地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫 11-2)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061472402

感想・レビュー・書評

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  •  タイトル通り、地下室からのふしぎな旅。ファンタジーには珍しく、薬剤師のチィおばさんという大人までも不思議な世界へ行ってしまう。いや、むしろチィおばさんの方が積極的に不思議な世界を楽しんでいる。そんなところが素敵。
     ふたりが馬車に乗りながらふしぎな世界について考察するシーンが印象的。いろんな名前の色が出てくるところも好きだなあ。黒じゃなくて「沼地の黒」とか「夏のたそがれどきの黒」とか。これを読んでから色の見方が少し変わった。
     権利ばかり主張しがちな人や、「もし違う選択をしていたら…」と後悔しがちな人、固定観念に囚われがちな人が読むとハッとするかもしれない。

  • ちょっと煙たいおばさんの家におつかいに行ったアカネは、そこの地下室で錬金術師と名乗る奇妙な男に会い、おばさんと共にとなりの世界に連れて行かれるのだった。
    異世界ファンタジーものというより、すこし不思議な物語という方がしっくりくるかも。一癖も二癖もある大人たちがしっちゃかめっちゃかやっている中で奮闘する少女という構図が面白いです。
    表紙をめくるととなりの世界の地図が描かれているのですが、それを眺めるのも楽しいですね。昔から地図のある本は大好きでした。物語に出てくること以外にも空想を広げる余地を与えてくれますからね。それもこれも全部含めてこの物語なんでしょう。

  • 講談社文庫で読みました。まず挿絵(タケカワこうさん)が繊細でとっても素敵!私はこういう児童文学の挿絵や地図を眺めるのが大好きです。「霧のむこうの〜」も良かったですが、私はより異世界感があるこっちの方が好み。登場人物の、好奇心旺盛でちょっと適当なチィおばさんと、しっかり者で時に厳しいアカネのコンビもいい。二人の姿は私たちの二面性を上手く表してくれているように思います。

  • 「自分のからだにあった土地で、自分のしたいことしてるんでしょうから、ひどい病気になんてならないらしいわ。」っていいな。小学生のころには気づかなかったけど。

  • 著作権侵害の問題に巻き込まれた、と聞いて、
    これ読んだ事なかったわ、と初読み。

    隣の人と仲良くなって、もっと多くの世界の不思議が広がっていくのは、楽しいだろうな。

  • この前のグループ会でオシャレ先輩が真っ赤なとんがり靴を履いてて。あれ、めっちゃ可愛かったけど、可愛いと思った理由は「ピポっぽい!」から。
    でも、そうとは言えず、「昔から好きな本に出てくる小人が履いてる靴のイメージ通りなんです!」と丁寧に説明。
    それを聞いてたぶちょおが、「きみ、そういう発言が本当によく似合うねぇ」と。
    その言葉でソッコー頭は『耳をすませば』の聖司くんに。雫ちゃんが、聖司の作ったバイオリンを見て「すごい!魔法みたい!」と言ったのに照れて、「おまえ、よく、そういう恥ずかしいセリフが言えるよな」と返した場面へ・・・

    あー、私の頭は、ちゃんと好きな物語で埋め尽くされてる!!空っぽなんかじゃないんだ!!!

    ・・・こんなこと言ってると、パーなヤツに思われちゃうわけで、でも、本好きが集まるこの場所なら許される気がしてます。

    好きな物語の、好きな場面や台詞が、リレーしてるみたいに頭の中を横切っていく瞬間が、私は何より好きなのです。私らしい自分を感じられるのです。

    ダメ??

  • 「霧のむこうのふしぎな町」を読んだので、3部作を読み返そうと思って久しぶりに読んだ。
    …のだけれど、今読むとそんなに面白くもない…と思ってしまう。
    絵本とか、かいぞくポケットレベルの本は今でも楽しく読めるのに。
    どうしてなのかな。
    こどもが主人公なんだからそんなに大人の登場人物ばっかり出さないでよ、と思ってしまった。

    内容はきれいさっぱり忘れていたのに、解説の、金庫の話はきちんと記憶に残っていた不思議。

  • 今まで何度読んだことか。本を読む楽しさを教えてくれたのがこの本。私もこんな体験をしてみたいな、別の世界に通じる穴はどこにあるのかな、なんて思いながら、壁をノックしてみたこともある。いつまで経っても色褪せない世界がある気がする。

  • 子供の頃に買って貰った宝物。 柏葉さんのふしぎシリーズ(?)はみんな面白い。登場人物がいきいきしていて本当にどこかから不思議な国に行けるのではないかと思っていた…(^_^;) 不思議な国、不思議な人々、わくわくする展開の中に人を思いやる気持ちや本当の友達ってどういうことなんだろう…って事がちゃんと書かれている素敵な本。姪っ子に読ませよっと!(^O^)/

  • きっと2つの世界をつなぐ穴はあちらこちらにたくさんあるんだ。
    おばあちゃんの家にある狭くて暗い押入れの奥だって
    どこかとつながっているような気がする。

    信じること。想像すること。
    それだけで世界は何倍もおもしろくなる。

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著者プロフィール

児童文学作家。岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。大学在学中に講談社児童文学新人賞を受賞し、『霧のむこうのふしぎな町』でデビュー。ファンタジー作品を多く書き続けている。『牡丹さんの不思議な毎日』で産経児童出版文化賞大賞、『つづきの図書館』で小学館児童出版文化賞、『岬のマヨイガ』で野間児童文芸賞受賞、『帰命寺横町の夏』英語版でバチェルダー賞受賞など受賞歴多数。


「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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