星の巡礼 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750024

感想・レビュー・書評

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  • パウロのデビュー作。これを読んでから、自分もいつかスペインへ巡礼の旅にでたいと思っています。

  • ブラジルの作家で、自らのスピリチュアルな体験に基づいた神秘的な小説を書くことで知られるパウロ・コエーリョの処女作。

    秘密結社の儀式で失敗を冒した主人公は、その失敗を挽回するために巡礼の旅に出る。その旅の過程で出会う人との出来事や不思議な体験を通じて主人公は、人間にとって何が重要なのか、なぜ儀式のとき自分は失敗したのかを学んでいく。そして最後には…。

    小説の中で、主人公の旅のガイドとして登場する男、ペトラスが語る”夢”についての独白を要約しておきます。
    「食事が体に栄養を与えるように、夢は魂に栄養を与える。だが人はともすれば、夢を子供じみて現実離れした、実現不可能なものだと決めつけて夢を殺してしまう。夢を殺すと、
    1.時間が足りないと感じるようになる。本当は、やりたいことを実現するだけの時間は十分にあるのに、ほんのわずかな仕事にも注意を向けず、何もしない人になってしまう。
    2.人生には何も望まないほうが賢くて公正で正しいと思うようになる。そして人生に戦いを挑む人をすべて”愚かな敗北者”と決め付けて比較することで自分の想いに確信を持つようになる。
    3.まるで日曜の午後のような、一時的な安逸を手にする。そのことで自分が成熟したのだと思い込み、何ひとつ人生に要求しなくなる。

    こうして、夢を殺した人間は一時的な安逸を手に入れるものの、やがてその夢の死骸は腐り、魂を蝕んでいく。まわりの人々に冷たくなり、自分自身にも無関心になり、やがて病気やノイローゼを引き起こして遂には死を望むようになる。」

    かなりシビアに人間の目指す道を示しているので読んでいて苦しいこともありますが、それをはるかに上回る感動があると思います。人生の面倒なことすべてと向き合う覚悟が決まったらどうぞ。

  • 世界観がキリスト教というか西洋っぽくて入りきれない。メディテーションの方法とかも書かれてる。

  • 失恋と重なった

  • ブラジル人の主人公によるスペインの聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅路の物語。コエーリョ氏の自伝的要素が強い作品だそうです。

    主人公は、ある宗教的秘密結社に所属していて、その教団においてマスターの証とされる「剣」を、探し出すために聖地への旅に出ます。

    宗教色が濃い作品なので、人によって好き嫌いが分かれるかと思いますが、日々起こる出来事を、自分の感覚を研ぎ澄まして見つめ、さまざまなサインやメッセージに気づいてゆく直感活用入門書としても参考になりそうです。

    個人的には、「剣」が象徴するものや、巡礼者の呼び方のひとつ「ワンダラー」など、重要なキーワードを見つけて、気づいたことが多々ありました。

  • パウロ・コエーリョデビュー作。

  • いい空気感でした。

  • 自己探求の先にあるもの/哲学と神/歩くということ/生きるということ——が「語られる」というよりもむしろただそこに「書かれている」だけ、のような感触。それでいて淡々としているだけでもなく、砂っぽい空気の温度や杖の感触、ざらつく肌の質感まで伝わってくる現実味がある。
    一編の長編映画を観終えたかのような読了感。

  • スペインのサンチャゴ巡礼の旅が描かれているが、その道は自分と向き合い試される、厳しい道である。魔術的な香りのするフシギなお話。

  • パウロ・コエーリョの経歴を聞くと、胡散臭さが拭い去れない。最近流行のスピリチュアルという言葉に私が拒否感を抱いているからだろうか。本書はサンチアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼記として道々が興味深い。サンチアゴ巡礼を視覚的に楽しみたいのなら映画「サンチアゴ・メッカ…」が道程のスペインの雄大な自然を上手く描写している。

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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