどうでも良いのだが。小松さんが得意としたとおぼしいSFパニック的なものもあった。
     はっきりとホラーらしい作品の内「秘密(タプ)」は特に印象の強い、衝撃的な短編だった。これは、けっこう凄いと思う。
     全体に、改行の多くない文体が頼もしく思えた。やはり、エンタメ系もこの時代のものは知的であった。いや、とりわけ小松左京さんが知的なのか。歴史、古文学、漢詩などにも深い造詣があったらしく、やはりこの人は高い教養に裏付けられた大作家だったのである。

  • 若干SF要素を交えたホラー短編集。
    『くだんのはは』をはじめ、全部で十五もの話が収録されている。どの話も面白かったが、その中でも『逃ける(ふける)』が一番心に残った。ポン引きの話なのだが、思わぬ結末に主人公と同様、してやられた感が強かった。

  • くだんのはは目当てで読んだが
    どれも面白かった。
    妖怪好きには合う話が多い気がする
    「骨」もオチになるほどー!と感動すらした。

  • クラシックですが、いま読んでもまったく古めかしい感じはせず

  • あとがきにある通り、
    SFを意識して書かれているお話が多いので、
    恐怖小説としてのホラーを期待するとがっかりするかも。
    残念ながら私はがっかりしてしまった

    ジェンダー的に引っかかる部分があるけれど、
    書かれた時代を考えれば仕方ない

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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