- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047260764
作品紹介・あらすじ
中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
感想・レビュー・書評
-
まず、『乙嫁語り』は『エマ』の森薫さんの新作マンガで、今回の舞台は中央ユーラシア付近と思われる土地での遊牧民の生活です。
すんごい簡単に言ってしまうと、12歳のカルルクに嫁いできた20歳という年上のアミルを巡る話です。
この物語の時代は現在よりも幼児死亡率が高く、平均寿命が短かったので、必然的に婚礼の年齢が低かったのですね。
とにかく、書き込みがすごいですし、隅々に心配りが行き届いている丁寧な作品だと思います。
絵からの心理描写が強く伝わってきますね。
資料の収集にも力を入れる作家と聞いていましたが、今回も相当力を入れていると感じました。
アンケートはがきまで楽しい。
ついでにもういっこ言うと、乙嫁語りの1巻が発売した頃、某書店に行ったら森薫先生のサイン会やってたんですよね。
別な店でもう買ってしまっていたので、参加できませんでしたが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウズベキスタンに旅したと言ったら是非読んでみてと勧められた久々に読んだ漫画でしたが、途中でやめられなかった。10巻一気読み。
刺繍のスザクの美しさが絵にしっかり描かれてあるし、女の子が生まれたらすぐ始める「布支度」が正確にストーリーに織り込まれていて、また行きたくなりました。
続き組待ちきれない! -
舞台は19世紀の中央アジア。
馬がたくさん出てきます。
装飾が描き込まれていて、非常に読み応えがあります。
画だけではなく、当時の文化や生活もよく描き込まれていて、読んでいて楽しいです。
正直、「エマ」の雰囲気があまり好きでなかったので森氏の作品は読まず嫌いだったのですが、たまたま試し読みで本作を読んだところ、はまりました。
舞台がアジアで、戦闘シーンあり、ほのぼのシーンありと、内容の幅が広いので、対象の層は広いかもしれません。
個人的にはやはり、アミルとカルルクのペアが好きです。
はらはらしながらも、ものすごくほんわかした気分になります。
2巻以降では登場人物も増えて、さらに楽しみです。 -
とにかく絵の丁寧なこと!本当に好きじゃ無ければ、あそこまで緻密な模様や情景は描けないと思います。
物語もまだまだ始まったばかりで、とても続きが気になって仕方が無いです。 -
年若い夫と8つ年上の嫁、ふたりが心を通わせていく姿を通して中央ユーラシア・シルクロードの文化風俗を緻密に描き出した名作。
ロマンいっぱいときめきめいっぱい!「エマ」でもそうでしたが、この作者の愛と情熱のすさまじさを画面から感じます。そういう暑苦しさ、好き!
絵による精緻な描写がキモ。「漫画である」ことに必然性がある作品。(例えば小説化したとしたら、これほど支持はされないでしょう。)-
「絵による精緻な描写がキモ」
ホント素晴しいですよね。衣装とか見ているだけで眩暈がします。。。「絵による精緻な描写がキモ」
ホント素晴しいですよね。衣装とか見ているだけで眩暈がします。。。2012/10/22
-
-
絵の書き込みがすごく、見ているだけで幸せになれる本。
遊牧民族を書いた漫画は少ないのでは?
1〜5巻、以下続刊。 -
舞台は19世紀、カスピ海付近の中央アジア草原地域。遊牧を止め街に定住するエイホン家の少年カルルクの元に、アミルという名のお嫁さんが嫁いできます。しかしこの時カルルク12歳、アミル20歳。年齢差、体格差などから、読んでいる方としても「ちょっとこれは無理があるのでは…」と一瞬戸惑う。が、読み始めた所あっという間にその懸念は消え、その世界観に引き込まれてしまいました。
馴染みの無い異文化のお話なのに、読み進めるのが全く苦痛ではないのはその画力と絵の美しさ故でしょうか。民族衣装や絹織物、装飾品の飾り物が細かく、素人目からしてもクラっときてしまうくらい緻密。徹底して書き込まれています。この時代この地域を舞台とした作品は大変珍しいのではないかと思います。マニアックとも言える程にこのシルクロード時代のこと、家族の面々、日々の生活が丁寧に描かれる。
子供ながら聡明で落ち着いたカルルクと純粋で初々しいアミルのやり取りは見ていて微笑ましい。1巻ではまだまだ2人は夫婦というよりもパートナーといった感じだけれど、当事者のカルルクとアミルが決して急がずお互いを尊重し合っている。
アミルは天然でありながら殆どの事をソツなくこなし、弓を使った狩りの腕が一流にも関わらず恥じらいがちな乙女という、不思議な魅力の女性。森先生はアミルに関して「明日死んでも悔いの無いキャラ作り」をしているそうで。エマにも通じる森先生作品独特の、純朴なのに時折ハっとするほど色っぽい女性は何なんでしょうか。
またこの乙嫁語りで「末子相続」という制度を初めて知りました。相続品としての物質的財産が多い、遊牧民社会ならではの制度ですね。