「いただきます」を忘れた日本人 食べ方が磨く品性 (アスキー新書 74)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048672870

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく面白かった……! 食に興味がある私にはぴったりな新書だったわ。何気なく選んだんだけどびっくりした。

    「給食の時間にいただきますを促すと保護者からクレーム」問題はテレビで取り上げて耳にしたことがあったのですが(ちなみに世も末だと思いました。そういうクレームをだす大人がいるだなんて……自分は無知だと公言しているようなものですよね)「炊き立てのご飯の香りで吐き気がする児童がいる」問題は、もう由々しき事態ではないかと思います。
    炊き立てのご飯の香りで気持ち悪くなるなんて、それってつわりではないのか?! と思ってしまうぐらい私には衝撃でした(ちなみに私は妊娠中も炊き立てのご飯の香りは大丈夫な人でした。お出汁はダメでしたけどね)
    ほかにも
    「おしぼりの文化」(言われてみると今は遠足でおしぼりってもっていってないのかも? 見かけないもんなぁ)
    「冷凍食品は高くて当たり前」(確かに! そう考えると今の安売りしている冷凍食品がちょっと怖い……国内製造であの価格。企業の利益は大丈夫なんだろうか)
    「賞味期限対策」(そういえば我が家でも匂いや色や触れた感触で食べれるか否かを判断していました。子供ができてからは結構早めに処分してしまっていますが)
    などなど、もう本当に「そうそう!そうなんだよー!」って思ったり「なるほどなるほど。そういうことかぁ」と納得したり、本当に実のある読書タイムが過ごせました。

    ただ、作者の方はあとがきでもご自身でおっしゃっているように、「食」についてかなり恵まれた環境で育たれているので、レストランの選び方などはちょっと参考にできないところもあるなぁと思ったりもしましたが(自分なりのスタンダードを決めるまで食べ歩きはできません。金銭的に/苦笑)。

    あ、あと作者の方のあだ名がすっごい面白かったです。あとがきで吹きました私(笑)

  • ある小学校で「給食の時に“いただきます”を言いましょう」と家庭に申し送りをしたところ、「給食費を払っているのに“いただきます”を言わせるとはなにごとか」とクレームがきたそうです。この本では、本当のマナーとは形だけのものではなく、食べることへの感謝の気持ちからにじみ出る行動だということを教えてくれます。

  • 食に関してもっと深くしりたいと思った。今日から、はじめることができるのは'いただきます'と、ごちそうさまのらあいさつ。いつもお菓子を買うのではなく、つくってみる。おもてなしのあり方にもこだわりをもっていきたい!!このシリーズの本はおもしろいかも。

  • 改めて食・マナーを見直そうと思いました。
    いただきます 箸の持ち方 試食の心得など

  •  2008年初版の本ですね。
     5年も経って今さらですが、以前から存在は知っていて読みたい本リストには入っていました。今回、鯨だの子牛だの「かわいそう」という感情に基づく文章を目にしたため、「人は生きて行くためには食べなくてはならない」という昔授業で習った話に立ち戻り読んでみたいとリストの順番を上げました。
     食事の前に「いただきます」と言う意味の再確認に始まり、目にすることが減った規格外の野菜の話、賞味期限の話、試食や外食におけるマナーなど興味深く読ませて貰いました。
     私の世代(昭和42年生まれ)だとギリギリ常識の範囲かも知れません。次の世代くらいになると急速にいろいろなものが失われたのではないかと思います。職場の食堂には「ここは職員が同じ釜の飯を食う所だ」と掲げてあります。皆気付いているでしょうか。
     とても不規則な食事をしていて、当たり前と思ってしまっていました。子供のためにも、規則正しい食生活に改めようと思います。

  • 「ほんと、そうだよね〜!」と共感する部分もあれば、「あ〜!それ私のことだ!」って反省する部分も幾つかあり。食は生命維持のための原始的行動。それ故、ともすると野蛮になってしまいがち。出来る限り人間らしく、美しい食事作法を心がけたいものです。

  • 娘が国語のテストで使われたということで頼まれて娘に買い与えた本なのですが、面白そうなので私も読んでみました。食にまつわるマナーが説明されているのですが、デパートの試食をするのは購入するのが前提である等、胸に手を当てて反省しなければと思った箇所がありました。

    外国人と食事をしていても、食べ方には”品性”や”育ってきた環境、躾”等が自然に現れてしまうもので、今後の社会人生活にも活かせると思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ワインを持参した場合には「私が好きな銘柄ですが、お口に合えばうれしいです」等の一言が望ましい(p19)

    ・食事の時間は生命維持につながるエネルギー源を取り入れる時間、同じ量のエネルギーを摂取しても、そのときの気持ちによって栄養の吸収力は変わる(p27)

    ・店を選ぶときは、相手に合うようにアレンジが利く(融通が利く)がお奨め(p31)

    ・支払いの場は見せない気配りが大事で、食事が終わった時点で化粧室にたって、その際に済ますのが良い(p38)

    ・お箸を右手、お茶碗を左手に持ち上げるとして、ご飯は、いちばん手にしやすい左手前にくるのが自然、汁気のためこぼしやすい汁椀が右手前(p62)

    ・「いただきます」には、すべての食材には生命があり、その命をいただいて「生かせていただきます」という意味がある(p69)

    ・「試食すること」は、すなわち、その商品を買うつもりがある意思表示という暗黙の了解がかつてはあった、試食とは商品と消費者とのはじめての”出会い”である(p84)

    ・食べる時間や空間が満足感につながらなければ、本末転倒である(p116)

    ・店の中の化粧室は、自分の店に愛着をどれだけ持って、客を心地よくすることを大切に考えているかが無言で表現される場所である(p139)

    ・長年連れ添った夫婦は、あごの骨格が似てくる、これは同じ料理を食べ続けることによって、噛む回数や食の嗜好が合致して、あごの発達や”えら”の張り具合が似てくるため(p158)

    ・冷蔵庫は自分の胃袋のようなもの、自分の暮らしの鏡、仕事や生活の整頓ができるか否にも関わってくる(p165)

    ・賞味期限とは、検査結果により「もう食べられない」期限を見極め、そこから半分を期限に設定していることが多いので、賞味期限を過ぎても美味しく食べられる(p176)

    ・食べる回数が一定でないこと、決まった時間に毎日食べていないことが問題(p189)

  • 食べ物に感謝し生きることの大切さが分かります。

  • 食べること=生きること

    「食べる」ということについてどう向き合っていくべきか、考えさせられた。子どもたちに話してあげたい、伝えてあげたいことがたくさん見つかった!

  • お金を払っているのに、「いただきます」と言うのはおかしいと学校にクレームつける親がたくさんいるって本当だろうか。。本の題名のいただきますの話はほんの少しで、食べ物に対する日本人の心構えについて著者の考えを書いている。著者が言うように、生きる基本である食の乱れを直す事で、いろんな事が変わっていくような気がする。

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著者プロフィール

小倉朋子(おぐら ともこ)
(株)トータルフード代表取締役。フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。トヨタ自動車㈱、国際会議ディレクター、海外留学、ホテル&フードコンサルタントを経て、「ようやく天職に」と食に一本化。先祖代々にわたり、食を大切にする環境に育つ。世界各国の正式なテーブルマナーと、幅広く食を学び生き方を整える「食輝塾」主宰。飲食店や企業のメニュー開発、フードコンサル業ほか、トレンドにも精通、各種食関連委員など。文化から最新情報、ダイエットまで精通した食のスペシャリスト。
テレビ、ラジオなどメディアにも多数出演し、美しく凛とした食べ方を推進すべく活動している。日本箸文化協会代表。 著書に、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『やせる味覚の作り方』(文響社)、『メニュー開発論』(創成社) ほか多数。

「2023年 『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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