- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062087490
感想・レビュー・書評
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『三月は深き紅の淵に』という稀覯本を題材にした4作品が収録されています。
第一章『待っている人々』会社員の主人公が、会長に自身の館に招待され、そこで上記作品を探し出してくれないかとの依頼を受ける…。
第二章『出雲夜想曲』編集者の堂垣隆子と江藤朱音が、上記作品の作者を訪ねて出雲まで寝台列車の旅をする…。
第三章『虹と雲と鳥と』転落死した女子高生、元カレと家庭教師が二人の死の真相に迫る…上記作品の前日弾的な内容。
第四章『回転木馬』上記作品を執筆するにあたっての回想と理瀬のストーリー。
この作品を読む前に『麦の海に沈む果実』を読んでいて、あまりにも壮大な世界観に引き込まれ、本作も読んでみたいと思い手にしました。
本作で好きなのは、第二章と第三章、切なく悲しいストーリーの鍵となるのは『三月は深き紅の淵に』であるという共通点…深いなぁ~と思いました。
第四章に『麦の海に沈む果実』の主人公理瀬が登場しますが、理瀬のことが好きになって読んだ分、ちょっとだけ得したような感じで読めました(^^)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「三月は深き紅の淵を」
果たしてそれはどのような本なのか。誰が書いたのか。そもそも存在するのだろうか。
「三月」をめぐる4つの話。 -
先に読んだ「麦の海に沈む果実」のベース(?)のようです。
全4話、全てに「三月は~」という謎の小説が出てきますが
その内容も書いた人もその背景も全て違います。
長編でも連作短編でもスピンオフでもなく、
「三月は~」というタイトルだけが共通した別の話ですね。
後に発表される「麦の海に~」はこの4話目のスピンオフですね。
話を入れ子式に、という解説(?)を見ましたが
入れ子の感じはしませんでした。
もっとこう…それぞれの話が意外な部分で少しずつ繋がって
全部読み終わると最終的に大きく「一つの話」になる、
とかそういうことを想像してたんですが。
私には単に独立小編4作をまとめただけにしか…。
1話目が好みでしたが読み進めるうちに違和感だらけになりまして。
やりたいこととやってることがどうにもちぐはぐな感じがして
「麦の海」のほうが好きでした。 -
出雲の話が好きでした。
寝台車乗ってみたいな。 -
最初は展開が気になって仕方ないカンジだったのに、4章で「あれ?」となってしまいました。
分かる人には分かるのかしらん??
それまでが良かっただけにちょっと残念。。。
もっと他の作品も読んでみます。 -
ん~~、うなった。
最後の章が不可解だわ。
でも、気になる作家さんです -
この一冊自体が凝った構造になってるのは面白いし、短編それぞれも面白い。3章までは。
構造上、あの形で4章目が必要なのはわかるけど、3章で終っといた方が良かったんじゃね?っていう。
どうにもこの方の「結」の部分は私にあわない。
2008/3/18 -
3.0
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感想
一冊の本を巡り絡み合う物語。薔薇の名前のように本が人々を翻弄する。合わせ鏡の中を彷徨うような浮遊感。それでいて切ない匂いがする。