- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043755028
作品紹介・あらすじ
日系自動車メーカーのイラン工場建設のため、一億五千万ドルの巨大融資案件がもちあがった。大手邦銀ロンドン支店次長・今西は、国際協調融資の主幹事(トップ・レフト)を獲得すべく交渉を開始するが、かつての同僚で日本を捨て、米系投資銀行に身を投じた龍花が立ちはだかる。そこに突如、世界を揺るがす敵対的買収が…。弱肉強食の国際金融の現場を余すところなく描いた衝撃のデビュー作。
感想・レビュー・書評
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邦銀と外銀の争いを描いたもの。
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久しぶり(おそらく20年ぶり?)に読んだが、
全然色褪せてなくて驚いた。読み物として、とても面白く、一気に読んだ。
テクノロジーの時代、ロシアの問題、グローバルな問題、などずっとそこにある。自分がキャッチアップできてなくて、焦りも感じた。
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購入: 2006年5月27日
廃棄: 2022年4月22日 -
2000年前後の海外銀行事情がよく分かる面白い本だった。
ウォール街とロンドン、都銀のキャラクター、また総合商社の強さなど、見どころ多数あり。シンジケートローン組成時の交渉は多岐に渡るものの、どれも痺れるものばかり。
アジアの鷹、巨大投資銀行と共に黒木亮の本は面白いし、理解もしやすい。もっと早くに読めば良かった。 -
複数の銀行で巨額のローンを引き受けるシンジケートローンにまつわる話。重厚な金融小説。
外資系投資銀行=証券会社のえげつないまでのお金への執着と、それに紐づいたトレーダーへの報酬制度があり、一方で、日本の銀行は社内政治に明け暮れて、賃金も安いし、成功報酬もほとんどないし、海外と戦う力ないという悲しき感じ。
金融トレーダーとかスマートに見えて、結構ドロ臭い電話営業とかをこなさないといけないし、海外出張もしょっちゅうだし、当然言語の壁も超えないといけないし、突発的な作業もあるし、法律や海外政情にも詳しくないといけないしで、なかなか大変な世界なんだなというのが分かって面白かったです。なりたいとは思わない。
素人向けにも分かるように金融用語を使ってくれているので、普通の小説としても楽しめるはず。駆け引きにつぐ駆け引き、そして用意された伏線とどんでん返しもあります。 -
国際金融の世界を1つの大きなディールを軸に、日本の都市銀行(メガバン誕生日前)のロンドン支店で働く今西と、日本国籍を捨て米系投資銀行のロンドン支社で働く龍花の視点で描いた作品。
金融知識は素人レベルですが解説のおかげで非常に読みやすかったです。
自分は投資銀行の人間ではないですが、龍花に自己投影をする場面が何度かあり考えさせられるものがありました。
場面と視点の切り替わりが激しく疲れますが、刻一刻と動く国際金融の臨場感が感じられる面白い作品でした。 -
面白かったand金融系の知識がなさすぎて勉強になった。
この業界にいる人曰く、
「話がリアルすぎて仕事を思い出して嫌になる」
と言ってたのはつい笑った。
国際金融小説ではあるけど、
あくまで主体、主人公は
「日本」であるなと感じた。
また、今と当時で
日本の金融の位置は違うと思っていて、
この頃の日本はまだ羽振りの良かった時代で、
国際的なアクターになりやすい時代であったのだなと思った。 -
リアリティはあるけど、話が散らかっている印象は受ける
小説としては面白い