- Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047350700
作品紹介・あらすじ
ウルナ・トロップ・ヨンク…狙撃手として、戦場で生きると決めた彼女。過酷な戦争の時代を生きる女たちの、胸引き裂かれる悲劇をえぐり出す、圧倒的SF巨篇、復員したウルナを襲う衝撃的運命を描き出す、第5巻。
感想・レビュー・書評
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カバーの絵と、カバーを外すと現れる絵が描き出すもの…。
境遇や価値観を超えて育まれる愛と、
愛情では、愛情ゆえにどうしようもないすれ違い。
直接的な戦いが描かれるわけではないけれど、
それぞれの心が抱えた愛憎が齟齬が
ひしひしと伝わってきて、哀しくてたまりません。
ふたりの運命はこの先どうなるのか、
故郷の街を震撼させている殺人事件は
本当に彼の手によるものなのか。
完結まで残すところ2巻。目が離せません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018-3-29
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トホマの正体を知ってしまったウルナ、それでも受け入れ、求め合い、一体となったと思ったときに、戦火が忍び寄り、人々は疑心暗鬼に。その矛先はよそ者へと向けられ…。黙って一人去るトホマ。残されたウルナは…。誰が悪いわけではない、そういう側面もあるが、やられたものが許しとともに言うならともかく、やったほうがいうのはな、というシーンもありつつ。また、記憶するものがいなくなれば、無かったことにされてしまう悲しみも。
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ヅード族を殲滅しようとしたのは、その文化ゆえに受け入れ難かったからだろうか(禁忌とされる風習があった為)。トマホの夜に巣くう闇は、最期の一人になってしまった怒りと憎しみと絶望から生まれているのか、それともヅード族が持つ本質から来るものなのか。彼の怒りや憎しみは筆舌に尽くし難い。ウルナに対する復讐のやり方もこれ以上ないと言う程に残酷なものである。が、一兵士として赴任し、任務を果たしていただけのウルナが女性であったからこそ、こう言う復讐を考えられるわけで、憎しみを越えて二人が愛し合っているとしても、今は失きヅードの故郷の風景を記憶するたった二人の人間だったとしても、トマホの行為は女性性に向けられている攻撃に思えてしまうのだ。ウルナは「罪悪感」からトマホの欲望に逆らえない、これはDVを行う相手への服従に他ならない。
人それぞれ、読み方は様々だろう。が、この部分への「女性搾取」さえも「物語」としてしまう描き方には嫌悪感を抱いてしまう人間がいると言う事を解った上で描かれているのであればいいのだが。