コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 794
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061190757

感想・レビュー・書評

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  • これは「コロボックル物語」っていうシリーズの一巻目で、番外編もあわせて全五巻のお話です。
    そして、なんと久々の日本人作家さんの作品! 私は海外の作品ばかり読んでいるので、国内の作品を読むのは珍しいのです。
    なんかね、やっぱり国内の作品だと嫌に現実味があって、純粋に物語を楽しめなかったりするんだ。推理ものとか恋愛ものは特に。
    この作品はファンタジーかつメルヘンです(*^^*)大好物だ!
    私が読んだのは図書館からかりてきたもので、新版なので昭和六十年が第一刷になってますが、もともと1959年に発行されたものらしい。私の生まれるずいぶん前の作品やね。
    バイト先の社長さんが本好きで、ハリーポッターを読んだっていう話から、これを勧めてもらったんだ。
    初めてのめり込んで読んだ本だって目を輝かせてあらすじを教えてくれるから、どうしても読みたくなっちゃって。
    図書館にあって本当によかった。何人もが開いて読んだ形跡があるから、たくさんの人に愛された本なんだろうなぁ。

    さて、物語のあらすじはというと。
    物語の始まりは、主人公「せいたかさん」が小学三年生の頃のこと。
    当時、村の子供たちの間でもちの木からとりもちを作ることが流行して、誰にも横取りされない自分だけのもちの木を探しに行ったせいたかさんは、小山や杉林に囲まれた、三角形の平地を見つけた。
    そこには念願のもちの木があり、さらには小さな泉がわき、小川が流れ、真っ赤なつばきの花のさく、すばらしい秘密の場所だった。
    すっかり小山が気に入ったせいたかさんは、ことあるごとに遊びに行き、時には学校の宿題をするために、スケッチブックを持って写生に向かったりした。
    ある日、てっきり自分だけのものだと思っていた秘密の場所で、見知らぬ女の子に出会ってしまう。
    女の子は人形のようにじっと岩の上にすわって、川の流れを見ていた。
    せいたかさんは女の子に話しかけたが、女の子は返事もせず、どこから来たのか聞いてもどこかを指さすだけ。
    迷子かもしれない。せいたかさんは心配になったが、そのときふと、女の子が口を開いた。
    「くつがない。かたっぽしかない。」
    今にも泣き出しそうな女の子に、慌ててくつを探してやるせいたかさん。
    小川を探すと、赤いくつがするすると流れていくのを見つけた。
    「あった、あった。」
    水しぶきをあげてくつに駆け寄ると、手を伸ばしかけて、
    そのとき、くつの中から、小指ほどの小さななにかが、手を振っていたのだ。

    …と、そんな感じで、主人公せいたかさんとコロボックルの物語は始まります。
    コロボックルっていうのは、皆さんも聞いたことがあると思うんだけど、アイヌに伝わる小人のことをさす呼び名なんだね。
    私はコロポックルって名前で知ってたけど、このお話ではポじゃなくてボらしいです(゜ω゜)
    コロボックルの姿に興味を持ったせいたかさんは、大人になってこの小山を買うために成長していくのですが、面白いんですよ〜、これがまた。
    ネタバレしちゃうとせいたかさんとコロボックルは後に仲良くなるんですが、だから「せいたかさん」というのはコロボックルがつけた主人公へのあだ名なんです。でも人間としてものっぽさんになるみたいよ、せいたかさん。
    コロボックルが可愛くて仕方がない!(笑)ちょこちょこ動きまわるコロボックルたちとせいたかさんの住む自然豊かな風景が目の前にぶわぁって広がって、本当に面白いお話だった。
    日本にもこんな気分になれるファンタジーがあったんだなぁ、って感じ。すごく気に入った。これは記憶に残るわけだわぁ。

    村上さんの挿絵も可愛くて、コロボックルのイメージそのものです。
    皆さんもぜひ、個性豊かなコロボックルたちを頭の中で遊ばせてください。面白いよ!

  • きらきらきらーーー
    幼いころの感覚をそのまま切り取ったような
    どんな現実にも汚されない世界

  • このシリーズが大好きだったなぁ。
    わたしの妄想の世界の原点かもーーー

  •  小学生の時に夢中になって読んだシリーズです
     読みながら部屋の隅や草の陰にコロボックルがいるのではないかと探したものでした
     ところどころに織り込まれるせいたかさんとおチビ先生のロマンスも素敵です 

  • ふと思い出したように読みたくなった

  • 原点。
    一番好きなのは、二作目の『豆つぶほどの小さないぬ』。

  • 子供のころに読んで、今でもたまに読みたくなります。
    自分の子供には必ず読ませる。

  • 私の原点の一つ。母に与えられたのが出会いではあるけれど、この物語に触れられたことを感謝している。

  • 森の中には 小指ほどしかない小さな人たちの国があるらしい!!

    なんてすばらしい

    だれも知らない、という点が特にすばらしい。


    村上勉さんのさしえが個人的にはすごく好き。

    なるほど、小さい人たちってこんな感じなのか!とよくわかるから。
    ちょっと意地悪な眼の感じがミステリアス。

  • 子供の頃に読んだコロボックルが登場する児童書。昭和40年頃に佐藤さとる氏が書いたらしい。村上勉さんの絵がかわいらしい。大事にしているシリーズ本。本当の舞台は、北海道じゃなく、関東地方だそうです

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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