- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061853881
感想・レビュー・書評
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前半がまだるっこしい。他の館シリーズは最初から夢中になれたけど、これはどうも冗長だったなぁ。しかも犯人が早い段階で解る。島田さんも違和感あったし。あんまり書くとネタバレになるから止めますが、今回は雰囲気重視で内容が伴わなかったな、と思った。だいたい病弱だからってニートな主人公は嫌。
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何度読んでもその時々で評価や感想が変わる、私にとっては複雑な作品です。全体を覆う陰鬱な雰囲気は嵌まる時には、とことん嵌まります。新装改訂版では、冷静に読みたいものです。
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これは犯人分かりました~
綾辻さんの館シリーズは『十角館の殺人』しか読んでなかったのですが、他の作品も読んでいると、また印象が変わりそうな作品です。 -
館シリーズ4作目。実はここからが自分にとっては
シリーズ初読です。前評判から「人形〜」は...
とか、異色とか、変化球とかの情報は得てたのですが...
本当に...変化球ですね。暴投と言ってもいいような気もします。
でも、暴投のクソボールなのに...何故かバットが出てしまう。
前3作があったからこそ出来たこの作品のプロットは
たった一回のみ使える必殺の一球。
彫刻家だった父親がかつて住んでいた京都の屋敷。そこは
マネキンが何体もオブジェの様に飾られた不思議な人形の館だった。
主人公「飛龍想一」が移り住んでから不思議で生臭い事件が
連続して起る。
単純には犯人探しがメインですが、読むにつれ今作が
醸し出す危うい雰囲気と隠し持った刃に少しづつ
引き込まれていくのは...なんだかんだ言って...面白い作品
なのではないでしょうか?
上手く言えませんが...「館シリーズ」や「新本格」、
そして「ミステリ」「推理小説」...と言ったものの枠から
一度逸脱する事の魅力。そうする事でその枠を今後も
続ける事に対して得るもの...そういった事を感じながら
書かれた作品なのかも...と思うと目くじら立てる作品な
ハズがないんですけどねw。これ以降の他の綾辻作品を
順番に読んでいくのが楽しみです。 -
館シリーズ4作目にして初めて犯人を当てることができた!
と言っても80%が勘だったのだが。
これまでの3作とはまた異なった、主人公の眼から館での日々を見る形式はなかなか魅力的で、飛龍フィルター(勝手に今名付けた)があってこその、本作だったと思う。こつこつと構築してきた世界を最後にあとかたもなく壊される快感は、解説者に同意したい。
最後にちょっとした推薦文。これ、多分臨床心理学をかじった人なら(もちろん時代遅れの感はあるだろうが)深読みが楽しいと思います。 -
これまでのシリーズと同じ雰囲気を期待していたため、読了後は複雑な気持ちを抱きましたが、けっこう好きです。ラストの種明かしは、途中でまさかまさかと想定はできてしまいますが、がっかり感はないです。むしろ、やっぱりそうなのかと確認しながらも食い入るように読む感じ。
これまでのシリーズの印象付けを逆手に取るようなやり方は上手いですね。
このネタでどれだけ書けるかという作者のチャレンジなのかと思ったよ。 -
館シリーズの一作であるが、他の作品とはずいぶん作風が異なる。他の作品では隔離された環境で起こる殺人、というものだったが、この作品では館が京都の町中にあるため、全く隔離されていない。また多作品では数日間という短い期間の話であるが、この作品では解決までに数ヶ月たっている。そして肝心の探偵も、それこそ終盤になるまで現れない。
そして一番異色なのがトリック。シリーズであることを逆手にとった罠がある。賛否両論あると思うが、私は大好き。 -
この手の話は個人的によく読んでいたので、ほぼ予想通りの展開だった。
間違いなく信じられると思っていたことが実は信じられないこと、、、それだけ「主観」で書かれていることが重要な作品である。
ラストはヒヤッとさせられる。