爛れた闇の帝国

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 181
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741385

感想・レビュー・書評

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  • 【図書館】
    最後は怒涛の展開。
    登場人物全員バットエンド。
    この作者さんの他の作品も読んでみたくなった。

    作品の紹介
    高校2年生の正矢は生きる気力を失っていた。先輩でもあり不良の崎山が、23歳も年の離れた正矢の母親と付き合い出し、入り浸るようになったのだ。学校も退学し、昼間からぶらぶらと過ごす正矢に、小学生の頃から親友同士の晃一と絵美子は心配して励ましてくる。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。一切の記憶を失い、自分が何者であるかもわからない。どうやら自分は大東亜戦争まっただ中の東南アジアで「大罪」を犯してしまったらしい。少しずつ記憶を取り戻す男だが、定期的に現れる謎の男によって拷問が始まった…。やがて、絶望の淵にいる正矢と男は、互いの夢の中に現れるようになった。しかし、二人の過去には恐るべき謎が隠されていた!日本推理作家協会賞受賞『粘膜蜥蜴』から1年半…満を持して放つ、驚愕のエンタテインメント。

  • 拷問シーンが気持ち悪い。。。
    確かにラストは驚いた。

  • 初、飴村行だったのですが…結構読めました。

    2つの話しがリンクしていく、よくあるパターンですが…力技で繋げていく。

    …しかし、どいつもこいつも闇がありすぎだろう!でもこうゆうメチャククチャな設定もたまにはいいじゃないでしょうか?

  • どんな人間でも、心の中に闇の部分を隠し持っているということかな(-_-;)
    気持ちの良いストーリーではないんだけど、なんとなく気になる魅力がありますよね☆

  • ミステリーだと思ったらオチがホラーだった。そうして予想だにしない結末にびっくりでした。

  • 2011年9月5日、読了。

    この主人公の絶望はなんだ?

    とにかくこの主人公のようにはなりたくない。

    人間の闇にクローズアップした作品。それ程この作者特有の暴力は強調されなかったものの、とんでもない作品だった事に間違いは無い。

    完璧にやられた。予想外。満足。

    星五つ!

  •  どうしてこの本を選んだのか…。 何かの書評を読んで読もうと思ったのではなかったか。 ・・・。 う〜む、何とも不可思議な作品である。  全裸のまま両手両足を拘束された男。記憶を失っている。 そして、失われた記憶を思い出させようとする憲兵姿の男。そのための「刺激」とは、足首を切り落とし、親指を残して左手の指を払うこと。 一転して現代。 自分とさして変わらない男が母親の愛人となり、自宅に入り浸る。それに倦んだ少年は高校を中退し、ずっと仲の良かった男女二人との関係が微妙になっていく。 2つの物語が、爛れた人間の欲望によってあらがいようもなく結びつけられていく。  夜、二時間ほどで読んでしまった。 読了しなければ、夢見が悪くなると思ってね。 はてさて・・・。

  • 読了、68点。後半ネタバレあるよ~

    **
    目が醒めると四肢を鎖に繋がれた状態で拘束された兵士の元に憲兵を名乗る人物がやって来る。
    彼が言うには兵士は重大な罪を犯し、それを思い出させる為に拷問を加えてる必要があるといい、実際に残酷な仕打ちを与える。

    一方で正矢は一つ年上の高校の先輩と41歳の母親の交際に頭を悩ませていた。と同時に自らの心に言い様のない虚無感を抱え高校を中退してしまう。
    親友で3人揃って"ワンダースリー"と呼び合う晃一、絵美子も心配して相談に乗ろうとするが…

    やがて2つの話が絡み合い、人間の心の中にある爛れた闇が見え始めてくる。
    **

    『粘膜人間』以来の飴村行です。
    『粘膜人間』のときはグロテスクさが前面に押し出され過ぎて嫌悪感がどうも先にたってきちんと評価出来ていなかった気もしますが、
    今作はそのあたりが比較的抑え目で、そうして読むと筆力は凄いものがある人だなと発見。
    終盤の2つの話が絡み合い始める辺りからぐっと読み手を惹き付ける文章とテンポは良かった。

    ただこうして数日経って感想を書こうとすると、設定やら話の流れがどうも物足りないと言うかちぐはぐな印象を持っていたりします。
    ちょっとモヤモヤするものが残るのがマイナス。



    以下ネタバレ少し。

    悪かった点としては、結局のところ物語の始点である正矢の心の空洞とやらはどこから来たものなんでしょう。
    叔父との繋がりと読み取るべきかとも思いましたがあれって毎年行われてる行事なんだよねぇ、母親の交際が重なったから?
    そこらへんが消化不良なのが残念。

    あと正矢が母親の交際相手のところへ乗り込んだシーンで、正也の駄目人間っぷりを表現したかったんだろうけどあまりにヘタレ過ぎて話としての面白さに欠ける。

    逆に良かった部分は、なんと言っても兵士編で医者が異常者であることが判明し、そうすると血の繋がった孫の方もきっとヤバイ人間なんじゃないかと想像したら、その直後本当にそうだった!!!!!!
    と言うのが描かれる辺り。あそこはゾクゾクっと来ます。
    他にもまぁ登場人物全員が変態というか異常者というのも結構好き。

  • 粘膜蜥蜴のイメージが強くて楽しみに読んだけど、これは今ひとつだった。登場人物も魅力に欠けるし、プロットも意外というより取って付けたようだった。

  • 二つの話が平行して展開される.一つは全裸で四肢を壁に固定された日本兵、彼は憲兵に壮絶な拷問を受けるが自分がどのような罪を犯したのか、いや自分が何者なのかも記憶がない.もう一つは現代の高校生.正矢、晃一、絵美子.小学校の時からの仲良しワンダースリー.正矢の母は正矢より1歳だけ年上の不良生徒と関係を持っていた.やがて二つの世界が巧妙にクロスし驚愕の事実が明かされる.

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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