- Amazon.co.jp ・マンガ (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061859937
感想・レビュー・書評
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愚かで悲惨だ。今でも同じレベルの人間が社会の中枢にいる。
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ゲゲゲの女房やアニメの鬼太郎とは違い、水木先生の絵は苦手な方だし、ストーリーも重いので中々入り込めないままにおわってしまったけど、あの戦争はほんとうに沢山の日本人が犬死したのだと思う。私が出来る事は身近な国際交流だと思ってる。
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壮絶の一言。
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あとがきによると90%が事実とのこと。大局に無関係な玉砕命令もそうだけど辺境の地でつまらない原因でポカポカ人が虚しく死んでいくのが実に哀れ。戦争はフィクションで十分。
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メランコリーから死にたい人よりも、
義務感や勇猛心で死にたい人のほうが危険。
純粋であることは危ない。国粋にそのまま連結されるから。
たいして意味のない場所を守る意義とは。
玉砕という報告を、「後から事実にする」ための圧力の理不尽とは。
華々しい玉砕など極めて稀だ。
餓死病気怪我溺死魚が喉に詰まっての窒息まで、ゴミ屑のように人が死にゆく中で、生き延びられるかどうかは運のみ。
誰が誰であってもおかしくなかった。
水木サンは生き延びたけれど、水木サンをモデルにした人物は凄まじい死を遂げた。
一体どれだけ身を削るような思いで描かれたものか、想像するだに身震いする。
201908再読。
やはり凄まじいなー。
その後「指の骨」を読んだり「野火」を再読したりしたけれど、脳内映像の大部分は水木しげるのおかげだった。
というよりも「指の骨」高橋弘希は間違いなく漫画読みだし、水木しげるも多くの戦争文学を読んでいないはずがない。
相互に関連し合っているのだ。
その中でこのビジュアルイメージは圧倒的。
単純に平和教育だとかヒューマニズムだとかに回収され切らない精緻さとどぎつさがある。 -
再読。圧倒的な迫力と彼の絵が醸す独特のアトモスフィアに言葉はありません。名作です。
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心がえぐれるかもしれないけれど読んで欲しいものです
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帯文(裏表紙):”戦争の無意味さ、悲惨さを迫真のタッチで、生々しく訴える感動の長編コミック。”
目次:ニューブリテン島 ココボ、バイエンの雨、重労働と雨、小指、敵上陸、斬込隊、本陣地の一角くずれる、本多軍曹の死、玉砕、その夜のこと、聖ジョージ岬、死の使者、みなごろしの岬、あとがき、解説 足立倫行 -
2015年11月に亡くなった水木しげる氏が、自身の戦争体験を基に1973年に発表した長編戦記マンガ。1995年文庫化。2009年にフランス・アングレーム国際マンガフェスティバル遺産賞を受賞している。
物語の玉砕は、ニューブリテン島ズンゲン(物語ではバイエン)で成瀬大隊(物語では田所支隊)が行ったものとして、戦史上も有名な事件である。二度目の玉砕は現実にはなかったことなど、一部に創作を加えているが、水木氏によれば「90%は事実」だという。水木氏自身は同大隊に所属していたが、空襲による左手切断とマラリアによって生き延びて帰還した。
太平洋戦争時の日本軍において、軍上層部が下した玉砕や特攻などの合理性のない命令(作戦とすら言えない)は100%批判されるべきものであるが、その命令を受けた兵士がどのような行動をとるべきだったかについては唯一の答はないのではあるまいか。“潔い”か否かという基準で見れば、本作品の1回目の玉砕を生き延びた兵士も、ベストセラーになった『永遠のゼロ』の宮部久蔵も(宮部は最後には特攻を志願して戦死するが)、“潔くない”のかも知れないが、“正しい”か“正しくない”かについては、誰も解答を出すことはできないだろう。
ただ、偶々生き延びて帰還した水木氏が、マンガという受け入れやすい表現形式で、戦争で起った悲劇を多くの人々に知らしめたことの意義は間違いなく大きく、それに関しては我々は幸運だったと言うことはできよう。
(2016年1月了)