瑠璃の雫 (角川文庫 い 64-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043897032

感想・レビュー・書評

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  • 母と弟の3人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母のアルコール依存によって、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は永瀬の人柄に心を開いていくが、彼はひとり娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、美緒は事件を調べ始め、あまりにも哀しい真実を知る。家族とは何か。赦しとは何か。今最も注目を受ける気鋭が贈る、慟哭のミステリ!

    薫さんの明るさで読み進められた。
    結局悪い奴が逃げ切った話・・・天罰は下ったかもだが・・・

  • 小6の美緒はアル中の母と弟の充の3人暮らし。父親は出ていき、充には末の弟を窒息死させた疑いがある。不遇すぎる環境の中で元検事の老人・永瀬と出会うが、彼には幼い娘を誘拐された辛い過去があった。
    永瀬の過去を紐解く中で、自分の過去とも向き合う美緒が逞しかった。
    長編映画を観たような、ぐったりと立ち上がれない読了感……

  • 最後まで救いがあることを祈って読んだ感じ。不幸が多すぎて精神的にはきつい。何はともあれ充が生きてて良かった。川のくだりが「え~」って思って読んでいました。最後読み終わってみるとあまり残らなかったというか響くことはなかったように思えてしまった。(一気には読んだのでそれなりにはまったのだけど・・・)

  • 他人をどこまで許せるっかって、自分にどこまで嘘をつけるかってことかな、

  • 面白かったけどイマイチ入り込めなかった。
    アル中の母親を持ち、弟(幼児)を殺した弟を持つ姉。父親は浮気の末離婚。心に傷を抱えた少女が1人の老人と出会い少しずつかわっていく。
    老人も娘を誘拐されて失っている。

    章を追うごとに少女がどんどん柔らかくなっていくのを見て、いい意味で変わっていくのが良かった。でも全体的に淡々と進むからちょっと入り込めなかったかも。

  • 1部では今にもキレそうに張り詰めた糸のようだった美緒ちゃんが、3部ではすっかり柔らかい印象になっていて、描かれてはいないけれど永瀬さんや薫さんとの関係でいい風に変わっていったんだなと感じた。

    2部が、永瀬さんの検事時代の話だけど、政治献金の話とかで名前がたくさん出てきてちょっとそこは読みづらかった。

    3部はちょっと永瀬さんの気持ちが理解出来なかった。私が初恵さんなら、娘を殺した男にとどめをさせるチャンスをもらえるなら喜んで火にかけるし、自分が直接では無いにしろ殺したと後から知った所で傷つかない。
    ましてや、その事で犯人の息子に負い目を感じる必要なんて全くないと思う。
    モヤっとしました。

    美緒ちゃんは自分の家族に起こった事をどうすればいいか悩み、永瀬さんの行動を指針にしたくて謎を解明していくけど、最終的に充と下した結論は忘れる事というのがうーんと思った。

    お母さんがお酒を飲む原因もそうだし、きっとお父さんも苦しんでるだろうから、いっそ自首して罪を明るみにした方がお互いの為に良かったんじゃないかと思ってしまう。誰にも言えない罪悪感を抱え続けるのってものすごく辛いんじゃ無いのかな?けど、家族間では許されたという事なら少しは楽なのかな?
    その辺はよく分かりませんが、その後元の関係には戻れないと思います。


    個人的に、死んだと思わせていた充が最後に登場するのは、なんか作者のドヤ、ビックリしたやろ感がでててあんまり好きな演出じゃないです。


    登場人物の描写が一人一人リアルで、細かく描かれてるなと思いました。脳内でそれぞれのキャラクターを映像化できる感じがします。

  • いつもの伊岡先生の様にサクサクっと先に進めることが出来なかった。
    でも、点が繋がって来てからは一気に読めた。

  • ごめんなさい。
    今作、ほとんど入り込めませんでした。
    太田愛ロス状態で読み始めたのがイカンかったか。
    ほとんど上の空で授業を聞いてて、一応最後まで聞いてました、そんな感じです。
    第1部はかなり苦痛を伴い、特に充の描写は苦手。第2部は一転して読みやすくなったものの、第3部で再び失速。
    真相?
    うーん、衝撃的ではありませんでした。
    なんか……スミマセン(╯︵╰,)
    いつか再読したいと思います。

  • アルコール依存症の母親、一番下の弟を殺したと思われている幼い弟、それが原因で出て行った父親。そんな家族を持つ主人公?の美緒。
    母親の従姉妹である薫さんに引き合わされ、元検事の永瀬と交流を持つことで少しずつ変わっていく。

    ところどころで流れがぶった切られて次のエピソードに入るから、せっかく入り込んで読んでいても興醒めになるシーンが何度か…。
    全体的に長いかなぁ…。

  • 何作かしか読んでませんが、最近読んだ伊岡作品とちょっと違うテイストだな、と思っていたら初期の頃の作品なのですね。

    罪とそれを許すということ。
    倫理なんかくそくらえというある人物の言葉に共感。本作に登場するどの子供も大人の都合で辛い目に合ってる物語でずうっと苦しい感じで読み進み読み終わりました。しんどかった…

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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