チェリーブラッサム (角川文庫 や 28-7)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1002
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970072

感想・レビュー・書評

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  •  中学2年生の少女「実乃」を主人公にした少女小説。ただの成長物語かと思っていたのだが、本編はミステリー仕立てになっているので、タイトルなどから想像していたものと違い、意外な印象を受けた。
     突如として仕事を辞め、便利屋を始めた父に舞い込んできた依頼から今回の事件はスタートする。ただ、あくまで少女小説なので、複雑なトリックなどは一切なし。主人公やその家族、友人などの揺れ動く心を存分に味わえて、更にちょっぴりミステリーの要素が盛り込まれた、気軽に読めてスッキリする作品。

  • 神奈川出身の作家の作品として読みました。
    母を亡くし、父・豹助と姉・花乃と3人で暮らしている中学2年生の実乃。突如、父が銀行を辞めて「便利屋」をはじめるところから物語がはじまります。

    町の困りごとを解決しながら、順調なスタートを切った「便利屋」稼業でしたが、ご近所の犬がいなくなったことから、土地の立ち退きをめぐるトラブルに発展して…⁉


    ミステリ作品として事件そのものや調査のヤマ場を楽しんで読む、という趣旨の作品ではなく、どちらかというと主人公の精神面の成長に主眼が置かれている作品だと思います。
    なかなか思うようにならない姉との関係、姉の(つくった)「いい子」の側面だけを見ていつも自分だけを叱る父親など、実乃にとっては納得できない事柄の多い日常ですが、ふと振り返って、「自分は甘えているのだけなのではないか」「素直になれないのはなぜか」と自問している姿は素敵だと感じましたし、彼女の成長を応援したくなりました。

    主人公は女子中学生ですが、男の子でも十分に楽しむことができる作品だと思います。

  • コバルト文庫刊行の『ラブリーをつかまえろ』の改題だそうで
    懐かしさMAXの少女小説です

    しかしこの頃から僧侶×JCとは・・・山本文緒先生流石ッス

  • 高校時代に読んでいた山本文緒さん。
    結構好きだったなぁ。

  • お父さんがひょんなきっかけで商売を始めるところから面白い展開になっていく。
    先の展開を考えながら読み進めたくなる。
    私は主人公と性格が似ているせいか、主人公が嘆く場面では共感。

  • 読みやすかったし、結末も満足できた。

  • 山本文緒さんの少女小説の加筆訂正版。
    ラブリーをつかまえろ改題。

    会社を辞めた父が便利屋を始める。
    行方不明の盲導犬を探す依頼を手伝うが、何かが頭にひっかかる。
    盲導犬がいなくなった真相は?
    主人公、実乃の恋の行方は?

    文緒さんの小説を読み慣れている人にとってはものたりないかもしれないが、心理描写は流石山本文緒という感じ。

  • それぞれの角度からの心の描写の表現方法が美しかった。ストーリーは普通。

  • is there means title 'cherry blossom'? as you know, i'm not pure ;-)

  • 母親は数年前に病死、父は仕事が忙しく姉妹の夕飯はポテチ。姉がゲーセンで補導されたのをきっかけに父が会社を突然やめた。
    …という冒頭の割には話はけっこう軽かった。悪評まみれの不動産屋とか出てくるけど、謎の真相もユーモアも含む軽いものだった。便利屋稼業もひとまず順調に滑り出すし。
    表紙で恋愛ものかなーと思ったら全然そんな感じじゃないし。笑

    でも、面白かったです。
    軽さはティーン向け小説だった名残りなんだろうけど、主人公の心理描写は、中学生らしく真っ直ぐで、時に痛々しく、もどかしく心が締め付けられて、リアルで魅力的だった。

    原題の「ラブリーをつかまえろ」の方が良かったんじゃないかなあ。桜の花なんて(少なくとも印象的には…)描かれていないし、話が進んで、悩んだり頑張ったりしていくうちに、主人公がどんどんカワイくなってくなぁと感じた。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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