ホルモー六景 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043939022

感想・レビュー・書評

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  • 『鴨川ホルモー』再読後の『ホルモー六景』

    『鴨川ホルモー』の後日譚かと思ってたが、スピンオフ。

    京都産業大学玄武組の『二人静』定子と彰子が争う『鴨川(小)ホルモー』。
    圧倒的な強さを誇っていた玄武組が、京都大学青龍会に負けた原因がこれだったとは…
    デートしている相手が横で、訳の分からない鬼語を突然話し出すと…
    去っていくよな…
    定子と彰子の恋はどうなったのか…

    凡ちゃんこと、楠木ふみに淡い恋心を寄せる『少年』の『ローマ風の休日』。
    凡ちゃんの背中を押して、安倍に告白させたのが、『少年』だったとは…
    凡ちゃんと安倍の恋はどうなったんだろう。

    あの書店に果物を置いてくる短篇の舞台裏『もっちゃん』。安倍は安倍でも… 安倍の友だち『もっちゃん』。何か、違和感が…
    時代が違っていたとは…
    時代が違っても、安倍は女性の身体の一部に執着するのは変わらないなんて。
    安倍の先祖だったんだろうか…
    巡り巡って、もっちゃんの懐中時計が現代に…

    ホルモーと文明開化期の謎を追う『同志社大学黄竜陣』。
    プラス10人はこれか…
    薩摩からさつま芋しか…
    ISINから明治維新がでてこないとは…
    新島襄にクラーク博士もホルモーに絡んでいたなんて。
    芦屋の元カノ・巴。なかなかの個性の持ち主。
    同志社大学黄竜陣とのホルモー、見てみたい。
    『鴨川(小)ホルモー』とニアミス。

    東京でも⁇『丸の内サミット』。
    京都産業大学玄武組・元会長・榊原康と龍谷大学朱雀団・元会長・井伊直子が、3年半ぶりに丸の内で再会。そこで見たものは…
    東京でも『ホルモオオオォォォーッ!!』が響いていたとは。

    本能寺の変にまつわる時代を超えた恋愛『長持の恋』。
    立命館大学白虎隊・第500代会長となった細川珠実。『孤のは』の蔵の長持を通して、柏原大鍋と時代を超えて…
    ここから高原の恋に繋がるのか。

    『鴨川ホルモー』のスピンオフ。
    にもかかわらず、面白さは『鴨川ホルモー』以上。

    『鴨川ホルモー』続編。期待してしまう。

  • 「鴨川ホルモー」のスピンオフ。

    「鴨川(小)ホルモー」
    京都産業大学玄武組、二人静の話。
    定子と彰子という登場人物の名前を知って、一気に好きになってしまった。
    そんな二人に挟まれる男は、もちろん一条くんである。いいね。

    女同士の決戦は、男同士のそれよりも、宿命的なものを背負っていないことが多くて、それが魅力的だなと思う。
    世界を背負う前に、自分の本音で戦う彼女たちだから、好きになるのだろうな。

    「ローマ風の休日」
    凡ちゃん推しなら、この一話に深く感動するに違いない。と勝手に断言させてもらう。
    なぜ彼女が、ホルモー本編で驚異的な力を振るったかがよく分かる。
    個人的には、ホルモーの終盤でヒロインの座を掻っ攫っていく、凡ちゃんが好きだ。

    全然関係ないけど、ある程度のキャパシティを持つホールの采配出来る人ってかっこいいよねー。

  • 鴨川ホルモーのスピンオフ小説だと思う。
    だけど私は鴨川ホルモーよりホルモー六景の方が好きだと思った。
    なんかウルっとしそうになる箇所が幾つもあった。
    歴史が絡むストーリーも好き。

  • 「鴨川ホルモー」のスピンオフ作品。本編に脇役として登場した人物や、はたまた「ホルモー」をかつて経験した人たちのエピソードを絡めた6作品。

    「鴨川ホルモー」のスピンオフということで、愛すべきキャラクターたちにまた会えたという喜びに加えて、元々、史実や実在する場所などを織り込んで作られたフィクションが大好きなので、この短編集はツボにはまった。

    どれも良かったけれど、楠木の知られざるデート秘話「ローマ風の休日」と、本編「鴨川ホルモー」の巻末であっさり高村と付き合い始めていた細川嬢のエピソード「長持の恋」の二つが特に好きだった。
    「鴨川ホルモー」を読みながら「なんで同志社はこのホルモー4大学に選ばれなかったんだろうなぁ?地理的な理由かなぁ?(私は京都の大学分布図が全く分かりません…)」と思っていたら、めでたく同志社も次回からは参加できそうな雰囲気なので、またぜひ続編を作ってもらいたい。

    巻末の解説は有栖川有栖。この一連のホルモー物語群を「ホラ話」とバッサリ斬っていて(といっても、べつに批判してるのではなく、むしろ褒めている)、この作品を表す良い表現だと思った。

  • 鴨川ホルモーの番外編というか、裏話というか、そういった感じの短編集。短いけれど万城目エッセンスがギュッと詰まっている。

    二人静の話は男性から見ると怖い2人だろうけど、女の友情話と考えるといいなぁと思う。特に定子の一本筋が通った対応が好きだ。何だかんだけんかしながらも長続きする友人関係だろうなぁ。羨ましい。

    もっちゃんの話は一本取られた!と思った。安部と言われるとどうしても500代目の安部だと思ってしまう。

    芦屋の彼女の話は、芦屋も芦屋だけど、彼女も彼女だよなぁという感じで、一番裏話感があった。所で芦屋のホルモーペナルティは何だったんだろうか。

    一番好きなのは最後の「長持の恋」。高村は文句なくいい奴だし、おたまも可愛い。鍋丸とのやり取りが切なくて、6篇の中では一番応援したくなる二人だった。しかし高村がちょんまげになったのにはそんなわけが…。ホルモー恐るべし。

  • 凡ちゃんの知られざる日常、鴨川ホルモーの過去、なにより時間を超えてやり取りをした話などが語られていた。特に、長持の恋は心に深く沁みるものがあった。

  • 鴨川ホルモーを読んだ人向けの短編集。
    短くあっさりした話が多いが、最後の「長持の恋」は最後までどんな結末になるのか緊張感があって良かった。

  • 2023.1.24 読了。
    「鴨川ホルモー」を軸とした舞台で描く短編6作収録。

    まず、直木賞おめでとうございます!と言いたい。
    6作がホルモーとどこかで関係を持ちつつも様々な短編で構成されていて面白かった。「鴨川ホルモー」とも6作の短編の中でも何かが繋がっているが1作1作単独で読んでも成立しているという凄い技術で描かれていた。
    6作が恋愛小説ぽかったりSFチックだったり、時代小説とも言えそうなものもあったりで著者の知識と手腕に脱帽した。6作それぞれに違う魅力があり充実の一冊だった。
    「もっちゃん」を読んでいる時は進んでいく中でニヤッとしてしまったし「長持の恋」ではとても切ない気持ちになった。
    京都が舞台になっている故、歴史と巧みに絡めてパラレルワールドと言ってもよい作品もあった。
    フィクションなのだけど「実はホルモーは脈々と続いている」世界をちょっと期待してしまう自分がいる。

  • 話題作「鴨川ホルモー」の続編というか外伝。
    前作の登場人物たちの面白くもせつない(?)恋愛模様。

    僕は大抵、本編よりもスピンオフ作品のほうが好きなので、これはかなり面白かった。
    (どの作品も無理に続編を作るよりは、スピンオフとか外伝の方が圧倒的に出来が良いと思うんだけど、みんな新しいものを書きたいのかな)

    前作が少しでも楽しめた人にはオススメです。

  • 鴨川ホルモーの短編集。裏話的な。
    二人静。芦屋の元カノはあの時なにをしていたか。同志社大学はなぜホルモー参加してなかったのか(地理的理由ではなかったようだ)。ホルモー後の社会人。長持ちの恋はタイムトラベル。続編ほしいなぁ・・・

著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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