- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047285286
作品紹介・あらすじ
漫画家デビュー以来ずっと描くことができなかった自身の母親との関係に著者がついに向き合った。歌川たいじが苦しみながら描き切った渾身のコミックエッセイ。
感想・レビュー・書評
-
ずっと探していた漫画です。手記のバージョンは読んでいたのですが、やはり漫画の方で読みたいと思って探していたのです。古本屋でようやく見つけたので購入、早速読了しました。
胸が打たれます。「人に寄り添う」ということほど、シンプルかつありふれたことのようでいて、現実には難しいことはないのではないでしょうか。密着しすぎると「押し付けがましい」「ベタベタし過ぎだ」と反発されるし、かと言って距離を置きすぎても「冷たい」「一緒に居る気がしない」とクレームが来る。
難しいからこそ、本気で寄り添ってくれる人に「奇跡」のようなものさえ感じてしまうのだと思います。ばあちゃんにしろ、大将夫妻にしろ、キミツにしろ、ツレちゃんにしろ、本当に歌川さんに寄り添ってくれた人なのだなぁということを感じます。
手記の方では省かれていたりうまく伝わりにくい部分も、漫画であるということもあってかこちらのほうがよく伝わってきます。虐待、いじめ、太っていることへのコンプレックス、両親の離婚、自身がゲイであること……。自分のことを愛せないということもそうですけれど、「自分が愛されない」ことのつらさは尋常じゃなかったのではないでしょうか。
そのつらさを抱えながらも、一番愛して欲しかった母親に最後まで寄り添おうとした歌川さんの姿には、本当に尊敬の念が湧いてきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画化されている事からこの本を知って読んだ。
思っていたより虐待の描写は少なくて、周りの人達の温かさや本人の強さが際立つ作品だった。
色々な人がいて、それぞれ色々な環境の中で育ってきたんだろうけど、どんな環境にいても開き直って前を向いて生きていけばどうにかなるのかもしれない‥と思った。 -
映画化の知らせを聞き、再読。
p.105
母から逃げることはできても
記憶からは逃れられないのなら
傷が全部誇りに変わるような
新しい記憶を作るしかないのだ。 -
大人気ブロガー歌川たいじ氏の著書。
-
タイトルのとおり。なんというか、たまりません。
たいちゃんはどうして、そんなにまでお母さんを好きなんでしょうか。
時には理不尽な理由で叱ってしまったり、つきはなしてしまったりする修行の足りない母親として、また、たいちゃんと比べることはできませんが同じようにあまり大事にされずに育った子どもとして、読みました。
それでもなお、愛にからめとられているからこそ、たいちゃんは苦しみ、病んでしまうんでしょうか。私には真似のできない結末でした。
おばあちゃんは、本当のおばあちゃんではなかったんですね。おばあちゃんの愛こそ、本当の愛なんでしょうね。
願わくば、全ての子供たちに、おばあちゃんのような存在があらんことを。
私ですか?ええ、いましたとも。、、、そして、ありがたいことに、今も。
母の日に、何もなかった夜中に、気になってアマゾンで買った本、その1。 -
漫画ではなくエッセイ、もしくは自叙伝のような文章で表現した方が深く丁寧に発信できる内容だと思った。
ところどころにピースになる言葉があるのだけど、全体的に浅くまとめてしまっている印象。もっと面白く描けるのにな、と思った。 -
漫画 やブログを書く著者について何も知らず 先入観なく読むことができた。正直絵がとても下手で、おどろおどろしい
。それが読み進むうちに本人の環境や内面を表す絵なんだなっと思えた。
読書のキッカケは生活困窮の相談に来る人々の生育歴をきいて、強烈な苦しい 寂しい 厳しい過去がどれほど 現在を固定してしまうのか、絶望感をおぼえたから。人とかかわることそして 愛情の大切さを真実とできるかどうか自分の価値観にもかかわることだ。
真実と希望を見いだしたいという思いだった。それに対し 見事に答えてもらえた作品だった。
著者の自叙伝コミック エッセイである -
途中泣きそうになって電車内で全部読めなかった。
気づいた方から変わる。わかるけれどなかなか実行しにくいこと。 -
たいちゃん自身で切り開いた環境で、
良い人たちに巡り会えてよかった。
辛い目にあっている子供たち
みんなに読ませてあげたい。