戦国大名・伊勢宗瑞 (角川選書 624)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047036833

作品紹介・あらすじ

「北条早雲」の名で知られる後北条氏の初代・伊勢宗瑞は、「戦国大名の魁け」「下剋上の典型」「大器晩成の典型」などと呼ばれてきた。しかし近年、新史料の発見により京都や東海、関東における政治状況についての解明が進展し、その人物像は大きく書き換えられた。北条氏研究の第一人者が、最新の研究成果をもとに、新しい政治権力となる「戦国大名」がいかにして構築されたのかを明らかにしつつ、伊勢宗瑞の全体像を描く初の本格評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 伊勢宗瑞はセンゴクだったり新九郎奔るといった漫画のおかげで理解が深まっていたけど、改めて学者が出した本を読んで大いに勉強になった。
    幕府奉公衆の時代や駿河への下向と今川氏親の後見、幕府のお墨付きを得ていた足利茶々丸の討滅と伊豆の攻略、小田原城の攻略や家臣編制、両上杉家との対立、三浦家の討滅と鎌倉支配、伊豆七島の支配や相模の領国化、上総の真里谷武田家との関係などなど。

  • 今川氏親の後見人という立場で色々、動いていたという事や拠点が石脇城という事など初めて聞いた話が多かった。勉強になった。

  • 伊勢宗瑞(いわゆる北条早雲)の評伝。その生涯を追うと共に、家臣団の形成過程や、領域支配の経緯なども研究成果を元に詳述されている。今川家との関わりの深さや、伊豆・相模経略の経緯、伊豆諸島支配の展開など興味深い点が多かった。

  • 小田原北条氏の初代伊勢宗瑞の一代記。戦国大名として著名だが、あまり知られていない生涯を、実証的に記述している。

  • 北条氏研究の第一人者による北条早雲=伊勢宗瑞の評伝。
    第一章 伊勢宗瑞の登場    第二章 伊豆経略の展開 
    第三章 伊豆国主となる    第四章 相模への進出
    第五章 両上杉家への敵対へ  第六章 相模の領国化
    第七章 政治改革の推進
    主要参考文献有り。関連年表有り。
    家系図、地図、古文書の画像等、適宜有り。
    応仁の乱の余韻を残す室町幕府にいた、伊勢宗瑞が駿河今川家の
    一員となり、後見役として働いた後、領国を持つ領主へ、
    更に伊豆国主、そして相模も領国化して大名となるまでの評伝。
    数少ない史料、発給文書や書簡、本(後世のものも)を
    整理・整合し、推測して詳細に説明しています。
    幕府直臣の立場での下向、今川氏との関係、
    古河公方や堀越公方、扇谷上杉氏、山内上杉氏との関係の複雑さ、
    足利茶々丸との戦い等、室町時代から戦国時代への抗争の転換の
    状況が窺いしうる内容でもあります。
    戦乱に明け暮れる日々を送りながらも、家臣団の構成と統制、
    寺社への配慮、検地や租税、目安制などの百姓や村民への対応等、
    目配りや気配りも欠かせず、領国を支配した才覚は、
    まさに「天下の英物」であろうと思いました。

  •  小田原北条家の始祖となる北条早雲の物語である。 戦国の幕開けともなる時代で限られた資料のなかでとてもわかりやすくストーリーが構成されています。
    伊勢宗瑞が今川氏親の後見人として今川家を盛り立て、伊豆一国を納めたあとに相模の西部の小田原城の大森家を倒して相模の国を領国として成り上がっていく戦国時代の魁とされる。
    ここでの重要な役者としての扇谷上杉・山内上杉と古河公方、堀越公方との関係は複雑であり、それだけ戦国時代の人間関係、領域権力問題など悩める要素がたくさんある。  そしてその納めた領土をどのように支配、運営していくかなども斬新であり興味深かったし、実はかなりの倹約家であるとは意外であった。  これから伊勢宗瑞のゆかりの地に訪れるにもこの一冊を読めばより深くその地を楽しめるのではないでしょうか

  • 最初期の戦国大名・北条早雲こと伊勢宗瑞がいかにして伊豆・相模二か国の大名となっていったかを数少ない史料(だが”初代”にしては残存しているほう)をもとに詳細に解説。今川氏に嫁した姉・北川殿の生んだ今川氏親を盛り立てるため関東に下向した宗瑞が、今川家の名代として遠江方面に活動しながらも東の両上杉家と角逐していった結果、配下に加えて行った地元の国衆を越えて村落の言い分を聞く新たな支配体制を確立する独立した勢力となった。

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著者プロフィール

1965年、東京都に生まれる。1995年、駒沢大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、駿河台大学法学部教授。著書に『中近世移行期の大名権力と村落』(校倉書房、2003年)、『戦国大名 政策・統治・戦争』(平凡社新書、2014年)、『百姓から見た戦国大名』(ちくま新書、2006年)など。

「2021年 『戦国「おんな家長」の群像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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