浄土の帝 (角川文庫 あ 40-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043659050

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  • 後白河法皇になる以前の、丁度鳥羽法皇が崩御されて、後白河天皇~後白河上皇時代の保元の乱、平治の乱前後の物語。
    昨今平清盛の評価が昔の悪役のイメージから変わっていく中で、清盛と関係の深かった後白河天皇に興味があったので、この本を読み始めましたが、結構面白いので一気に読めました。

    後白河天皇は歴代天皇の中では、権謀術策に長けた悪役のイメージが強いが、恐らく鎌倉幕府側から見たイメージだろうと思う。直木賞作家の安倍龍太郎によって、新しい後白河天皇(上皇)が誕生した。

    この本を読んで、藤原不比等が祭政を分離、つまり神事は天皇家、政は藤原家が司る仕来りを作ったのを知った。
    そのような時代の流れから、悪役の信西法師が現れ、また後白河天皇が、その枠組みを壊してゆくプロセスの中で、源義朝や平清盛の武士団が勢力を増していく様がよく分かる。また傍流ではあるが崇徳天皇(上皇)の悲劇や西行法師などが彩を添えて、新しい歴史の見方なり相関関係が明瞭になってゆく楽しみに満たされる。

    ただ登場人物が多いので、大まかな時代の流れを頭に入れておかないと混乱するので、その点が要注意。

  • 安部龍さんの後白河法皇を主人公にした作品
    通説の天狗のような法皇ではなく、さっそうとした人物像で描かれている

  • 2008/12/29 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2019/3/21〜3/26

    2年半ぶりの安部作品。保元・平治の乱、という名前は武士の台頭と絡ませて教わるが、どのようないきさつであったか、についてはほとんど知らなかった。本作品は、後白河天皇を主人公にその顛末が描かれている。あまり他の作品で読んだことのない歴史的事件であったので、大変面白く読めた。

著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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