ハルビン・カフェ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 417
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043615025

感想・レビュー・書評

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  • これはいい作家と出会えました。

    全く伊坂幸太郎に感謝。



    単行本で592Pがあっという間です。

    というか一度に読んでしまいたい、読んでしまわないと理解できないんじゃないか。

    そんな風に思いました。



    舞台設定などからすれば村上龍の作品などとオーバーラップするところがあり、話の進め方からすれば伊坂幸太郎作品にも共通する箇所が見受けられます。

    ただインパクトの強烈さは先に挙げた両者を凌駕するものを感じます。

    序盤に発生した事件をきちんと把握・理解していないと度々ページを戻すことになります。

    無駄な文章は一切なし。

    作品の世界にのめり込んでしまい、読み終えた後はその重みでグッタリしました。

  • 硬質な文章に見合ったハードボイルドさ。ハードボイルド小説、というよりは大人のヒーローものです。男でも女でもぞわりとくるヒーローを明かそうと奮闘する話。しかしストーリーが多重構造を極めていて一回では全貌を理解しきれず…

  • 第5回(2003年) 大藪春彦賞受賞
    架空の都市、福井県西部の海市。
    大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯化。
    相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生。
    警官の警官による警官のための自警団。
    彼らは「P」と呼ばれた。

  • 日本海に面した架空都市を舞台に、中・朝・露のマフィアと警官による自警団の争いを描いた純日本製ハードボイルド。
    多視点の構造によりストーリーが難解になっているため、格好良いと思えるシーンを拾い出しつつ読むのが良いかと。

  • ハードボイルド。読み進むうちに物語に絡め取られる。

  • 2013.04.22 読破。

    ちょっと整理できてない自分が残念。もったいない

  • ルカ ロシア チェコスロバキア プラハ 美術大学 福井県 海市 警察殉職率 テロル リクルート=企業などが人員を募集すること キャリア 水門愛子 小久保 P シンパ 金子酒店 斎藤淑子としこ 復讐 古田 ウェイトレス 洪考賢 長野県生まれ ベトナム人 ト・トイ 8歳の娼婦 3匹の猿 ユニット 小川隼人 敦賀市 昴18歳 妹 李 嫉妬 キム兄弟商店 鯖江市 吉雄 舞鶴市 ボーリング場 魂 馬場 放屁 恥辱 奴隷
    ヒエラルヒー上下関係によって、階層的に秩序づけられたピラミッド型の組織の体系。狭義では、カトリック教会の教皇を頂点とする聖職者の位階制。広義では、中世の封建社会の身分秩序をさすが、現代では指揮・命令系統によって整序された軍隊や官僚機構についていう。位階制。身分階層制。ヒエラルキー。
    ふく‐ぼく【副木】骨折した手足などを固定するためにあてがって支えるもの。添え木。

  • 犯罪都市、海市。そこでうごめく犯罪組織と警察と警察の自警団。分厚い本をこれでもかと疾走する物語。物凄く、引きこまれた。これはもう、この人の本はすべて読まなければならないと思った。ほんとうに面白くて分厚さも忘れて一気に、とはいっても丸二日くらいかかった記憶があるけど、とにかく一気に読んだ。そして、読み終わった直後、著者のほかの本を物色にいった本屋のポップで著者の逝去を知った。あまりにショックで読まなければと思ったにも関わらず他の本に手を出せずに今日まで来てしまった。
    だが、これは本当に面白い。そして、著者のほかの作品も読みたいと今も思っている。

  • 図書館で借りました。
    とりあえずこの頃は大きな活字のゆったり印刷(簡単に言うと文字が大きくて行間が広い)に慣らされている身としては本を開いて活字のみっちり詰まり具合にオオウと思いました。魍魎の函の先生が書きそうな文章だ。

    面白かったのですが章ごとに視点が変わるので付いていくのに苦労しました。後、この名前確かどこかで読んだんだけどどこに出てきたっけ?と探すのに戸惑ったり。一気読みなら問題ないのでしょうが電車通勤でチマチマと読み進めるのは難しかったです。

    正直難民が日本海を越えて日本に定住、そのまま外国人街を作り抗争を繰り広げるってアリかなあ…とも思ったのですが昨今都内でもとても日本と思えないような街になっているところもあるしあながち絵空事でもないのかもしれません。

    コウにはまるっきり共感は出来ませんし何がしたいのか何が目的なのか読み終わってもわかりませんでした。が、確かにカッコイイオトコだった。正直ラストのエピローグは読みたくなかったかな~ 
    あの辺りは個人的に想像するラストでも良かったのではないか、と思いました。

  • 日本海に面した、架空の国際犯罪多発都市の警察とマフィアをめぐるクライムノベル。
    構造は難解だし、公安警察と下級警官のテロ組織とが、何重もの潜入捜査とスパイ合戦を繰り広げるので、人物相関も複雑。
    しかし、それを補って余りあるのが、魅力溢れる登場人物で、特にすべてを操る孤高の黒幕には、男も女も夢中になる。
    曰く、言葉、声、仕草、振る舞いにゾクッとくる色気があり、決断力と実行力は申し分なく、知性とユーモアがあり、
    意表をつく行動、奔放なイマジネーション、眠らないポテンシャル。
    映画化するなら大森南朋にやってほしいなあ、と当てながら読みました。

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著者プロフィール

1948年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。2003年『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。07年10月逝去。

「2022年 『Memories of the never happened1 ロビンソンの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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