- Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047913714
感想・レビュー・書評
-
伝説の相場師、ジェシー・リバモアの伝記です。個人的には『欲望と幻想の市場』よりも、こちらのほうが優れていると思っています。
投資家の中ではマスターアイテムであるエドウィン・ルフェーブルの『欲望と幻想の市場』この本につきましては日を改めて紹介するとして、実は伝記物としてはこっちのほうが好きだったりします。リバモアの波乱万丈の生涯をつづった伝記ではこっちのほうが読み応えはあると思っています。実を言うとこの本は一時期、アマゾンの中古マーケットで10万円以上の高値がついたことがありました。裏を返せばそれだけほしい人がいたということです。
今は版元がまた再販してくれたおかげで、こうして手ごろな価格で手に入れることができますが、僕も一時期は本気で10万円出して買おうかと思ったくらいですから。でも、相場師として天国と地獄を繰り返した果てに最後は安ホテルで
『私の人生は失敗だった』
と遺書を残して拳銃で自分の頭を打ち抜く場面は『切った張った』の世界で生き抜いてきた男の『業』というものを思い知らされたような気がいたしました。
残された子供や奥様の人生も不幸続きで、唯一、役者になった息子だけがまっとうな人生を歩んだそうです。こういう人間がいたんだな、ということを記憶の片隅にでもとどめて置いていただけるとうれしいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天才相場師と言われたリバモアの人生を綴った本書は、スリリングで起伏に富み相場にかかわりがない人でも興味深く読めると思います。
億万長者と破産を何度も経験し、その一生を終えたリバモアは最後には失意の中人生を終えますが、一つの事に突出した天才という人々はどのジャンルであれ、このような人生を送る方が多いように思います。
リバモアの生きた時代はかなり昔とはいえ、相場と言う欲の塊のような場所は現在もほとんど変わる事なく、今でも変わらない人間の原点を見るような気がします。 -
非公開メモ記入済
-
投機家ジェシーリバモアの伝記。マーケットを手玉に取って巨額の富を手に入れた彼も結局、自分をコントロールする事は出来ずに破滅に向かっていく。彼のマーケットに対する真摯な姿勢、ルールは参考にしなければと思います。自分がマーケットで勝てない理由がわかった気がしました。原則に従って私情を挟まない。
読み物としても素晴しく、成功と没落、華やかな舞台、あっという間に読み終わりました。 -
絶版になって中古しかないが10万までなら黙って買え!!
と友達に薦めた本である。トレーダーなら絶対に読まなくてはいけない本。
俺が投資家だった頃に知ったウォーレン・バフェット氏の100倍衝撃を受けた。
(今では投資家という道を選択した事を愚かな選択をしたと思ってる)
読み物としても面白いし何回も読み返す事で、売買ルールのヒントにもなった。
また相場観測をする上で非常に参考になったし、俺はそれを基に市場全体を監視して
資金配分を変える資金管理のルールを作った。
彼の言った事は現在の日本でも当てはまる。 彼は徹底した順張り派なので
逆張りトレーダーには具体的な手法は参考にならないが、それ以外の事はとにかく参考になる。 -
とてもタメになる本でした。
マーカーで線を引いて、何度も読み直したい!
そんな言葉が散りばめられている本です。
一番印象に残ったリバモアの言葉。
「私が全財産を失ったのは唯一、自分で自分のルールを破ったときだった」
世界に名を残す相場師も全財産を失うことをやってしまうのだ、と。
ルールを厳格に守り通すことができたからこそ、市場で生き残ることができるのだ、と。 -
世界恐慌を引き起こした男なんて言われてるひとです。けっこう字も多くて、時間かかるかなって思ったんですが、グイグイひきこまれて、一気に読み終わりました。
アメリカンドリームの光と陰がとか、どうのこうの言えるような次元を超えている人生です。 -
今を遡ること80年前、1928年の世界大恐慌のさなかに、漫然と空売りを仕掛け一人勝ちを収めた稀代の投資家ジェシー・リバモア。
彼が混乱するマーケットでどのように成功を収めたのか。
その謎を解き明かす書物。
「一般の投資家というのは、数日前の相場と比べて安ければ安値と勘違いしがちだ。現実にはさらに値を下げていく可能性がいくらでもあるわけである。賢明なトレーダーは底値が確認されるまでじっと待つ、そして探りを入れた後に、本格的な「買い」に入るのだ」
「相場は将来の状況をにらみながら変動している。その時点での状況はすでに株価の中に織り込まれているのが普通である」
「株価の急落に直面したら、警戒する必要がある。急落後に反騰しなかったら、さらに値下がりする可能性が極めて高い。なぜそうなるのかは後になってあきらかになる場合が多い」
「マーケットというものは決して割り切りのいい相手ではないし、本質的に市場参入者の足元をすくう存在であり、無為の努力を要求することをわきまえなければならない」
「損きりは躊躇せず迅速に行え。そして、手じまう積極的な理由がない限り、一層の利益広大を狙え」
「株式相場というのはしばしば、場数を踏んだ相場師の予測を裏切り、わが道を進んでいく。こんなとき大やけどを負いたくなかったら、自分の見立てを捨てなければならない。先入観を捨て、相場が伝えてくるメッセージに従わなければならない」
-以上、本書より抜粋。
さすが、50年あまり相場を張り続けただけあって含蓄に満ちたお言葉の数々。
リバモアの投資哲学は現代でも十分通用するばかりか、マーケットで退場を食らわないための重要なエッセンスが散りばめられている。
だが、幾多の修羅場を潜り抜け、相場のイロハを知り尽くしたにもかかわらず彼は破産してしまう。
そして、最後は衝撃のピストル自殺で自分の人生に幕を下ろした。
ホテルの一室で「自分の人生は失敗だった」と書かれた遺書が悲しみを誘う。
リバモアほどの相場師がなぜ晩年になって破産に至ったのか、その詳細が明らかにされていないのが気になる。
やはり、死ぬまでこの世界で生き残るのは至難の業ということか。
トレーダーとして生計を立てているのならぜひとも読んでおきたい味わい深い伝記。 -
投資を仕事として真面目に頑張ろうと思った。