炎上する君

著者 : 西加奈子

• 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年4月29日発売)

感想・レビュー・書評

[kamaikoさんの感想 · 2013年1月19日]

人は誰しも、「自分」の殻、をかぶっている。

それは、他人から見れば、
自己愛、だったり、コンプレックス、だったり、
社会的役割、だったり、理想自己、だったり…

そんな名前が、つくんだろう。


わかってる、本当はいちばん、
自分がいちばん、自分のことは、わかっている。

だからこそ、動けない、
というのは、
ただの「甘え」なんだろうか。


おかみさんの叫ぶ『あんたぁ』で、
“生まれ直した”、わたし。

本当は、もっと守られているし、
もっと逃げていいんだ。

だって、「あなた」は、こんなにも、
ギリギリまで頑張っている。

頑張ってるんだよ。

[みゆきさんの感想 · 2013年1月14日]

西加奈子さんの好きなところが、ぎゅっと凝縮されたような文章。五感が冴えわたる、それも生々しく。読んだのは物語ばっかりだったけど、短編のほうが好きかも

一番びっくりしたのは、甘い果実。空を待つ も好きだし、ある風船の落下 も新鮮だった。

又吉さんの解説がなかなか良い。解説まで読んで本が完結するなあと思っているから、こういうのも大切。
ごちそうさまでした

[rhymeさんの感想 · 2013年1月4日]

信じて読んでいた世界観が、最後の一文で全て覆される快感。全身に怖気が走るような感覚。ただ美しいだけではなくて、淡々と綴られる文章の隙間に狂気が潜んでいるのが、この人の魅力かな。

[fisrinaさんの感想 · 2012年12月22日]

又吉くんがおすすめしてたから読んでみたけど、イマイチ。どの作品もファンタジックすぎて、感情移入できず。

[atsuko0882さんの感想 · 2012年12月13日]

最後の風船の話がすきかな

[hymat5さんの感想 · 2012年12月2日]

西加奈子の短編集。
他の作品よりも、より現実とは離れているような設定でした。
後半の作品が面白い。特に「ある風船の落下」。

[ヒロコさんの感想 · 2012年11月28日]

ファンタジー。だけど、どの話もすごい人間くさくてエネルギッシュ。

『炎上する君』が1番好き。

[鈴木さんの感想 · 2012年11月16日]

最後の、書き下ろしの短編、『ある風船の落下』がいちばんよかった。

私も『人間』でいたい。

[peopleloverさんの感想 · 2012年11月6日]

すっと馴染む語り口
日常の隙間から生まれる不思議な話

[haaさんの感想 · 2012年10月29日]

短編集で全部おもしろい本でした。
空をまつ、
という話の主人公のひとりでいる淋しさに震えました。穏やかな中に整頓された訴えるものがあって、読んだあとにほっこりできました。癒されます。
風船の落下はとても可愛かった。

著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ！』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。