世紀の相場師 ジェシー・リバモア

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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047913714

感想・レビュー・書評

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  •  今までに急変する相場の波に乗ったことは二回ある。

     ちなみに、俺はいつもインデックス銘柄によるドルコスト法でポートフォリオを組んでいる。
     ダウのブルベア・日経ブルベア・金・Jリート・あとは東南アジアを数銘柄。

     一回目は3年ほど前、インドネシア株が一日で25%の急落にポートフォリオを見ていて情報が引っかかった。
     ニュースではインドネシアで地震が起きたことを伝えていた。当時の市場は世界的にジリジリ株価を上げている強気相場だった。
     これは反発する。確信して持ってた現金資産をぶっこんで次の日、相場は反発して元に戻り、底値で買った分の利益が転がり込んだ。

     二回目は先日、8月21日、前日比597円安で今年二番目の下げ幅となった。

     実は前日の20日に持っていた日本株に関わる銘柄はすべて売ってしまっていた。
     何か予感があった。毎日読んでる日経新聞は経済界の宣伝記事で景気のいいことしか書かないと思っている。
     中国のバブル崩壊が怪しいといっても日本は大丈夫、みたいな論調が常なのだ。
     が、19日の日経新聞の経済欄に「内需株に売りが始まっている」と小さい記事が載っていたのを逃さなかった。
     いつも強気なはずの日経新聞に弱気の記事が載るのは、何かがヤバい。
     たしかに、日経全体は上げ相場だが内需株は2週間ほど前から天井にぶつかってジワジワ下げていた。
     20日の朝、持っていた日本株と日経銘柄を全部売りに出して約定。そして次の日の日経平均暴落だった。

     今回読んだ本の主人公、ジェシー・バリモアは「グレート・ベア」と称され、1920年代に下がり局面での空売りに強さを発揮した。
     特に、大恐慌では空売りで巨万の利益を得たとされる。

     リバモアの投資方法は徹底的に細かく市場を調査し、上がっているか、下がっているかを見極める。
     そして、時たまチャートに現れるリバーサル・ポイントを読み、まずは現金を投入する。
     次に、株価が自分の思い通りの動きをすれば、さらに現金を投入する。
     最後に、株価の動きに間違いないと確信できたとき、全力で現金を投入する。

     リバモアは株取引には、以下の3つが重要だと考えた。

    ・タイミング
    ・資金管理
    ・感情の制御

     リバモアはこの自分に課したルールから自らが外れたときに大損して数度の自己破産に追い込まれている。

     5ドルを握りしめて農村からニューヨークに夢を追い求め、独自の直観力で市場を読み、数度の自己破産を経験しながらも巨万の富を得る。
     銀行界のトップや、さらには大統領からの要請さえ受けるリバモアは、まさに古き良きアンクル・サムを体現するような人物だっただろう。

     しかし、その最期は家庭内不和から精神を病み、銃口を頭に向けての自殺という幕で閉じる。
     金をいくら稼いでも、それだけで幸せな人生を過ごせるわけではない、という教訓になる。


     この本を読んだからといって、チャートを読み込むアクティブ投資をやろうとは思わない。
     そんなものはデイトレーダー本職かミセス・ワタナベみたいな暇人にしかできない。

     過去の偉大な投資家・投機家たちの独自のやり方というのは、知れば知るほど面白い。

  • アメリカ1929年大恐慌時代に空売りで大富豪となったジェシー・リバモアの生涯。実家は貧しい農家であるが、両親はこつこつとつつましく暮らしていた。が、そんな家に我慢できないジェシー少年は義務教育を終えると内緒でウォール街に飛び出し、株や商品取引で金持ちになったり破産したり美貌の女優と結婚したりし、ついに1929年の大暴落を当てとてつもない大富豪となる。しかし最後は自分で銃の引き金を引くこととなる。
    ありがちな話といえばそれまでだが、事実なのだからしょうがない。相場を行う上でのポイントがなかなか面白い。

  • ノウハウ本ではない。
    しかし、様々に散りばめられている金言は必ずやどんなトレーダー、投資家にも役に立つ。

  • ウォール街のグレートベアと呼ばれたジェシーリバモアの破天荒な生涯を再現したものです。

    この本には、具体的なトレード手法はありませんが、投機家として絶対に必要なメンタルの重要性について書かれています。

    これは名著です。

  • これまで何冊もの株式投資、トレードに関する本を読んできました。その中でこの本は考え方を改めてくれました。もう他の投資本、雑誌に踊らされることはなくなるでしょう。世紀の相場師ジェシーリバモアは株取引で重要なことは次の3つだと言っています。タイミング、資金管理、感情の抑制。これらは他の本でも書いてあります。しかし、リバモアがこれらが大切だという考えにいきついた過程がこの本から分かるのでより深く納得できました。
    これからの投資手法に役立てていきたいです。

  • 2013.4.3「ヘッジファンドの懲りないひとたち」で紹介されていたので読む気になる。投資手法が違うのであまり参考にならないとは思うが、読み物として面白そうなので。

  •  世に数々の相場師がいるが、1900年代初期その天才性をいかんなく発揮したリバモアの人生。巨万の富を築きながら最後は自殺したのは何故だったのか。人の自殺に対して、その理由をいろいろ推察しようとするが、結局あるタイプの天才というのは恒星のように才能を燃焼させると自ら破壊する運命にあるのではないかと思う。それは生の燃料や意味を完全に使い切りたいという熱情と希望通り使いきったあとに残る自己の残骸観があるからでないかと思う。
     我々凡人は、その才能を使い切ることもないが、使い切ること無く燃費する生き方故に無駄に長生きしているに過ぎないのかもしれない。

  • 「突撃小僧」「ウォール街のグレート・ベア」等々ジェシー・リバモアには様々な呼称があるが必ずしもリバモア自身は突撃しているわけでもなければベア(空売り)だけの投機家ではない。
    まるでジェットコースターの様な浮き沈みの激しい破天荒な人生は惹きつけてやまなく誰もが魅了されるだろう
    バケット・ショップ(実際に株取引しない違法売買店)と証券市場での価格操作(出来高の乏しい資産株の買いたたき)によるアービドラージ
    1907年の怒涛の売り浴びせを慣行、暴落そして金融史に残る伝説の1日
    「グレート・ブル」アーサー・カトンとの商品相場での名勝負
    そして3度目のショート(売り)が実を結んだ(2度は信用決済日になり買い戻し)絶頂期になる1929年

    リバモアの人生はドラマチックでありその後の悲劇的な終末もすべてが学ぶことの多い人生訓である。

    投機王としてのリバモアの栄光だけでなく破産と復活、世界恐慌後のリバモアの挫折。
    栄光と挫折を含めてリバモアであるし
    すべてが正反対な性格のジェシーとドロシーは表裏一体、2人でひとつの生命体みたいなものに見える。
    ドロシーは結局「勝利の女神」であったし離婚後のジェシー・リバモアはまるで「亡霊」
    相場を張る理由すら見失った世紀の相場師はこの時点ですでに死んでいたのかもしれない。

  • 勉強になりました。

    伝記なのでテクニカルなことが書いてある本よりも私は読みやすいです。
    結構、大事なことがたくさん書いてありました。

    読んどいたら、良いような気がします。


    ああ、家族は大事にしたほうが良いですね(´・ω・`)

  • ・優れた相場師、投資家には以下の四拍子が揃っている。
     「冷静な観察力」「明晰な記憶力」「優れた係数能力」「独自の体験」
    ・投資で性向したいと思うなら、以下の感情を抑える必要がある。
     「貪欲」「恐怖」「希望」

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