硝子のハンマー

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735292

感想・レビュー・書評

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  • 事件そのものはなんてことのない感じだったのに、
    追ってみたらすごかった。
    Ⅰ章でのあらゆる可能性を考え抜いた
    推理のあとの真相にはまんまとやられました。
    セキュリティをかいくぐりなから密室殺人を行う、
    犯人側のストーリーが面白かったです。
    そのうえ防犯に関するうんちくや、
    後半の犯人視点からの描写なども良かったと思います。
    タイトルの意味やダイヤモンド゙の妄想に
    とりつかれた人たちの心理に妙に納得してしまいました。

  • ドラマでもこの設定あったよね〜。
    なのに誰が犯人なのか全然想像つかず。
    人から逃げて生活するというのは落ち着かないと思う。それを一発逆転に向けて悪のほうへ傾いてしまったとは……。
    社長を殺さなければ、スカッとした物語で良かったかも。
    しかし、純子と径との組み合わせが絶妙。

  • それなりにおもしろかったんだけど・・・トリックがどうなんだろう・・・

  • 榎本初登場
    密室の社長室で殺害したのは、ビルの窓拭き業者
    介護ロボットで社長を窓際まで運ばせ、外からボーリングのボールで殴る
    社長が隠していたダイアモンドは家具の底

  • 耳慣れない専門道具の名前、機械やガラスの構造などは理解しきれなかったが、あまり細かい事に拘らずに読み進めても楽しめた。
    前半は話の進め方に焦らされたが、後半に入ってからはもぅ一気。そう繋がるんだ...と前のページを読み返したり。
    犯人の境遇があまりにも救いがなくて肩入れしそうになってしまう。窃盗だけにしていれば完璧だっただろうに。殺人の追加を決心するまでに追い詰められていく様や、良心の声に揺れる心の動きが丁寧に描かれていると思った。
    主要キャラも魅力的でテンポも良い。ドラマは見てないけれど、続編も読みたいと思う。

  • 防犯コンサルタント榎本径と弁護士青砥純子のコンビの第一作。

    前半、仮説をたてては頓挫しの一進一退のジリジリした展開から、後半になり、犯人とおぼしき人物の一人称語りに移ったとたん、ストーリーが一気に進み出す。

    前半はやや我慢を強いられるが、後半になったとたん本から目が離せなくなる。
    たしかに、トリックはわかりにくい部分もあるが、それを補って余りあるほどの勢いがあり、主役二人の魅力とあいまって、完成度の高いミステリーと言っていいだろう。

  • 密室の完全犯罪を解き明かすオーソドックスな設定だが、
    キーマンである鍵屋と女性弁護士のやりとりが小気味いい。

  • 介護サービス会社の社長の撲殺死体が発見された。死体があったのは、頑丈なセキュリティサービスに守られた密室に見えた。隣室で眠っていた専務が疑われ、専務の弁護士となった青砥純子は防犯コンサルタントの榎本径に密室の謎を解明するよう依頼する。

    これが2人の初めての出会いだったんだね。こんな分厚い本を前後編2話にまとめるってさすがだね。キャラや設定は変えていいが、トリックだけは変えるなと作者が言ってたのがわかるような緻密なトリックだね。

  • ドラマを見ていたのでどのように殺人を行ったのかなんとなく分かったけども、
    見てなかったらついていけなかったと思う(笑)
    でも、ドラマの榎本より、原作の榎本のほうが人間臭くて好き。
    青砥さんを食事に誘うのとかやってほしかったなぁ。。

  •  実は大野智主演でドラマ化されるまで存在を知らなかった。
     映像化しやすいというか、文字でエンタテインメントの先を探った意欲作という印象。何より全てが密室事件と言うのがミステリーファンにはたまらないのではないだろうか。
     本作に続くシリーズは、確かに作者が公言しているように、元々他の話のトリックとしてストックしていた物の断片と言うので話の展開として目新しいものは無い。
     だが、それでも「密室」というひとつの設定の中でこれほどまでにバラエティ豊かに広げられるという所に、貴志佑介という作家の度量の広さがうかがえる。
     その先駆けともいえる本作は、それを見事に昇華させた一冊と言っていいのではないだろうか。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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