マンゴー・レイン (角川文庫 は 21-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 334
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043442041

作品紹介・あらすじ

タイ生まれの日本人、十河将人。彼はバンコクで再会した幼馴染から、中国人の女をシンガポールに連れ出す仕事を引き受ける。法外な報酬に、簡単な仕事。おいしい話の筈だった。だが、その女と接触した途端、何者かの襲撃を受け始める。どうやら女が持つ仏像に秘密が隠されているらしい-。張り巡らされた無数の罠、交錯する愛憎。神の都バンコクで出会った男と女の行き着く果ては。至高のアジアン・ノワール。

感想・レビュー・書評

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  • タイ生まれの日本人。
    人買いを生業とする。

    ある日、タイで偶然幼馴染に遭遇。
    売女の中国人をマレーシアまで運んでほしいという依頼を受けた。ある仏像と共に。

    神の都タイから仏像を運び出すのは至難の業である。

    法外な値段で依頼を引き受けるも、謎が謎を呼ぶ。

    ミステリー要素も多分に含みながら、タイ人の文化や精神性が精緻に描かれる。

    二世三世には取得しづらいオリジナルの感覚。

    寄付の概念に支えられた、欲まみれの既得権益者。

    最後の最後まで報われない。

    しかし、生存本能の前では善悪という概念は実に虚である。

  • 20年バンコク

  • 最高!

  • 「バンコク版不夜城」まさにそんな感じでした。中国人娼婦メイの精神力に圧倒…強く美しく魅力的な悪魔でした。そして天使の都バンコクでの逃走劇は、Mango Rainとともに終幕を迎えるのでした…
    私の中で、馳さんらしいどストライクな作品です

  • バンコク版の不夜城って感じ。展開が普通。

  • なんか不夜城を思い浮かべた
    たから探しか~
    宝探し物の名作って何なんだろ?
    あんま読んだ記憶ないな

  • バンコクもハードボイルドが似合う街だ。

  • ハッピーエンドはありえません。

  • 長かった。
    なんとなく結末が想像できるのが
    長かっただけに悲しかった。

  • 日本もそうなんだろうけどタイの裏社会って怖いと思いました。
    人を人と思わずただの駒としてしか扱わないというところとか。
    先進国の日本で生まれ育った自分たちとは世界が違うなぁ

  • バンコクを舞台に広げられるアクション。
    政界・警察・ヤクザのアンダーグラウンドの世界が書かれてて身近に感じた。
    バンコク内の地名が多く出てきて、ほとんど知ってたので、想像しながら読むことが出来た。

  • タイを舞台にしたお話。
    実際にタイに行った事が有ると、物語に登場する風景や場所が
    立体的に見えて面白い。

  • 面白かったですが、馳氏の作品としては爆発力がいまいち足りない気がしました。夜光虫あたりが尺玉打ち上げているとすると、7寸玉くらいでしょうか。しなやかに強くてしたたかなメイは魅力的に描かれていました。

  • 救われない感じ…

  • ハードボイルドっていう分野になるのでしょう、すごく蒸し暑く、生臭い街を感じた。

  • なんともハードボイルドだった。
    危機的状況になる度に、確率を出すのにちょっとだけ。ちょっとだけうんざりしたけど、タイの暑さを感じる本でした。
    最後のおちが良かった。

  • いやあ、疲れましたねえ、この本は。

    馳星周なる人物の作品を読むのはかなりしんどい作業になる。

    なぜか?それは、彼の作品は、人間の黒い部分を抉り出すようなモノだからだ。

    人は、必ずしも正義だけでは生きていない。人格者といわれる人物も、一つ後ろを振り返ると、悪い部分が必ず存在する。イヤ、人格者だからこそ、より暗い部分が必要になる。

    彼の本の登場人物は、そういったバックボーンを背負っている。

    マンゴーレイン これはタイに降る雨の事を言う。乾季に入る前に決まって降るスコールの事を言う。

    この物語は、タイで人買いをし、生活をする一人の日本人男性が、ある女性を国外に脱出させてくれと頼まれたところから始まる。

    この女性が持つ仏像にとある秘密が存在することにより、裏社会の人間や政財界の顔役などに追いかけられる。
    なにが、存在するのか?秘密とは一体なんだ?これを解き明かしていく過程に、人間の内なる欲望などが表れては、混乱をきたす。

    人は、一人で生きていくことが、可能なのか?
    現状から抜け出そうとすれば、あらゆるしがらみを解きほぐし、新たな命綱をつかまなければならない。

    時には裏切り、時には欺きしつつ、人間関係が築かれていく。
    男は、タイ人女性と結婚したが、ギャンブルに狂い、借金のかたに女房をヤクザに取られる。結局、その妻はエイズで亡くなることになるが、男は自分を許せない。弱い自分と、向こう見ずな自分との葛藤に打ち震えながら、それでも現状からの脱出を考える。

    オンナは、売られてきた。幼いころから、男に買われて来て、エイズに感染する。
    自分の人生を変えるために、色々な知恵を絞り、抜け出そうともがく。

    人間はとてもじゃないが綺麗ではない。化粧の裏には、化け物の顔がある。

    馳星周は、こんな小説を書き続ける。

    聖職者にも、政治家にも、警察にも必ず、裏の顔がある。汚い奴らだ。
    そして、自分も薄汚れている。

    わたしは、そこに魅了される。人間の本性を鋭くえぐる文章に、魂を揺さぶられる。

    おためごかしのキレイごとなど、通用しないのである。

    人間の本質はキレイごとだけではない。
    それが現実であり、実際には政治家も権力を持てば人が変わる
    それくらいの存在なのだから

    わたしにはそこまで書ききる筆力がないのだが
    さいごのところでビビるのだ

    精神力のなさが哀しい
    いつか、これくらいの作品をと思うんだが、無理だろうな

  • 読まなきゃよかった…(´・ω・`)
    好きな人は好きだろうな…って本です。

  • 馳星周作品は割と好きで読んでいるが、なかなか面白い!登場人物があまり多くなくしかし裏切りの連続だったり…話がバンコクという自分が行ったことのある場所のせいか、割と話の背景が想像できてスピード感がありとても楽しく読めた作品。

  • 馳星周の描く世界の住人、、、ほとほと救いが無い。
    馳さんオススメのタイの船そばを是非食べてみたいと思う。

  • 初めて読む小説。何で買ったかというと、著者の名前が気になったから。
    これって、周星馳(香港・大陸で大人気の映画監督)の名前をさかさまにしたもの。
    きっとこれはペンネームだ!そうおもって、周星馳の作品をイメージして
    買ってみた。さっき調べてみたら、これは周知の事実だったみたい。

    内容は…
    タイ生まれの日本人・十河将人。
    借金を重ね、妻を亡くし、再びタイに舞い戻った。
    仕事は人身売買。
    彼は、中国人のメイという女性をシンガポールに連れ出す仕事の依頼を受けるが、
    そこには予期せぬ無数の罠が仕掛けられている。
    お宝を目指してなんでもありのストーリー

    どす黒い人間の欲を描く小説。
    とにかくお金がものを言う、お金の為になんでもする。
    そういう世界。
    そういうのって汚い。でも、それが人間の本当の姿かもしれない。
    もちろん小説のように行動する人はそういないと思うけど。
    お金って、なけれな生きていけないし、
    「あげる」って言われたら欲しくなってしまうものだと思う。
    だから主人公を攻めることは出来ない。
    お金がないと解決できないことが世の中にはあまりにもおおいから。

    スリル満点の小説で、女性の私が読むとちょっと引いてしまうような描写もある。
    でも、とにかく勢いで最後まで読んでしまう。
    舞台がバンコクというのもいい。
    タイには一度行ってみたかったから。
    でも、読んで益々タイに行きたくなっちゃうような小説でもはなかった。
    暗い。怖い。
    だましあい、殺し合い。

    ラストは私が期待していた結果ではなかった。
    ラストを期待して最後まで、怖いけど読んだのに!
    でも、しばらくして思うのは、世の中そんなものだよ。ということ。
    人間の人生の中でラッキーはそうも続かない。
    現実的な結末と、それから生まれてくるのが今の自分が相当幸せだという実感。

  • 本人にサインを書いてもらったのは良い思い出。

  • バンコク行きの飛行機の中で読みました
    これは大失敗 バンコク怖くなっちゃった(苦笑

    馳作品らしいドロドロ系ではあるものの、
    さくさく読めてしまい、続きが気になるっ!!!

    エンディングはやっぱり↓↓↓と思ったけど、
    大変いい作品でした☆

  • 漫画っぽいっちゃーそーなのかもしれないけど私は面白かったっす

  • ハードボイルドといいますか、、、
    手に汗握る展開といいますか…。
    面白い、確かに面白いんですが、好みではありませんでした。
    めずらしく(?)男性からの上から目線ではありますが、賢く描かれた女性が出てきたのが新鮮でした。(最近そういう本にめぐり合ってなかったので。)
    でも何だか、主人公の男性が自問自答するたびに、イラっとしました。

  • どんどん惹き込まれて、どんどん読み進めて、でも心に深く刺さるほど怖い1冊です。ハードボイルド系。

  • テンポはいいけど忙しない感が…<BR>
    内容が内容だけにそんなモンかなとも思いますが。馳氏作品は初ですが個人的には微妙かも…。主人公視点がどうにも落ち着きまセン。よく行くバンコクの話なのでソコは面白かった。<BR>
    最後のオチは好きですけどねー。うはは♪そうキタか。みたいな。

  • アジア関係の仕事をしている私にとって、この本の中に出てくるバンコクに実在する建物や、通りの名前などが、物語の興奮をさらに掻き立ててくれます!バンコクフリークの方には、是非お奨めの1冊!

  • さすが馳 星周という本です。バンコクが舞台でオンナを別の国に移動させる仕事のはずが宝探しとなり、最後は壮絶!

  • このくらいまで読むと、作者がずっと同じテーマでしか話を書いていないことに気付く。面白いんだけどね。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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