- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062100809
感想・レビュー・書評
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第122回芥川賞。
やれ密室殺人だ不可能犯罪だアリバイ崩しだロジカルだ、そんなミステリばかり読んでいると、こういった本を読んだときにあまりの「何も起こらなさ」にびっくりする。悪い意味では無く。
2000年の作品だから、もう13年も前である。いわゆるオネエが(この言い方好きじゃない)テレビで引っ張りだこの今と違って、当時はまだこういった人たちは比較的表に出て来なかったんじゃないか、と思うのだけれどどうだろう。
まあ今だって、相変わらず「ちょっとヘンな人たち」という消費のされ方しかしていなくて(芸能界でオネエ以外にセクシャルマイノリティを告白している人間は極僅かである)、だからこの作品の、当たり前の日常というものがそういった人たちにも存在している、というメッセージは、今でも十分に通用するものではないか。
それは勿論、歓迎するべきことではないのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
装丁と題名だけだと、小中学生くらいの子どもの話なのかな~と思ったんですが、読んでみたら全然違うので驚きました!
ゲイ、トランスジェンダー?女装家?、売れない作家、など何となく世の中のド真ん中本流から外れてしまったような人たちが出てきます。類は友を呼ぶ・・と言っちゃあいけませんよ。
彼らは、そのことを取り立ててマイナスに思うわけでもなく、「普通のこと」として生きていて。
トイレの個室の壁にあんなような落書きをするサラリーマンっているんだな・・・て違う所で、ふ~ん。って意外に思いました。 -
「八月になったらキャンプに行こう」そう約束していたマルオたち。発起人はオカマちゃんのたま代だ。マルオと彼を取り巻く心優しい人々の、ある夏の物語。
主人公のマルオはゲイでヒカルという恋人がいる。堂々と手をつないで町を歩く。小学生に卑劣な野次を飛ばされたりするが、マルオは黙って受け流す…。
あまりにも淡々としすぎて、読んだ後ちょっと呆然としてしまう。 “差別”というテーマにしてはおとなしすぎるし、本当に、起伏のない日常を描いたって感じ。この中にどんなメッセージがあるのか、私には分かりません。
☆芥川賞 -
芥川賞受賞作。
さくっと読めました。
わりと明るくてさっぱりしていて、嫌いではないかな。
マルチーズのアポロンかわいい、と、ただそればかり考えていました。 -
え?これが芥川賞?と思った
いかにも2000年!って感じ -
ゲイであるふたりの淡々とした日常を描く。とても読みやすかった。
生活描写がリアル。 -
ゲイの人たちを数多く知っているわけではないが、彼らの生活がとても「リアル」に感じられる。へんに気負っていないところがいい。
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偶然なのか、直前に読んだ【熟れてゆく夏】と正反対にある作品。
あちらが「純文学調」なのに、こちらは「口語調」。
肩肘張った自然描写など皆無で、だれでも書けそうな文体。
あちら直木賞、こちら芥川賞の違いが見事に分かる。
オカマ、ゲイ、ホモの奇妙な男を中心に、ちょっと抜けた女性達が絡む話。
かなり、変な交友関係だが、どちらが人間的かと聞かれれば、ウ~~ンと唸ってしまう。
普通の人間ってナンなのよ・・・っと問いかけている作品。
と書くと、深そうに思われるが、全然深くない。
でも、やっぱり深い。
そんな難しいテーマでも、こうやって口語調に平易な言葉だけで書けるでしょう?と気付かされる。
じゃあ、オススメかというと、コレもウウ~~ンと唸ってしまう。
読んでいて、コレは男性が書いた作品だと信じて疑わなかった。
ところが、作者の写真を検索していると、見つからない。
ぼやけた女性の写真が一枚あるだけだ。
「千夜」というと、ひょっとして女性?
急に、確信が揺らいでしまった。
ようやくその正体が判明した。
男性なのに、それに違和感を抱く、性同一性障害を持った人らしい。
どうりで、不思議な文章だと思った。 -
2002年9月11日読了。
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さらっとした日常が最後までさらっと流れてく感じ みんなそれぞれに悩みや満たされない何かを持っていて、意外にみんな愛らしい感じで良かったかな