星に降る雪,修道院

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 196
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738385

作品紹介・あらすじ

男は雪山に暮らし、地下の天文台から星を見ている。死んだ親友の恋人は訊ねる、あなたは何を待っているの?岐阜、クレタ。二つの土地、「向こう側」に憑かれた二人の男。生と死のはざま、超越体験を巡る二つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • どっちも亡くなった人を思い出す話だった

    神岡 カミオカンデ、高山… 知ってる地名がでてくる「星に降る雪」
    クレタ アレクサンドリア、 ギリシア語 なんとなくしかわからない 「修道院」

  • 「スティル・ライフ」を読み終えて以来、久しぶりの池澤夏樹さんの小説でした。
    「星に降る雪」は日本が舞台、「修道院」はクレタ島での出来事が舞台ですが、どちらも一歩間違えればドロドロのお話になりそうなところが、そうならない少しメルヘンチックで儚くて少し悲しい物語でした。

  • この作者3作目。かな?

    ちゃんとお話があって好きです。
    修道院のほうが、印象的だったかな。
    普通の世界を描いて、なお何か印象を残すのが、いいなぁと思います。
    この作者さんは、多分、もっと読んでみると思います。

  • 雪の描写が北海道の光景を思わせる。さすが道産子。
    修道院、他の作品とずいぶん経路が違う。

  • 2011.7.22  静かなトーンでも退屈しない。情景が想像しやすいかんじ。2つとも良かった。もっと読んでみたい。

  • 池澤夏樹の小説ってこんなんだったかな。純粋で自分勝手な男友達といる錯覚に陥る。修道院は寓話っぽくてしばらく世界にひたれた。主人公が村に行くまでのダラダラした夏休みがいい。

  • 図書館にて


    星に降る雪、修道院ともにとても好きな作品。

    前者は、自然の前につつまれて行きている人間の、肌のぬくもりが感じられる。
    後者は、「罪と償い」について美しく書かれている。

  • 男の人は成熟すると、“遠くなる”ような気がします。

    その魂に贖罪を背負わざるを得なくなった二人の男たちはそれぞれに“向こう側”を希求し、この世から離れた精神の境地での救いを求める、女たちはこちらがわで地に足をつけて己の肉体で確かな何かを得ようとする。
    人は生きるためによすがを必要とする生きものであり、そしてだからこそ贖罪、というある意味で幸福な生き方があるのだな、などと考えながら読み終えました。
    なんていうか…男の人はずるいような気がする、のは私が女だからかしら。亜矢子の感覚もまた、とおいのだけれども。

    このひとの感覚が自分のなかでしっくり根付くのには、少し時間がかかりそうな気がするし、もしかしたらなんとなくの違和感をかかえたままかもしれない、とも。

  • 目が覚めて窓の外を見ると今日もまた雪だった。
    雪は白いというけれど、それは地面に積もった時の話で、降ってくる時は灰色。雪で満たされた背景の空よりも一段と暗い灰色に見える。

  • 早く読みすぎたかも。
    感想なし。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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