ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (2)
- KADOKAWA/エンターブレイン (2012年11月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047284807
作品紹介・あらすじ
原作者から権利を取得した翻訳チームにより、Twitter上での翻訳連載が開始された「ニンジャスレイヤー」。強烈な言語センスを忠実に訳した翻訳は「忍殺語」とも呼ばれ、中毒者を生み出し続けてもはや相当に凄い。「マルノウチ・スゴイタカイビル」「実際安い」「Wasshoi!」「古代ローマカラテ」といった超自然単語群が読者にニンジャリアリティショックを引き起こしてしまうのだ!ツイッターでついた火が、いま炎となる。走れ、ニンジャスレイヤー、走れ。正体不明のニンジャ小説。
感想・レビュー・書評
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そして二冊目。というか、書店にこれしかなかったので、最初にこちらを購入したのですが。
他のレビューでも絶賛されている「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」、ヤモト=サンとシルバークロウのエピソードが普通に名作で泣いた。ネタ小説だと思って手にしていたので、背後からのアンブッシュにもほどがあったというね……。
ただ、個人的に一番気に入っているのは、初邦訳エピソードの「パンキチ・ハイウェイ・バーンナウ」。
ニンジャでもカラテカでもない(スゴイ級のハッカーは出てくるけれど)タダの人が、相手を思いやってそのために決死の行動に出る ーーー そのエイユウ的行為が報われることはほとんどないけれど、でも、やっぱりそういう物語が私はとても好きなようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニンジャが出て殺す!
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Twitterで大好評連載中のサイバーパンクニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』待望の第2巻!
1巻に引き続き、既存のアトモスフィアを維持しながらに、さらにマッポーのニンジャ世界観に磨きをかけている。
重篤なニンジャヘッズにはもちろん、ニュービー・ニンジャヘッズにも解りやすいような奥ゆかしい配慮が要所要所になされていて、読めば読むほどニンジャスレイヤーの世界に引き込まれる。
ニンジャを殺すニンジャ、「ニンジャスレイヤー」となった主人公フジキド・ケンジ。現れるニンジャを殺すうちに、ネオサイタマを影で操る存在が徐々に明らかになって行く。人々から無慈悲な搾取を続ける暗黒メガコーポ。謎に包まれた革命組織、「イッキ・ウチコワシ」。その身に七つものニンジャソウルを宿した恐るべきニンジャ、ラオモト・カン率いる「ソウカイヤ」。そしてそのラオモトの懐刀であり、ニンジャスレイヤーと並々ならぬ因縁を持つ寡黙な暗殺者「ダークニンジャ」。敵は強大だが、協力者であるジャーナリスト「ナンシー・リー」の存在が実際心強い。
妻子の復讐を果たすため、戦え!ニンジャスレイヤー!戦え!
また、書籍だけの特典である、ニンジャスレイヤーの公式絵師にしてニンジャヘッズであるわらいなく=サンのヤバイ級挿絵、さらになんと登場ニンジャ全てが収録されている巻末のニンジャ名鑑も必見だ。
さらにさらに、初翻訳エピソードである『パンキチ・ハイウェイ・バーンナウト』も書籍でしか楽しめない珠玉の短編である。
壮大なニンジャスレイヤー・サーガはまだ序章に過ぎない。
全てはニンジャなのだ。備えよう。 -
20180730 読破
柄にもなく夏バテ気味だったせいか、
複数の本を並行読みしていたせいか、
2巻目も読み終えるのにかなり時間がかかった。
1巻は意地で読み切り、
この2巻目はホロリとしつつ根性で読みきった。
よ、読むの辛い。ここでリタイヤか、4巻まで完読できるのか…疑問。 -
Wasshoi!!!
なんかクセになってきた。まともに受け止めると笑いの発作が止まらなくなるか、チベットスナギツネみたいな顔になるけど。
ラオモト気になる!シルバーカラス格好いい! -
だから古事記って、一体何なんだよっ!
ふう。
2巻でもまだ飽きない。これはやはり好きかもしれない…。
珍妙な中にも、一瞬の間とか雰囲気とか素晴らしいかったり。あと、これはもう決定事項ですが、おじさんと少女は良い!
今回気に入ったとこ。
「スガモ重犯罪刑務所は満員だぜ!」
…一応日本人がこれを言っていると思うと何とも愉快な。
「あなたのあたまはばくはつしそうではないですか」
…はい、もうその通りです。 -
物語に引かれたのはこっちの方が強い。スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ。この一話を読んだだけで、この本の元はとれたと感じた。どんな人間にも意味がある。そして何かを伝えるそんな物語に弱いのだ。終わりも良い。託された新たなニンジャに幸あれ。
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この巻でのお気に入りは「ア・カインド・オブ・サツバツ・ナイト」
初見ではそこまで印象には残らないかもしれないが、読めば読むほど深みが分かる。
悪の組織の戦闘員がヒーローに倒される、それだけの予定調和な、本来なら触れられるまでもない、タイトルの通りのごくありふれた夜。
それだけにレオパルドが最後に残したハイクは重いものがある。彼は看板の文字を繋げただけのハイクと爆発四散痕以外の何かを残すことが出来たのだろうか。
もはやこれは新たな文学と言っていいだろう。