地獄の門 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 134
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944903

感想・レビュー・書評

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  • さすが悪魔!
    って感じだった。
    性格悪〜!

  • 殺人事件で殺され、地獄に落ちた男が転生して真犯人を追う傍ら、現世でその恋人も犯人を追うという二重構造のミステリ。地獄の設定やシステムは非常に秀逸でスラップスティック。地獄編の描写は非常に面白かった。現世での女刑事である愛も著者特有の狂気に満ちており、その心理描写は上手い。ただ、地獄編の主人公である良太が一貫して現世に残してきた恋人の名前を出さなかったことと、愛の父親が婿入りという時点で、作品の大掛かりな仕掛けが粗方読めてしまったのは残念極まりない。理不尽を得意とする著者だからこそ、消去法で最も理不尽な可能性を考えたら容易く行き着いてしまう。ホラー寄りのせいか、ラストの悪魔の一人語りも理不尽を通り越して滑稽で、やや理屈に合わない感じもする。この辺りはまだミステリのロジックとホラーと著者のテーマである理不尽さが噛み合っていない所かもしれない。ネタは面白く、統合性も取れてはいるが、当初想像していた二重に追うミステリよりも、やや尻すぼみに終わってしまった。

  • さらっと読めるミステリ。
    軽く読める分深みに欠ける印象。どんでん返しもさほどどんでん返えってないかな~。

  • 途中から展開も結末もわかってしまうが、勢いのある文章なので読める。

  • 殺害され地獄に落とされそこで転生し犯人への復讐を決意する男と、恋人を殺され犯人への復讐を決意する女性警察官の二つの世界の様子を描く小説。

    妙に現実的で理にかなっている地獄のシステムや、ところどころで見られる主人公の語りが独特のブラックユーモアがあって面白いです。また改行や句読点の使い方など文体も独特で今まであまり味わったことのない読み口を味わえました。

    登場人物たちが何かしらの謎を持っていて、なおかつその答えが彼らは分かっているのに全然読者には明かしてくれません(笑)それが気になって先に読み進めてしまうのですが。

    ホラーと言うよりかは舞台設定の特殊なミステリーといった感じ。伏線が分かりやすかったので、先読み出来てしまったのが残念でしたが、発想がこの作家さんらしく一味違う感じがして良かったです。

著者プロフィール

1982年、静岡県生まれ。『バイロケーション』で第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

「2010年 『バイロケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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