- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061963733
作品紹介・あらすじ
人間国宝や文化勲章に推挙されても応じることなく、一陶工として独自の陶芸美の世界を切り拓き、ついには焼き物の枠を超えた無私普遍の自在な造形世界に自らを燃焼させた河井寛次郎が、美しい物に隠れている背後のものを求めての歩みを詩情豊かな文章で記した、土と火への祈りの書ともいうべき名エッセイ。
感想・レビュー・書評
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書いてることは、感覚的なことなど十分理解できないところもあるけど、「人に灯ともす人 人の灯明に灯をともす人」って「柳(宗悦)にささぐ」で人を評しているけど、それ自分やんと感じる、そんな何かを十分以上にいただきました。
人のこと言ったつもりが、悪口とかもですが、自分のことだということがままありますが、まさしくそれではないかなと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
美術館で陶芸を見て好きだったので、どんな文章を書くんだろうと思って買った、文章もよかった…
詩も散文も真っ直ぐに強い
そもそも陶芸、全然鑑賞方法や楽しみ方がわからなかったんだけど、エッセイを読んで、陶器や土と向き合って、「関係を作る」…っていう、ものの見方がわかって、面白かった -
名文。
日本語ってこんなに美しいのかと感動する。
特に子供の頃の記憶を書いた、第三篇がいい。 -
今日の読了本はここ最近の KiKi の読書傾向からすると、ものすご~くゆっくりと、時間をたっぷりかけて味わった1冊でした。 これは、本当に良書だと思います。 書かれている内容も深いんだけど、それより何より、こんなに美しくも雄弁な日本語を久々に読んだような気がします。 それも日本人のDNAに浸み込んでいる何ものかに、静かに、それでいてストレートど真ん中を射ぬく勢いで訴えかけてくる言葉・・・・・。 そんな言葉に溢れた珠玉の随筆集だと思います。
日本の土と水を手で触り、日本で伐採された木で火を焚き、造形の道を邁進した人間っていうのは、その直に触れた風土とでも呼ぶべきものから、鋭敏な感覚と「日本人を形づくってきた核のようなもの」を、かくも鮮やかに、かくも慎み深く感じ取るものなのか・・・・と感嘆するばかりです。
とは言うものの、読み始めは通常どおりさらさらと、布団に寝転んで・・・・という体制で本を開いてみたんですよ。 でもね、冒頭の「部落の総体」という文章をほんの1ページ読んだだけで、KiKi は無意識のうちに布団から出て椅子に座りなおしていました。 KiKi の中の何者かが告げるんですよ。
「この本は寝転んで読む類の本ではないよ。」
ってね。 この感覚は本当に久しぶりでした。 そう、例えて言えば、まだCDなんていうものがこの世にはなくて、LPレコードがかなり高価だった時代に、お誕生日とクリスマスのプレゼントとお年玉を全部合わせてようやく買ってもらった大切なレコードに、わくわく・どきどきしながら、居ずまいを正して針を落としたあの瞬間の感覚に似ていました。
(全文はブログにて) -
5夜
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胸が熱くなります。
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序
第一篇 物と作者
第二篇 窯場紀行
第三篇 町の景物
第四篇 いのちの窓
河井寛次郎素描 壽岳文章
人と作品 河井須也子
年譜 鷺 珠江
著書目録
(目次より) -
陶芸の巨匠、河井寛次郎の随筆は、制作と作品への愛情や、哲学的な思いがよく伝わってきます。
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2007/8/23購入