ホテルジューシー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943845

感想・レビュー・書評

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  • 大学2年生のヒロちゃんは、夏休みのバイト先として、沖縄のホテルを選択。
    最初は石垣島のリゾートでバイト生活を満喫していたが、そんな生活もすぐ終わり、那覇にある「ホテルジューシー」に移ることに。
    そこには変わり者で、二重人格の「オーナー代理」や、「てーげー」な清掃係の双子のおばあちゃんなど、個性豊かな人たちが働いていた。
    石垣島から、突然国際通りの路地に入ったボロいホテルの勤務になったことで、ヒロちゃんの気持ちはいったん下がるが、時間が経つに連れ、どんどんお客様のプライベートにも首を突っ込むことに。
    大学生の割には、大家族の長女と言うことで、いろいろ口うるさいし、考え方が年寄りみたいで、主人公に感情移入出来ず、たかがバイトの分際で他人のことに首を突っ込み過ぎるところもイラついてしまった。
    個人的に沖縄に思い入れもないのが、良くなかったのかも。
    なかなかバイトを辞めることを伝えられない姿も、本当にイラついて、世の中の社会生活はほとんどがその人がいなくなっても回るように出来ている。「自分がいなくなったら・・・」と考えること自体、私から見れば「何様」と言う感じで、このシリーズは合わないのもしれない・・・
    ま、大学生のバイトで人生のいろんな経験が出来たと言う態で読めば、いい話なのかもしれないけど、そう読み取るには私が年を重ね過ぎたかも。

  • 沖縄のてーげーな空気や人物に触れて、極端な正義感を持った主人公が、正しさは尺度にならないってことを、体感して成長していく話。
    というのはわかる。けど、主人公がどうしても好きになれんかった、、

  • 2022.12.13 読了。
    しっかり者の大学生・ヒロちゃんこと柿生浩美は友人との卒業旅行資金を貯めるため夏休みに沖縄の安宿「ホテルジューシー」でアルバイトをすることに。だらしないオーナ代理や双子のおばあさんハウスキーパーたちなど従業員も非常識に見える人たちばかり。泊まりにくるお客さんたちや那覇で出逢う人々の中にはワケありな問題を抱えた人も……ヒロちゃんのひと夏の青春成長小説。

    う〜ん、主人公に感情移入できなかった。
    同著者の「和菓子のアン」の主人公と年齢もほぼ一緒でお仕事系作品なのにアンシリーズは楽しく読めるのにこちらは何が違うのかな?と最後まで疑問に思いながら読み進めていたのだが、ヒロちゃんは自分を「しっかり者」「私がいなきゃダメになっちゃう」と自負し過ぎている感があるし、自分の考えと違うと自分からは歩み寄らず相手を変えさせようとばかりしているようにみられたし、暴力も振るうしで、なんだか「しっかり者」というより「自己満足的で猪突猛進型人間」って感じに読めてしまった。
    一応反省もしているのだけれどその上でも突っ走り気味だったし最後も「自分は楽しかった!私たちの青春は無駄じゃなかった!」みたいな終わり方に感じて、小説の途中で出てくる旅行ブログを書いて道を誤ってしまう大学生とさほど変わらないように思えてしまった。

    主人公がもっと魅力的だったら沖縄の情景を描いた部分も個性的な従業員たちのことももっと楽しめた気がする。

  • 2007年単行本刊行だと、今と違う感覚のことがあるんだなー…天候とか男女差とか、もっとデリケートな問題も。

    それから、最後まで主人公には入り込めなかった…自分自身に似たところもあるからかもしれないけれど。

  • 主人公がどうしても好きになれなかった。一人よがりで傲慢な正義を振りかざして一方的に人を説教して、しかもそれが適度に報われてしまう展開にちょっとげんなり。自分だけが正しいと思い込んだ人間は厄介だ。探偵役?の夜のオーナー代理がかっこよかったのでそれだけを頼りに読み進めた。なんともいえない沖縄の雰囲気や美味しそうな料理の描写はとても良かった。ただちょっとそれはおかしくない?って引っ掛かる展開は多かったかも。詐欺師やタクシー泥棒とか、その辺が。雰囲気はとても良い小説でした。

  • しっかり者のヒロがバイトでやって来た那覇のホテル・ジューシー。持ち前のやる気と正義感でそつなく仕事をこなすヒロだったが、那覇のゆったりした空気とホテルの宿泊客の事情などに向き合ううちにちょっとだけ変わっていく。

  • 真面目で正義感いっぱいの女の子がいろんな人と出会って「正しさは尺度にならない」ということを学んでいくお話。みんなちがってみんないい。

  • 女子大学生が夏休みに那覇の小さなホテルでバイトをし、そこで出会った人たちとのあれこれ。
    個性的なホテルの従業員とちょっと気になる宿泊客たち。それぞれのお客さんに立ち入って、自分が正しいと思う方向へ導く。それが良いか悪いかは別として。

    主人公は一言で言うと過干渉。そして、柔軟ではない。このような損得抜きの正義感みたいなのが今どき受けるのだろうか?
    なんかイマイチ。

  • 再読。主人公の正義感に昔の自分を重ねて、少々チクチクと刺される。今となっては、オーナー代理の人との距離感に親近感を感じる。物事との距離感は人それぞれだけど、主人公の真っ直ぐ向かう強さも忘れたくない。あと、沖縄料理が食べたくなる本です。

  • 卒業旅行の資金を貯めるため、夏に沖縄でバイトすることにしたヒロ。初めは周りの人にも恵まれた、居心地の良い石垣のホテルで働いていたが、いきなり異動をお願いされる。異動先、那覇のホテルジューシーは、個性豊かな従業員ばかりだった。
    個人的に好きになれないタイプの主人公(正義振りかざし系)。やらかしてるのに恋愛に頭持ってかれてるのもポカーンとした。

著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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