満足死 寝たきりゼロの思想 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498808

感想・レビュー・書評

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  • 地域医療に人生を捧げ、寝たきりをほどんどゼロにしたお医者さんの話です。

    満足死の定義は難しいのだけれど、本人も家族も満足できる死に方といったところでしょうか。この本に書かれている満足して死んでいった人々の幸せそうな最後は、いつまでも忘れられないほど印象深いものがある。

    寝たきりや延命治療に疑問を投げかけ、自分の人生をかけて挑んだこの先生を僕は一生尊敬し続けると思います。

  • 世の中には住民のために骨身をおしまず地域医療をなされている医師がいます。
    コミックをドラマ化した「ドクターコトー」のような存在の方が実際にいらっしゃるのです。
    1人で村人の健康を支えるというのは、口では言えても現実的にはとても難しいものです。
    高知県の佐賀町で村人の健康を守り続けた疋田医師のことを書いた本です。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11933685275.html

  • 2007年の著作、家族で家族をみとることについて考えさせられた。日本人は死を家族で語らない、嫁には感謝しちゅう、サクラとともに散って行った人、海に連れていけなくて後悔した。たぶん何年後もこのレビューを見れば思い出すだろう。
     最後には、幼少期のスキンシップの重要性についても書かれていた。私は祖母のおんぶ紐で育ったようなものだが、確かに最近の人でおんぶ紐を使っている人いない。虐待は連鎖するとも書いてあり、子育てってなんだろうか?とも考えた。
     死に対して多くの希望があると思うが、現実かなうのは難しい。病院やホームで死ぬイメージが定着しつつあるこの世の中で、こんな絵にかいたような死に方もあるんだと驚いたし、誇りにも思った。私も死ぬにあたり何を望むのか考えていきたいと思った。
     家族に一読を進めたい本。

  • 「尊厳死は二人称、三人称の死」という発想に驚いたが、納得。「満足死」という柔軟な概念に希望を見た気がする。

  • [ 内容 ]
    死ぬまで元気でいたい。
    自宅でぽっくり死にたい。
    在宅死亡率70%と医療費削減を実現した老医師の執念。
    尊厳死とまったくちがう満足死を、大宅賞作家が追う。

    [ 目次 ]
    第1章 寝たきりゼロの町
    第2章 全村病院構想
    第3章 満足死宣言
    第4章 「満足死」的生き方
    第5章 それぞれの満足死
    第6章 ケア完備の町づくり
    第7章 半歩先の満足死

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • この次が問題
    この本の中で汎用化に成功している人の記述がちょっと。
    それから、、、
    昔の死に方の体験談と医療費問題。

  • 高知県佐賀町(現黒潮町)の診療所で地域医療に心血を注ぐ医師、疋田善平さんの足跡を追ったルポルタージュ。以前読んだ山地農法の斎藤晶さんと重なってくる部分が多かった。僻地で己の信念と独創性に従って生きる者は周囲や行政から奇異な目で見られ理解されにくいものだ。独断専行で説明不足に映るのだろう。今となっては当たり前となった介護理念もほんの少し前までは受け入れがたい「早すぎたラディカルさ」をもっていた。そんな周囲から評価を受け信頼関係を築くまでには、あまりに長い年月を要している。「根づく」ことを「覚悟」した者の時間的積み重ねに只々敬服。

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著者プロフィール

奥野 修司(おくの しゅうじ)
大阪府出身。立命館大学経済学部卒業。
1978年より移民史研究者で評論家の藤崎康夫に師事して南米で日系移民調査を行う。
帰国後、フリージャーナリストとして女性誌などに執筆。
1998年「28年前の『酒鬼薔薇』は今」(文藝春秋1997年12月号)で、第4回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞受賞。
2006年『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で、第27回講談社ノンフィクション賞・第37回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
同年発行の『心にナイフをしのばせて』は高校生首切り殺人事件を取り上げ、8万部を超えるベストセラーとなった。
「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」は25年、「ナツコ 沖縄密貿易の女王」は12年と、長期間取材を行った作品が多い。
2011年3月11日の東北太平洋沖地震の取材過程で、被災児童のメンタルケアの必要性を感じ取り、支援金を募って、児童達の学期休みに
沖縄のホームステイへ招くティーダキッズプロジェクトを推進している。
2014年度より大宅壮一ノンフィクション賞選考委員(雑誌部門)。

「2023年 『102歳の医師が教えてくれた満足な生と死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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