死刑執行人の苦悩 (角川文庫 お 21-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041878019

感想・レビュー・書評

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  • 今まで死刑執行に関わったことのある人々へのインタビュー。

     死刑確定までしか知ることのない一般の人にとっては、その後どうなったかを知ることができるという意味ではとても貴重な本だと思う。が、直接死刑に関わって苦悩する刑務官側からだけ見て、死刑制度反対をうったえられてもどこか問題違いのような。死刑が確定後、確かに生まれ変わったかのように見える行動をとる死刑囚もいるのかもしれない。だが、ただそれだけを見て、「こんなにいい奴なのになんで・・・」と言われても、被害者側からしたら、「はぁ!?」だと思うし。

  • “なぜ殺されなければならないのか”について

  • ¥105

  • 死刑制度にかかわらず世の中の色々な面を考えるきっかけを与えてくれた本。
    基本的に私は死刑賛成派ですが・・。  

  • 国家公務員。ある日辞令が降りて、配属される。執行人は、死刑囚と同じように、当日の朝まで執行することを知らされない。その日は、他の仕事をする必要はなく、手当てをもらって帰る。日本の死刑の執行方法は絞首刑。首に縄を付ける場所がうまくないと、30分以上経っても死ねないこともある。なかなか死なない場合、執行人が手を下すこともあったという。現在は5つのスイッチがあって、5人の執行人が同時にスイッチを押す。その1つだけが実際に配線されていて、死刑囚の足元の床板を開ける。誰が執行したかわからないようにするためのしくみだそうだ。こんな職業もあるのですね…

  • 高校の読書感想文のために買って読んだ。死刑執行人の実際を知るいい本だった。

  • 以前読んで、また読み返してみた。
    日本では、死刑存続派の割合が高い(被害者側に立った意見として)。そして大抵の場合、大半の人は「死刑」という判決までしか知らない。「死刑執行」までの間のことなんて知らないし、知る術もないのが現実なのである。

    「死刑執行」と言っても死刑囚が自ら命を絶つのではなく、国家による合法的な殺人を一公務員である刑務官らが、国家の命を受けて執行するのだ。何の恨みも辛みもない人間を殺さざるをえない刑務官の苦悩が、死刑になって当然と軽軽しく言ってしまう自分に衝撃として伝わる。

  • どちらかというと私は死刑賛成派になるかもしれない。死刑制度は殺人と解釈される事あるけど、もし自分の家族や友人が殺されて 「罪を憎んで人を憎まず」と言えるかっていうと言えませんね。自分一人のではないけど収めている税金で、にくい相手を養ってるのって納得いかないと思うんだけど。憎しみからは何も生まれないって言うけどさ。ただ、執行人の立場になるとボタンを押せるかっていうと自信があまりないけど。灯りのスイッチ入れるような気軽さとは程遠い事だし、この本に書かれているようにすごく悩むと思う。
    とっても考えさせられる本。
    答えは出ないけどね。

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