日本語をどう書くか (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044006099

作品紹介・あらすじ

日本人は二つの日本語を使い分けている。古来受け継がれてきた日常の「話し言葉」に対し、外国文化を直訳し理解するために作られた人工の「書き言葉」。よい文章を書くには、その決定的な違いを知ることが不可欠だ。句読点や段落の切り方、語感の豊かな言葉選び、文末語の変化が生み出すリズムや余韻――。言文一致という幻想を疑い、ホンネとタテマエの文化的二重構造に切り込む。近代日本語の誕生から解き明かす異色文章読本。

感想・レビュー・書評

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  • たまたま、「デカルトはそんなこと言ってない」という本のタイトルが誤訳で、「言ってなかった」が正しい、というAmazonの投稿レビューを見ました。

    しかし本書によれば、それは西洋の基準に照らした間違った考えです。

    日本語は過去形、現在形、未来形では無く、確定された状態か未確定の状態か、の2つで表現します。

    学校で習った文法がいままで常識と思っていた人には目から鱗の内容かも

  • 本当に凄い本だ。
    我々は日常的に日本語を話したり書いたりしている。
    その日本語は一体いつから今のような形になったのか。
    その答えが明確に記されている。

    当たり前のように使っている句読点や段落が、実は比較的最近になって使われ出したことを知る。
    そして当たり前過ぎて「考えもしなかったこと」を知った。

    巷では常識を疑えなどと言われることがあるが、当たり前を当たり前に思わない難しさを改めて思い知らされた。

    「日本語をどう書くか」
    このタイトルを見て期待した内容でなかったが、予想を遥かに超える知性に触れられて、日本語とは何かという視点が得られたと思う。

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著者プロフィール

1928年東京市生。東京大学教養学部教養学科卒。元桃山学院大学教授。著書に『翻訳語の論理』『文体の論理』『翻訳とはなにか』『翻訳文化を考える』『日本語をどう書くか』『秘の思想』『近代日本語の思想』『未知との出会い』『日本の翻訳論─アンソロジーと解題』(共編著)(以上、法政大学出版局)、『翻訳の思想』(ちくま学芸文庫)、『比較日本語論』『翻訳学問批判』(日本翻訳家養成センター)、『翻訳語成立事情』(岩波新書)、『現代日本語の発見』(てらこや出版)、『「ゴッド」は神か上帝か』(岩波現代文庫)、『一語の辞典─文化』『一語の辞典─愛』(三省堂)、『翻訳語を読む』(丸山学芸図書)ほかがある。

「2017年 『近代日本語の思想〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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