角川つばさ文庫版 聖の青春 病気と戦いながら将棋日本一をめざした少年
- KADOKAWA (2016年10月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046316592
作品紹介・あらすじ
元気いっぱいのこどもだった聖が、難病のネフローゼだとわかったのは、5歳のとき。
小学校にも通えず、病院のベッドの上ですごすしかなかった。
なかよしの子が亡くなることさえ、めずらしくない生活。
けれど聖は「将棋」という夢を見つけた。
「命をかけても、ぼくは名人になる!」
12歳で中国地方ナンバー1となり、13歳でプロ棋士に弟子入りした聖だったが!?
病気と闘いながら夢をおいかけた少年の物語!
感想・レビュー・書評
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自覚なくこの人と同時代を生きいていた事が惜しく感じられた。
不幸とは、魂を燃やさず生きることではないのか。その点では幸福な人だったのではないかと思った。神様から与えられたものを、余すところなく燃やし尽くして生きた人だったのだと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イラストが可愛いという理由だけで角川つばさ文庫版を購入。
村山聖という棋士の人生は「驚きものの木20世紀」の頃からずっと頭の隅っこに存在していた。
勝手な想像だが彼にとって名人はもうどうでもよかったのかもしれない。
「僕は谷川さんや羽生さんに立ち向かう僕が好きなんです」とか天国から言ってそうな気がする。 -
ちゃんと生きたい。
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甥っ子がなんとか本を読んでくれないかと思い、チェックの意味を込めて読みました。
原作はかなり前に読んだことがあり、感動しました。それのジュニア版ということですが、文章の作り自体は変わってないと思います。ただ、村山が「女を抱きたい」と言った部分や、酒や麻雀についての一部分がカットされています。たぶん。
全編にルビがふってあり、ジブリ風の挿絵もあり(ちなみに村山も、その師である森も似ても似つかぬ絵ではあります)、子どもでもおもしろく読むことはできると思います。また、村山聖自身の独特の子どもっぽさも共感しやすいでしょう。
言うまでもなく、最後は村山聖の死によって話も終わるわけで、少なくとも小学校の高学年以降あたりの年を迎えた子が読むのがいいもしれません。 -
夏推薦(2019年度)
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子どもが関西将棋会館で時間待ちの間に読んで、その時は読み終わらなかったが、どうしてもあの続きが読みたいと図書館で借りてきた。私もかつて違う版を持っていた。10年以上ぶりに読んだ。
何度読んでもじわっと来てしまう。
主人公の純粋さや人間臭さや周りの人の温かな世界。
また、いつか読みたい -
子供が学校の図書館から借りてきた。その日は偶然にも村山聖さんのお誕生日、6月15日。何という本との巡り合わせかとただ驚く。五歳の頃から病気と闘い、病院での生活、昨日まで一緒に過ごした友達が次の日には会えなくなるという、死と隣り合わせだった日々。そんな時に将棋と出会い、プロ棋士を目指す道のりは決して平坦ではなかったと思うが、聖少年は諦めなかっだ。師匠との毎日の日々の描写は何気ないことひとつひとつに愛情が溢れていた。羽生さんや谷川名人との対局の描写も手に汗握った。
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「聖の青春」ーつばさ版、出ました(漢字にルビをふり、文章もやや、やさしくしてあるようです。ちゃんと比べてないけど)。
当時何冠も取って飛ぶ鳥を落とす勢いだった羽生善治氏を何度も破っていたこの西の怪童、村山聖(さとし)氏が「三月のライオン」のなかにでてくる二階堂君のモデルだと思われます。
小さいときにネフローゼになり、ずっと病気と戦いながら将棋をさし続け、ネフローゼだけでなく癌にもなり、29歳で亡くなった伝説的な天才棋士でした。
今回は映画になったので、つばさ文庫にも入ったようです。
2016/11/21 更新